賃貸物件を退去するにはどうしたらいい?流れや注意点を解説!
賃貸アパートなどを退去するとき、どのような段取りで動くと効率的に進むのかご存知でしょうか?退去を決めた後は、アパートなどの管理会社への連絡や、ガスや水道の解約など、手続きなどやることはたくさんあります!
今回は、賃貸アパートや賃貸マンションにおける退去の流れや退去立会までにやるべきこと、原状回復などの注意点をご紹介します。
賃貸物件の退去・解約手続きの流れ
賃貸アパートやマンションを退去して次の暮らしへ…。そう決めた時は、どのような段取りで動いたら良いか知っていますか?退去や解約手続きをスムーズに進めるためにも、全体の流れを把握しておきましょう。
- 退去連絡(電話や書面)と退去立会日の報告
- 電気・水道・ガス・火災保険などの解約手続き
- 郵便物の転送届を提出
- 引越し前の役所等へ転出届を提出
- 荷物の整理と部屋の掃除
- 近所へご挨拶
- 引越し+退去立会
- 敷金の精算
このように退去までに手続きがたくさん必要です。しっかりと確認して計画的に行いましょう。ここからは、先に挙げた内容を細かくまとめていきます。
退去連絡(電話や書面)と退去立会日の報告
退去の意向が固まり次第、管理会社や大家さんに連絡を入れましょう。
お部屋を借りる際に結んだ賃貸借契約には解約予告期間が設定されています。
解約予告の期間として、解約希望日の1ヶ月前や2ヶ月前までに管理会社等へ連絡(電話または書面)するよう明記されており、この期間は契約内容によって異なるので確認しておきましょう。
退去予告は電話連絡をした日が予告となる会社や、書類の到着日が予告日となる会社もあるので事前に確認をしましょう。
注意点としては、電話の申し出だけで解約連絡が完了しない場合もあります。書面やオンラインなどで別途退去届を提出することを求められることもあるでしょう。
また、退去日を連絡する際には、退去立会日も報告する必要があります。入居者や管理会社、場合によっては大家さんも含めて立会いを行い、室内状況の確認を行います。
退去立会いはお部屋が空になった状態(=入居した時と同じ状況)に行うということも、注意点として押さえておきましょう。
電気・水道・ガス・火災保険などの解約手続き
電気・水道・ガスなどのライフラインや、インターネット・火災保険などを解約する必要があります。
これらは管理会社側では解約できないので、契約者である入居者が解約連絡を行います。
注意点として、ガスの閉栓についてはガス会社の立会いが必要になる場合があることです。立会としては数分で終わることがほとんどですが、ガス会社の営業日や営業時間の中で事前に手配することが必要になりますので、退去日とうまく予定を合わせるなど工夫をしましょう。
インターネットなどを入居後に引き込んだ場合、撤去作業の立会いが必要になることがあります。こちらもあらかじめインターネット会社に確認をしておきましょう。
火災保険の解約日もお部屋の解約日と合わせておくと安心です。
郵便物の転送届を提出
郵便物の転送手続きは、引越しなどで住所が変わった際に旧住所宛ての郵便物を新住所に転送するための重要な手続きです。
郵便局の窓口やインターネットで簡単に申請でき、通常1年間無料で転送サービスを利用できます。引越し前に早めに手続きを行い、漏れのないように対応しましょう。
引越し前の役所等へ転出届を提出
住民票が現在のアパート・マンションであれば住民票を移す必要がありますので、役所に行き転出届を提出します。
その際に「転出証明書」を受け取るので、新居の役所で転入届を提出するときにこちらを持参する必要があります。転出届・転入届はいずれも引越し日前後2週間以内に提出します。
荷物の整理と部屋の掃除
引越し当日までには荷物の整理と部屋の掃除を行いましょう。経年劣化の汚れを除き、床のシミや落書きなどは基本的に入居者負担で修繕する必要があります。
また、退去に向けて日常的に使用しないものは片付けを始めるのがスムーズ。退去後に清掃業者のクリーニングが入ることが通例のため、きっちり綺麗にする必要はありませんが、お部屋全体を簡単に掃除しておくと良いでしょう。
退去立会いまでに部屋を元あった状態に戻す必要があります。簡易清掃と併せて、自身が入居する際に設置した照明を取り外すなど、入居した時と同じ状態になるよう、作業を進めていきましょう。
近所へご挨拶
引越し当日は荷物の搬入などで騒音が発生することが多いため、事前に挨拶しておくことで、ご近所の方々に理解を得やすくなります。
マンションやアパートの場合、隣接する上下左右の部屋や、同じフロアの住人にご挨拶しましょう。
引越し+退去立会
荷物の整理と清掃が終わったら引越しです。荷物の梱包などを済ませて引越しを行います。
退去立会いは、管理会社や大家さん立会いのもと部屋の状況などを確認していきます。立会いとしては30分〜1時間程度で終わることがほとんどですが、入居者と管理会社が一緒に部屋を確認することで、元々ついていた傷とそうでないものをすり合わせていきます。
この退去立会いを元に管理会社側で退去精算書を作成していきます。
退去立会い終了と同時に鍵を返却し、いよいよお世話になった部屋ともお別れです。
敷金の精算
原状回復工事の見積書が出来上がり次第、メールや書面で連絡が入ります。
