断熱リフォームの種類・費用相場・工期は?補助金制度もご紹介!

断熱リフォームの種類・費用相場・工期は?補助金制度もご紹介!

これから年末年始を迎えるにあたり、寒さも厳しさを増していきます。

ご自宅にいる時は、ポカポカしたお部屋で快適に過ごしたいですよね。

冬だけでなく、暑さが厳しい夏も快適に生活したいものです。

今回は、そんな理想的なお住まいを実現する断熱リフォームを詳しく紹介します。

断熱リフォームをすると光熱費の節約や、ヒートショックの防止といった健康上のリスクを抑えるなどのメリットもあります。

工事の種類や費用、注意すべきポイント、お得な補助金についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

断熱リフォームとは

断熱リフォームとは、そもそもどんなものでしょうか。メリットや種類、使用する素材など、把握しておきたい基本的な情報を紹介します。

断熱リフォームの効果・メリット

断熱リフォームを行うと、生活や家計、健康面でさまざまなメリットがあります。

メリット

断熱リフォームで、冬は暖かく、夏は涼しく!

冬は暖かく、夏は涼しく、年間を通じて快適に過ごせる部屋になります。断熱で気密性が上がり、屋内の保温性が高まり冬でも暖かくなります。夏は暑い外気が侵入しづらく、部屋の気温が上がりすぎません。

断熱リフォームで、光熱費を節約!

冬の冷気や夏の暑い外気をシャットアウトすることで冷暖房の立ち上がりが早くなり、素早い室温のコントロールができるため、光熱費の節約につながります。

環境省の調べによると、内窓を設置した断熱リフォームのシミュレーションでは、年間の冷暖房費が16,670円も安くなるという結果が出ています。

https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/kaiteki/index.html

断熱リフォームで、結露やカビを防止!

冬の寒い時期は、カビや壁紙の剥がれの原因となる結露を防止する効果もあります。断熱リフォームで窓や壁が冷えにくくなり、結露の原因となる外気温と室内温度の差を縮めます。

天井や床の断熱で住宅内部の結露を防止すると、建物の構造部分の腐食防止にもなります。

断熱リフォームは、健康にも効果的!

冬場に危険なヒートショックを防ぐ効果があります。断熱で室温の温度差を軽減し、血圧の急変動が要因となる脳血管障害や突然死を防ぎます。暖房効率が高まり部屋の隅々まで暖まるため、手足の冷えも防ぎます。

また、結露によるカビが発生しないため、アレルギー症状を防ぐことも期待できます。

東京ガス都市生活研究所の調査によると、断熱リフォームで寒さ対策や結露防止に効果を感じている人が多いことが分かっています。

80%以上が毎月の光熱費を把握している 断熱リフォームで冬の寒さや結露防止を実感 「光熱費意識と省エネ行動」調査 | AMP[アンプ] – ビジネスインスピレーションメディア (ampmedia.jp)

また、省エネや脱炭素社会が叫ばれる背景からも、断熱リフォームが注目されています。

https://www.sankei.com/article/20230726-WFDGZINMABLMBHP5OY4ENJUH2U

断熱リフォームの断熱工法

断熱工法には、大きく分けて外断熱工法と内断熱工法の2種類があります。それぞれメリット、デメリットがあります。

断熱リフォーム工事

断熱リフォームの外断熱工法

建物全体を断熱材で包み込むように、構造材の外側に断熱材を貼り付けていく工法です。断熱材のとぎれがない分、高い断熱効果が期待できます。室内側の柱と柱の間などに断熱材を敷き詰める必要がないため、室内空間を広く取れるメリットもあります。

一方で、内断熱工法と比較して足場代や養生費用などで工事費用が高く、工期が長くなりがちです。塗装だけの場合は2〜3週間前後、断熱材を張って塗装を行う場合は1〜2カ月ほどかかり、建物が大きいほど工期は長くなります。

断熱リフォームの内断熱工法

壁や柱、床の内側など、空間になっている部分に断熱材を詰めます。外壁の厚みを変えずに断熱でき、外断熱工法に比べて低予算で施工できますが、気密性が低い分、断熱性が弱くなる可能性があります。また、施工の仕方によっては隙間ができ、冬に結露が発生しやすいという欠点もあります。

