「タウンハウス」とは?
タウンハウスは一戸建て感覚で住める集合住宅であるため、一戸建てに住みたい人も含め、探している人も多いことでしょう。しかし、タウンハウスは一般的な集合住宅と異なる点が多いうえ、物件数が限られているので、疑問や悩みを抱えながら物件探しをしている人もいるかもしれません。
今回は、タウンハウスとはどのような住宅で、どのようなメリット・デメリットがあるのかをまとめて解説します。ぜひ今後の物件探しにお役立てください。
目次
タウンハウスとは?テラスハウスとの違い
まず、タウンハウスとはどのような住宅なのか、同じように一戸建て感覚で住めることで人気のテラスハウスとはどのように違うのか見ていきましょう。
タウンハウスとは?
タウンハウスとは、一戸建てが壁を共有して何軒かつながったような形をしている、2〜3階建ての集合住宅のことをいいます。タウンハウスの主な特徴をまとめると次のとおりです。
・上下階に住戸がなく、戸建てに近い感覚で住める
・玄関から直接道路などに出られる
・左右の壁を隣の住戸と共有している(角住戸は片方のみ共有)
・全住戸で共有の庭や駐車場が設置されている物件が多い(専有的に使える場合も)
マンションやアパートも同じ集合住宅ですが、各住戸の玄関は共用の廊下に面しています。これに対し、タウンハウスは共用の廊下がないことから「長屋」に分類されます。
タウンハウスとテラスハウスの違い
タウンハウスを探していると「テラスハウス」の物件に出会うことも少なくありません。よく似ているタウンハウスとテラスハウスについて、共通点と違いを表で確認していきましょう。
タウンハウス | テラスハウス | |
建物形状 | 隣の住戸同士が左右の壁を共有する2〜3階建ての低層住宅 | |
庭の扱い | 基本的に全住戸の共有(費用を負担すれば専用庭を使える物件も) | 各住戸の所有 |
所有権の種類(分譲のとき) | 区分所有権 | 所有権 |
上の表で特にポイントとなるのが所有権の違いです。タウンハウスを購入する場合、区分所有権を得ることになります。区分所有権は一般的な分譲マンションと同様の形態で、すべての住民(区分所有者)が共有する建物のうち、専有部分を所有する権利のことです。
区分所有者は専有部分の床面積の割合に応じて、敷地の持分を与えられ、共同で管理・使用します。庭も基本的に共用部分なので、すべての住民が共同で使うのが原則です。建物や共用部分を管理するための管理組合も存在します。
一方、テラスハウスを購入する場合、住民が得る権利は通常の所有権です。建物は左右の壁を共有しているものの、住民は各住戸の所有権を持っており、家の前にある庭や駐車場も各住民の所有となります。
つまり、両者は複数の住戸が壁を共有する点で共通しつつ、タウンハウスはどちらかというとマンションに近い物件、テラスハウスはより一戸建てに近い物件といえるでしょう。
タウンハウスのメリットとデメリット
タウンハウスで暮らすと、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。順番に見ていきましょう。
タウンハウスの3つのメリット
タウンハウスのメリットとしては次の3点が挙げられます。
一戸建てのような生活ができる
タウンハウスは、集合住宅でありながら一戸建てのような感覚で暮らせるのが大きな魅力です。
上階の住民の足音や生活音を気にする必要がなく、子どもやペットが走り回ったり物を落としたりしても、下階に迷惑をかける心配もありません。
また、玄関先に専用の駐車スペースや車寄せがある物件なら、買い物や大きな荷物を出し入れするのも簡単。雨の日でもストレスなく外出ができるでしょう。物件によっては、専用の庭スペースを使ってガーデニングを楽しんだり、家庭菜園で野菜を栽培したりといった楽しみ方も可能です。
メンテナンスがしっかりしている
一戸建てで暮らすとなると、外壁や住宅設備などのメンテナンスをすべて自分たちで行わなければなりません。想定外の不具合が発生すると、突発的に大きな費用負担が必要になることもあります。