預かり敷金の中で原状回復工事費が足りる場合、残金が返金されます。入居状況(故意による傷など)によっては原状回復費用が敷金よりも高くなり、追加請求が発生することもあります。これらの退去精算は、退去後1ヶ月を目処に完了することがほとんどです。
賃貸の退去手続きで用意・確認しておくこと
賃貸物件の退去手続きをスムーズに進めるためには、事前に用意・確認しておくべき事項がいくつかあります。以下に、具体的なポイントをまとめました。
鍵や備品などの貸与物の用意
賃貸契約書や物件引き渡し時のチェックリストを確認し、備品が揃っているかを確認しましょう。
・鍵…入居時に渡された鍵、合鍵すべて用意する
・備品…エアコンのリモコンや取扱説明書などの部屋の備品を用意する
入居時に撮った部屋の写真の用意
退去時の立ち会いで部屋に損耗があった場合、入居前からのものか、入居中のものか、写真と比較しながら確認できます。
入居時に撮った写真は、立ち会い時などで役に立つかもしれないため、用意しておきましょう。
引越し業者の手配をする
引越し業者の手配は、引越しをスムーズに進めるための重要なステップです。
複数の引越し業者に見積もりを依頼し、料金やサービス内容を比較しましょう。通常、3〜5社程度に見積もりを依頼するのが良いでしょう。
インターネット上の一括見積もりサイトを利用すると、複数の業者から簡単に見積もりを取ることができます。
引越し時のゴミ処理方法の確認をする
退去の日にタイミングよくゴミの収集があるとは限らないため、引越し前に、現在の住居で使わなくなった不用品や廃棄物を分別しましょう。
不用品や粗大ごみの処分方法について、自治体が指定する収集日や処理場所を調べておきます。一部の自治体では、予約制や特定の処理場所への持ち込みが必要な場合があります。
賃貸の退去手続きで気を付けるポイント
賃貸の退去手続きで気を付けるポイントを押さえておくと、解約がスムーズにいきます。気を付けるポイントを2点ご紹介します。
退去・解約の時期と家賃
賃貸物件の退去・解約の時期と家賃について、以下のポイントに注意すると良いでしょう。
・退去・解約の通知時期
通常、賃貸契約書には退去する際の通知期間が定められています。一般的には1ヶ月前〜2ヶ月前までに管理会社や大家に退去の意思を伝えることが求められます。
・退去月の家賃
退去日が月の途中の場合、家賃が日割り計算されることがあります。契約書で日割り計算の有無を確認しましょう。契約書によっては、退去月の家賃が日割り計算されず、1ヶ月分全額が請求される場合もあります。この点も事前に確認が必要です。
・ 解約手数料
一部の賃貸契約では、解約時に手数料が発生する場合があります。契約書で解約手数料の有無や金額を確認しましょう。
原状回復について
損をしないためのポイントの1つとして、原状回復について知っておくことが大事です。
原状回復工事については国土交通省からガイドラインが出されており、このガイドラインを元に貸主・借主が負担する内容を参考にしていきます。
参照:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
原状回復をめぐるトラブルとガイドライン (mlit.go.jp)
上記ガイドラインによると、経年劣化等の損耗は大家側で負担することになっております。
逆に、入居者の使い方が悪かったことで付いた傷や、問題なく部屋を使っていたとしても発生した事故(水漏れなど)の後処理が不適切だったために影響が出たものについては、入居者側で費用負担を検討する必要があると記載されています。
借主負担の例)喫煙による天井の汚れ、ペットによる傷、引越による傷など
賃貸の退去に関してよくある質問
賃貸物件の退去に関してよくある質問をご紹介します。
賃貸の退去連絡後、退去のキャンセルはできますか?
A、賃貸物件からの退去連絡後、退去のキャンセルは一般的には難しいことが多いですが、具体的な条件や契約内容により異なります。必ず契約書を確認し、管理会社と相談して最適な対応を検討してください。
賃貸を短期で退去すると違約金が求められるのはなぜですか?
A、短期退去による違約金は、貸主の利益を保護し、賃貸契約の安定性を保つために設定されています。賃貸契約を結ぶ際には、契約書をよく確認し、違約金の条件について理解しておくことが重要です。また、退去を検討する際には、事前に管理会社や大家と相談し、具体的な違約金の金額や手続きについて確認することをお勧めします。
まとめ
いかがでしたか?退去連絡からライフラインの解約、引越後の転入届も含めて、やるべきことがたくさんあります。
新居へ移る日を基準に、簡単なスケジュール立てをしていくことで、スムーズな退去を行うことができます。
■監修_中部ガス不動産/担当者_資格:宅地建物取引士
WRITER PROFILE
岩下加奈
愛知県豊橋市在住。地元出版社に勤め、東三河エリアを中心とした住宅情報誌の編集長などを勤める。名古屋や東京などの雑誌・WEBのライティングや編集を行い、年間1000件以上の取材をこなす。豊橋市市役所広報アドバイザー、東三河の魅力を発信する講師活動、審査員なども務める。ワンライフコミュニケーション株式会社ゼネラルマネージャーとして、企業様・個人向けの外部広報を担当。