施工手順は、まず断熱工事を行いたい部分の壁や床を剥がし、断熱材を入れて、改めて床・壁・天井を張り直します。工期の目安は1カ所あたり1週間〜10日ほどです。

断熱リフォームで使用される素材

断熱に用いる素材には、大きく分けて繊維系と発泡樹脂系があります。

繊維系断熱材

繊維系断熱材

鉱物やガラス、古新聞などを繊維状に加工したもので、ロックウールやグラスウール、セルロースファイバー、ウールプレスなどがあります。安価なグラスウールが住宅の断熱材としてよく使われています。

ロックウールやセルロースファイバーには防音や耐火性能があるものもあります。ウールプレスは調湿性が高いというメリットがあります。

発泡樹脂系断熱材

ポリスチレンやウレタン、フェノールフォームを原料としており、最もよく使われるビーズ系ポリスチレンフォームは軽量で加工しやすく、施工性が高い素材です。押出法ポリスチレンフォームは外断熱に向いています。

吹き付け施工で使用される硬質ウレタンフォームは隙間ができにくく、断熱性が高いメリットがあります。硬いため施工性が低く、施工に手間がかかるため、高価になりやすいです。

フェノールフォームはボード状の断熱材で、断熱性能や耐久性、耐火性も高く、長期にわたり断熱効果を保持しやすいのが特徴です。

断熱リフォームの種類・費用相場・工期

温まる部屋にいる家族

断熱リフォームは場所によって工法や効果、価格も異なります。

壁の断熱リフォーム

部屋を囲む壁の内部に断熱材が入っていないと、外気がほとんどそのまま伝わってきます。熱を通しにくい材料を壁の隙間に挟む事で、内部に外気を通さないようにします。

天井の断熱リフォーム

屋根裏に断熱材を隙間なく敷き詰めることで、部屋の上から熱が逃げるのを防ぎます。発泡ウレタンを吹き付ける方法もあります。

床下の断熱リフォーム

床は直接、足に冷気が伝わる場所なので、断熱リフォームは足元の冷えに効果的です。床下に潜って施工する方法と、床をはがすか、上から断熱材を施工する方法があります。

窓の断熱リフォーム

熱の多くが開口部の窓から逃げていきます。窓の断熱リフォームにはペアガラスの窓にしたり、二重窓にしたり、断熱サッシに取り替える方法があります。結露防止や防音効果もあります。

外壁・屋根の断熱リフォーム

断熱効果のある塗料を塗る方法と、断熱効果のある屋根材や壁材を張り巡らす外張りの方法があります。両工法を併用すれば、より高い断熱効果が期待できます。

塗料に比べて外張りの方が価格も高く、工期も長くなります。

場所ごとの工期や価格をまとめると以下のようになります。

価格工期
4000~3万円/㎡2週間~
天井・床下4000~3万円/㎡ 2~4日
内窓4万円~ 半日~
断熱窓13万5000円~  1~2日
玄関35万円~ 1日~
外壁(外張り)100~450万円 (足場別)2週間~1カ月
外壁(塗装)50~70万円  (足場別)2週間
屋根(外張り)75~250万円 (足場別)2週間
屋根(塗装)35~45万円(足場別)2週間

※外壁・屋根は延床面積120平方メートルの住宅の場合

断熱リフォームを安く抑える方法

安く抑える方法

断熱リフォームを安く抑える方法を3つご紹介します。

内外装のリフォームと同時に行う

内外装リフォームと断熱リフォームを同時に行うことで、施工の手間や工期を短縮できます。個別に行うよりも効率的で、総合的なコストを抑えられる場合があります。内外装リフォームを行う際に壁や床を取り外すことが多いため、同時に断熱材を入れたり、交換したりする作業がスムーズに行えます。

効率のよい施工方法を選択する

全体をリフォームするのではなく、特に断熱効果が高い部分(例えば、屋根、窓、外壁など)から優先的に行うことで費用を抑えることができます。部分的な断熱リフォームでも効果がある場合が多いので、必要な部分だけをリフォームする方法も検討しましょう。

