不動産を相続するときはどうしたら良い?大まかな流れをご紹介!

不動産を相続するときはどうしたら良い?大まかな流れをご紹介!

「不動産を相続する時は何から始めれば良いの?」「実際に何を決めたら良いの?」「ただでさえ難しそうな相続になのに、不動産が関わってきたらどうしたら良いか分からない」と言ったお悩みの方も多いのでは。ご家族などが亡くなれた時、相続の段取りとして何をしたら良いかなど、不動産を相続する際の流れや動き方などをご紹介します。

遺言書の確認

遺言書の確認

大切な家族の方が亡くなった時、相続が発生します。亡くなった方(被相続人)が遺した財産の評価額が一定の金額以上であれば相続税の申告・納付義務が生じることも。

その財産のなかでもとくに金額的に大きくなるのが「不動産」です。

不動産に限らず、相続の際にはまず遺言書の有無を確認します。遺言書の存在を確認出来た場合は、記された内容に従って相続をしていきます。

遺言の種類(自筆証書・公正証書・機密証書)はどこに保管されていたかによって、家庭裁判所の検印手続きが必要になります。遺言書を見つけた場合は、すぐに開封するのではなく慎重に確認しましょう。

相続人の確認と相続財産の確認

相続人の確認について

遺言書による相続人の明記が確認できない場合、民法で定められた法定相続人がお金や不動産を相続します。

法定相続人の調査は、故人の戸籍謄本等を本籍地の市役所で取得します。 取得した戸籍の情報を元に、前本籍地の戸籍や、戸籍に記載されている関係者の戸籍等を取得し、相続人が誰なのかを確認していきます。

その後、相続人全員が確認できたら、取得した情報をもとに相続人の相関図を作成します。

相続財産の確認について

預金口座等のお金は比較的確認しやすいですが、不動産が財産として含まれる場合は、市区町村から届く固定資産税の納税通知書を確認する必要があります。

また、借金や保証債務などのマイナス財産を調査することも必要です。

遺産分割協議

遺産分割協議

相続人が複数人いる際は、遺産分割協議を行い、誰がどの財産を相続するのかを話し合います。ただし、遺言書の内容通りに相続する場合、協議は不要です。

遺言書の内容として、どの財産を誰に相続するか記載がない場合、相続人で協議の上、相続人全員の合意が必要となります。

もし、協議がうまくいかなかった場合は、家庭裁判所の調停手続きを利用することも可能です。裁判官と調停委員で構成される調停委員会を仲裁者とし、相続人同士で話し合いを行いながら、遺産分割の合意を目指します。

それでも合意にいたらなかった場合は審判手続きに移行。財産の種類や相続人の年齢、生活状況などを考慮し、裁判官が審判をします。

相続不動産の名義変更と相続税の申告・納付

相続税の申告

相続不動産の名義変更

不動産の相続人が決まったら相続登記手続きを行い、名義変更をします。

相続登記を行う場合は司法書士等の専門家にお願いするのが一般的。仮に自分で登記をする場合でも、登記事項証明書など、書類発行の手数料が発生します。

相続税の申告・納付

相続財産名義を変更した後は、相続税の申告と納付を行います。

こちらは、相続開始を知った日の翌日から10か月以内に、税務署に相続税の申告・納付を行う必要があります。申告期限を過ぎたり、納税額が不足したりすると、延滞税や加算税を課せられるので注意しましょう。

相続税の基礎控除額

前述にて相続税の申告・納付について説明しましたが、相続税の基礎控除内に実際の相続額が収まっていれば、相続税は発生しません。

<相続税の基礎控除算出方法>

基礎控除=3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)

例)法定相続人が2人いた場合の基礎控除額

  ⇒ 3,000万円+(600万円×2人)= 4,200万円

⇒相続財産の総額から負債などを差し引いた額が4,200万円以内であれば相続税は発

生しません。

現在、相続後に相続税が発生する(=上記基礎控除額を超える)割合は8~9%。

参照:国税庁 令和3年分相続税の申告事績の概要 sozoku_shinkoku.pdf (nta.go.jp

相続税そのものではなく、財産の分け方が問題になることが多いです。特に不動産は分割しづらい財産のため、慎重に進める必要があります。

まとめ

不動産相続と言ってもケースバイケース

不動産相続といっても、土地だけの場合や、戸建てやマンションまで含まれるなど、さまざま。どんな不動産を相続するかによって流れなども変わってきますので注意しましょう。

いつ相続が発生しても対応できるよう、事前準備や下調べが必要になります。細かな決まりや難しい内容も多いので、専門家へ相談をしてスムーズな相続となるようサポートしてもらうことも良いでしょう。

■監修_中部ガス不動産/担当者_資格:宅地建物取引士

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WRITER PROFILE

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岩下加奈

愛知県豊橋市在住。地元出版社に勤め、東三河エリアを中心とした住宅情報誌の編集長などを勤める。名古屋や東京などの雑誌・WEBのライティングや編集を行い、年間1000件以上の取材をこなす。豊橋市市役所広報アドバイザー、東三河の魅力を発信する講師活動、審査員なども務める。ワンライフコミュニケーション株式会社ゼネラルマネージャーとして、企業様・個人向けの外部広報を担当。

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