宅地建物取引士が教える!独学で宅建合格するための勉強法と試験対策
不動産業界や住宅業界で働く方にはおなじみの『宅地建物取引士』という国家資格はご存知でしょうか?これは土地や住宅の売買契約などを結ぶために必要な資格です。大学でも講座として受験対策が開かれるなど、国家資格の中ではメジャーなものになっています。
このコラムでは、不動産会社入社後、独学で資格を取得した筆者がおすすめ勉強法と当日の試験対策をご紹介します。
目次
宅建とは?
『宅建』の略称で毎年20万人以上が受験している国家資格で、正式名称は「宅地建物取引士」。土地や建物の売買契約などをする際、『重要事項説明』というものを行うのですが、この資格を持っていないと重要事項説明を行うことができません(=宅建士の独占業務)。
こういった点からも、不動産業界・住宅業界の営業社員にとっては必要不可欠なものとなっています。
また、前述した業界以外にも住宅ローンの関係などから金融業界に従事する方も合格を目指すなど、非常に人気がある国家資格の1つと言えるでしょう。
試験は毎年10月に行われ、マークシート解答による50問(1問1点)。合格率は約15%~17%が平均的で、合格基準点は試験の難易度によって変わるものの、約7割の正解が求められます。
宅建合格に向けて必要な勉強時間は?
宅建に合格するためには、幅広い分野をカバーしなければなりません。民法、宅建業法、建築基準法、税金関係、建物の構造、鑑定評価など、多岐にわたる知識が必要です。当然これだけの知識を身に付けようとすると多くの時間がかかります。資格取得に向けた予備校のHPでは、合格に向けた勉強時間は300~500時間が目安とされています。
参考書や問題集を利用して効率的に学習するためには、過去の試験問題を解いたり、解説を読んで理解を深めたりすることも重要です。求められる勉強期間は約半年。試験範囲が広く、複雑な問題も多いため、短期集中での勉強ではなかなか難しいとされています。
試験が10月に行われることを考えると、4月から勉強を始めるのがおすすめです。合格までの勉強時間は個人差がありますが、1日あたりの望ましい勉強時間は2時間とも言われています。計画的に取り組み、着実に知識を身につけることが重要です。
おすすめの勉強方法と試験対策
勉強方法
ここからは実際に不動産会社入社後、独学で宅建に合格した筆者が、実際に行っていた勉強法をまとめていきます。勉強の仕方として、人それぞれ合う・合わないという感覚があると思いますが、私の中で効率的だった勉強法とスケジュールを紹介します。
勉強スケジュール
10月の試験に向け、4月から勉強をすると時間にゆとりを持って進められます。私の経験上、半年かけてゆっくり勉強した方が知識の定着が良かったです。(ちなみに私は2回目の受験で合格しました)
(1日2時間の勉強を前提に)半年間の勉強スケジュールは以下の通りです。
4月~5月 テキスト流し読み(1~2回程度)
6月~8月 分野別過去問集を解く(3回繰り返し)
9月 50問通しの過去問と1問1答問題集を解く
10月 苦手項目の最終確認・本試験
テキスト流し読みする
まずは覚えるという意識は持たずに、「こんな決まりがあるのか」という発見を楽しむ感覚でテキストを流し読みしていきます。内容が難しく理解できないこともあると思いますが、深く考えずに、どんどん読み進めましょう。
テキストはかなり厚さがありますので、1日に進める目標ページ数や勉強時間を決め、毎日少しずつ進めるのがおすすめです。
分野別過去問集を解く
テキストをざっと読み終えたら、まずは分野別過去問集を解きます。単元ごとに過去問がまとまっているので、テキストと見比べながら勉強を進められます。分野別過去問集は、宅建業法から取り掛かるのがおすすめです(民法から始めると内容が複雑でモチベーションが維持しにくいので…)。
しっかりと問題を解く時間を確保できないときは、1問1答の問題集を解くと良いでしょう。隙間時間に手軽に進められ、問題も単純なものが多いので、知識を定着させやすいだけでなく、勉強のハードルも下がります。
実際の過去問を解く
50問通しになった過去問を、時間を測って解きます。制限時間2時間ですべての問題を解くことは意外としんどいです。まずは1問にかける時間感覚を身に付けたり、集中力の維持を訓練していきましょう。
苦手項目はYouTubeの動画で理解する
テキストなどで文字を見ていても理解できない内容は必ずあります。そんな時はYouTubeを活用しましょう!弁護士の方などが分かりやすく法律の解説をしてくれるので、考え方の理解だけでなく図解による絵での理解が出来ます。
イメージが分かると途端に問題が解けるようになることもありますので、もうテキストを読みたくない!と思ったときは、是非動画の力を借りましょう。
試験対策
ここからは当日の試験対策についてまとめていきます。
試験問題は後半から解く
宅建の試験は、ざっくり言うと、50問のうち前半部分に民法、後半に宅建業法等が出題されています。少し前にも触れましたが、民法は内容が複雑で混乱することが多いです。ここで時間をかけすぎて、問題を最後まで解けなかったという話も聞きます。
まずは50問解き切るために、後半部分の宅建業法等から解き始めましょう。宅建業法などは過去問の焼き増しが多く、基本を押さえていれば順調に進められます。そして余った時間でゆっくり民法に向き合うと心に余裕が生まれて、合格に近づきます。
すべては1問1答
宅建の試験は、設問が長く、分かりづらいことが多いのですが、簡単に言えばひたすら間違い探しをしていくことになります。長い文章の中で、1つでも間違えが見つけられれば、正しい回答を導き出せることもあります。そのためには1問1答の問題集で知識の定着化を進めましょう。
まとめ
勉強法や試験対策についてまとめてきましたが、合格のために大切なのは毎日少しずつ進めることです。お休みの日にまとめて勉強しようと思っても、知識は日々抜けてしまいます。知識を定着させるためには、少しの時間でも良いので毎日向き合うことが重要です。
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■監修_中部ガス不動産/担当者_資格:宅地建物取引士
WRITER PROFILE
岩下加奈
愛知県豊橋市在住。地元出版社に勤め、東三河エリアを中心とした住宅情報誌の編集長などを勤める。名古屋や東京などの雑誌・WEBのライティングや編集を行い、年間1000件以上の取材をこなす。豊橋市市役所広報アドバイザー、東三河の魅力を発信する講師活動、審査員なども務める。ワンライフコミュニケーション株式会社ゼネラルマネージャーとして、企業様・個人向けの外部広報を担当。