【2024年版】補助金制度を利用する

補助金

断熱リフォームは省エネとの関連性が高く、さまざまな補助金制度があります。場合によっては100万円を超える高額な工事もあるため、補助の対象となるかを確認し、積極的に活用することをお勧めします。

条件としては、申請する人が住んでいる建物であること、対象となる製品を使用していることなどです。制度によっては管理組合の代表者が対象となることもあります。

断熱リフォームに使える主な補助金は以下の通りです。

既存住宅における窓の高断熱化の促進を目的としており、対象商品を用いた窓の断熱工事に対して所定の条件を満たした場合、工費の一部が補助金として支給されます。

補助金の上限は最大200万円、最大でリフォーム費用の半額が還元される注目の補助金制度です。

窓ガラスを複層ガラス等へ交換する工事、内窓の設置工事、外窓の交換工事が対象となります。

https://window-renovation2024.env.go.jp

2050年のカーボンニュートラル実現を目的に、子育て世帯・若者夫婦世帯に対し、高い省エネ性能の新築住宅の取得や住宅の省エネ改修にかかる費用の一部を補助する事業です。

省エネ改修 (リフォーム) においては、子供の有無や年齢による条件はありません。

補助金の上限は、原則1戸あたり30万円です。

開口部や外壁、屋根・天井、床の断熱改修が対象となります。

https://kosodate-ecohome.mlit.go.jp

省エネ改修が期待される蓄熱・調湿建材、次世代省エネ建材の効果の実証を支援する制度で、工期の短縮が可能な高性能断熱材も対象です。

https://sii.or.jp/meti_material06/overview.html

※2024年度の受付は終了しました。

15%以上の省エネ効果が見込まれる改修率を満たす、高性能建材(断熱材、窓、ガラス)を用いた既存住宅の断熱リフォームに対する制度です。

https://www.heco-hojo.jp/danref/index.html

利用する補助金によっては手続き方法やタイミングが異なるため、施工を開始する前にリフォーム業者に相談することが補助金を賢く利用するためのポイントです。

断熱リフォームを行うときの注意点

ポイント

断熱リフォームを行うときに気を付けたいポイントをご紹介します。

信頼できる施工業者に依頼する

断熱リフォームは専門知識が必要な作業です。正しく施工されなければ、断熱材の持つ性能をほとんど発揮できなくなってしまうばかりか、壁内部での結露を招くなど深刻な欠陥を招く場合もあります。信頼できる施工業者を選び、実績を確認しましょう。

断熱リフォームをする場所を考える

断熱リフォームの全体計画を立て、どの部分をどのようにリフォームするかを具体的に決めます。優先順位をつけて計画的に進めることが重要です。

計画的に進め、信頼できる業者と協力することで、効果的な断熱リフォームを実現しましょう。

さいごに

断熱リフォームは、快適で安心して暮らせるマイホームを実現します。お住まいの状態や予算に合わせ、最適な工事内容を選ぶことが大切です。

ご検討中の方は、実績のあるリビングサーラにご相談ください。

断熱リフォームの関連コラム

断熱とは?家づくりに重要な断熱方法について解説! | 住まい・暮らしの情報サイト SALAつむぎ

補助額は最大290万円!『住宅省エネキャンペーン2024』の申請が始まりました! | 住まい・暮らしの情報サイト SALAつむ

■監修_リビングサーラ/施工管理担当者_資格:1級建築施工管理技士・2級建築士

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WRITER PROFILE

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由本 裕貴

1983年3月20日、愛知県豊川市生まれ。
御津高校、愛知大学を経て、2005年に日刊スポーツ新聞社入社。プロ野球やサッカー日本代表を担当し、2014年に東愛知新聞社へ転職。2021年からフリーに転向し、翌年から東日新聞ライターとして東三河のニュースや話題を追っている他、スポーツマガジンやオカルト雑誌などでも執筆。豊川商工会議所発行「メセナ」の校正も請け負う。著書に「実は殺ってないんです 豊川市幼児殺害事件」「東三河と戦争 語り継ぐ歴史の痕跡」「訪れたい 東三河の駅」がある。
家族は妻と長男。趣味はスポーツ観戦、都市伝説の探求。

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