一方、タウンハウスはあくまでも集合住宅のため、マンションのように毎月の管理費や修繕積立金を負担するのが一般的です。月々の費用負担はあるものの、一戸建てのように自分たちでメンテナンスを行う必要はほとんどありません。大規模修繕など計画的にメンテナンスが実施されるので、安心して住み続けることができるでしょう。
ちなみに、タウンハウスは住戸の左右の壁が外に面していないので、外壁塗装や屋根塗装にかかる費用を節約できるのもポイントです。
物件価格や家賃が一戸建てより安い
一戸建てに近い暮らしができるタウンハウスですが、分譲時の物件価格や賃貸における家賃相場が一戸建てより安いというメリットもあります。
一戸建てだと建築費用やインフラ整備費用を単体で負担しなければなりませんが、タウンハウスは集合住宅のため、共同で負担することができます。1戸あたりにかかるコストが一戸建てに比べて安いので、同じ規模の一戸建てに比べて価格や家賃が安くなる傾向にあるのです。
タウンハウスの3つのデメリット
タウンハウスにはメリットが多くある一方、次のようなデメリットもあるので注意しましょう。
隣住戸の生活音が気になりやすい
タウンハウスは隣の部屋と壁を共有しているため、左右の部屋の生活音が気になることもあります。そして、他の部屋の音が気になるということは、自室から近隣の部屋にも音漏れしている可能性があるということです。
物件内見時に遮音性をチェックするとともに、入居後は左右の壁に大きな家具を設置する、防音マットを敷くなどの防音対策を行うとよいでしょう。
日当たりや風通しに注意が必要
角住戸以外は出入口側とその反対側の二方向にしか、窓やドアを設けることができません。そのため、立地によっては日当たりや風通しを十分に確保できないこともあるので注意が必要です。
物件探しの際は、二方向にしか開口部がなくても、室内まで自然光や外からの風が入ることを確認しましょう。光と風を取り込むための天窓や高窓が設置されているかどうかも見ておきたいところです。
建て替えや修繕が難しいケースもある
タウンハウスは集合住宅なので、建て替えや大規模な修繕を実施する場合、他の住民の合意が必要になります。
小規模で管理組合が組織されていない物件では、住民たちの話し合いで決定する以外に方法がなく、誰かが反対すれば工事自体が難しくなるケースも考えられます。一戸建て感覚で暮らせるのが魅力のタウンハウスですが、自由に手を加えられるわけではないというのは理解しておきましょう。
タウンハウスの探し方
タウンハウスは他の住宅に比べて物件数が少なく、一般的な不動産ポータルサイトではなかなか希望に合う物件を見つけられません。タウンハウスにこだわるなら、地元の物件情報に強い不動産会社へ早めに相談するとともに、時間に余裕を持って物件探しをするようにしましょう。
中部ガス不動産株式会社は、豊橋(東三河)エリア・浜松エリアで多くの分譲住宅や賃貸住宅を取り扱っています。当エリアでタウンハウスをお探しの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
タウンハウスとは、隣の住戸と壁を共有する低層住宅のことであり、集合住宅でありながら一戸建て感覚で暮らせるのが大きな魅力です。ただし、他の住戸の生活音や採光性・通風性には十分注意しましょう。
タウンハウスは、通常のマンションやアパートに比べて物件数が少ないため、興味があるなら早めに不動産会社へご相談することをおすすめします。
■監修_中部ガス不動産/担当者_資格:宅地建物取引士
WRITER PROFILE
藤田一太郎
宅地建物取引士・再開発プランナー
大手不動産デベロッパーで都心商業施設の運営管理・企画・リーシングなどを経験。再開発コンサルでリーシング・契約業務、都心や地方の再開発企画業務に携わる。現在は、不動産ライターとして活動する一方、日本茶インストラクターとして茶農家メンバーとしても活動中。