地震に強い家とは?8つの特徴や建てる際の注意点を解説!

地震に強い家とは?8つの特徴や建てる際の注意点を解説!

地震大国と言われている日本。そんな日本で家を建てる際に欠かせないのが地震対策です。近年、大きな揺れが連続して起こるなど、長期間の地震対策が求められるようになってきています。今回は、地震に強い家づくりにおける特徴や注意点について解説します。

地震に強い家の特徴8選

地震に強い家の特徴は、建物の構造や材料、設計に工夫を凝らすことなどさまざまな要素が組み合わさることで、地震の揺れに耐えやすくなることです。

以下のポイントが重要です。

①地盤が強い

②耐震等級3を取得している

③免震対策を取っている

④制震対策を取っている

⑤家の形が正方形・長方形になっている

⑥平屋建てである

⑦屋根に軽量な材料を使用している

⑧定期的にメンテナンスされている

①地盤が強い

地盤を調べている写真

家づくりを検討している方は「災害に強い家づくり」を重要視されている人がほとんどかと思います。

土地選びで重要なのは「地盤の強さ」です。いくら地震に強い建物を建てても地盤が弱ければ意味がありません。建物を建てる前に、まずは地盤がどの程度建物に耐えられるのかなどもしっかりと調べる必要があります。

液状化現象

液状化現象の状況写真

特に普段何気なく生活を送っていたときに気づかず、地震が発生した際に表れるのが液状化現象です。液状化現象とは、地下の水位が高い未固結の砂地盤地において発生し、地震が起きたときに地面から泥や水があふれ出てくる現象を言います。

海沿いの低湿地、埋立地、干拓地など、様々な地域で起こる可能性があります。

https://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_fr1_000010.html

土砂災害

土砂崩れの被害写真

地盤を確認する際に注意しておきたいのがこの土砂災害です。山が近くにないから大丈夫かと言うとそうではありません。少し坂になっている土地などでも地震があった場合、地盤ごと滑り落ちるように崩壊する可能性があります。過去にそのような事象が起こっていないか、地盤の改良が行われている場所ではないかなど、地盤の高低差などと併せて確認しておくことが大切です。

このように、事前にしっかりと周辺の地盤の強さを調べることが家選びの最大のポイントの一つです。

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201106/2.html

②耐震等級3を取得している

困りながら考える人のイラスト

次に紹介するのは、「耐震等級」についてです。そもそも耐震等級とは、地震に対する建物の強さ(耐震性)を表す指標です。

耐震等級は、建物や構造物が地震による揺れに対してどれだけ安全かを示すもので、一般には耐震等級が高いほど、地震による被害が少なくなります。

建物の耐震性に応じて次の3つのランクに分けられています。

耐震等級1

等級の中では最も低いランク。建築基準法では耐震基準が設けられており、この耐震等級1を最低限満たすことが建築基準法で定められています。地震6〜7の地震にも1度は耐えられる耐震性ではあります。しかし、その後大規模な修繕や住み替えが必要になる可能性があります。

耐震等級2

耐震等級1の1.25倍の耐震性を備えていると評価されている建物です。地震6〜7の地震に耐えられる耐震性で、一部補修を行えば生活できる可能性が高いです。耐震等級2の建物は長期優良住宅としても認定される、ある程度の安全が確保できた状態と言えます。体育館や学校、病院などは耐震等級2以上が求められます。

耐震等級3

耐震等級1の1.50倍の耐震性を備えていると評価されている建物です。耐震等級3は耐震等級の中でも最高位です。震度6〜7の地震にも複数回耐えられ、損傷なども最低限に抑えられるとされています。警察署や消防署など災害復興の重要な拠点となる場所は耐震等級3レベルを満たしているケースが多いです。

色々な住宅模型が並んでいる写真

大地震には、余震が頻繁に続くなど想定外の出来事が多く起こります。最悪のケースに備え、より高いランクの耐震等級を検討することが重要と言えます。

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr_000043.html

③免震(めんしん)対策を取っている

免震(めんしん)とは、建築物や橋梁などの構造物が地震に対して揺れないようにするための技術や設計の手法のことを言います。

免震装置は、特に高層階の構造物の基礎や上部構造に設置され、地震の揺れを吸収・減衰させる働きがあります。代表的なものは、摩擦制震装置や液体ダンパーなどがあります。これらの装置は、地震発生時に揺れを抑制し、建物全体にかかる力を軽減します。

ただし戸建への採用は多大なコストを要するため、採用率はかなり低いのが現状です。

④制震(せいしん)対策を取っている

制震装置のイラスト

制震(せいしん)とは、建築物や橋梁などの構造物が地震による揺れを制御・吸収し、被害を軽減する技術や手法のことを言います。制震技術は、地震発生時における建物の振動を制御し、人命を守るとともに建物の被害を最小限に抑えることを目的としています。

摩擦制震装置や液体ダンパー、ばね制震装置などの制震技術では、建物や橋梁の構造に組み込まれ、地震時に揺れを抑えることで被害を最小限に抑える役割を果たしてくれます。

戸建て住宅への採用が非常に増えてきているのがこの制震装置です。家自体の耐震性能もかなり高くなってきていますが、相手が自然である以上何が起こるかわかりません。特に大震災と言われるほどの大きな揺れが複数回にわたり起こる地震においては、家へのダメージの蓄積が命取り(建物の倒壊の原因)になる為、この制震装置により小さな揺れから大きな揺れまで家へのダメージを軽減させるというわけです。

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⑤家の形が正方形・長方形になっている

四角い平屋

正方形や長方形のようなシンプルな形状は、揺れに対してバランスが取れており、力が均等に分散されやすいため、地震時の耐性が高くなります。複雑な形状の家は、揺れが集中する部分ができやすく、そこが弱点になる可能性があります。

⑥平屋建てである

平屋建て

平屋建ては建物の高さが低いため重心が低く、地震の揺れを受けた際に安定しやすいです。建物の重心が低いほど揺れに強くなるため、地震が発生した際、2階建てや3階建ての建物に比べて建物が崩れるリスクが小さく、安全性が高まります。

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⑦屋根に軽量な材料を使用している

地震時の揺れを軽減するためには、屋根の重量を軽くすることが効果的です。スレート屋根やガルバリウム鋼板などの、軽量な屋根材を使用することで、建物の重心が下がり、耐震性能が向上します。

スレート屋根とは?価格や耐久性などの特徴やメリットデメリットを解説 | 住まい・暮らしの情報サイト SALAつむぎ

⑧定期的にメンテナンスされている

長期優良住宅を表す画像

地震に強い頑丈なお家を建てても、新築時に地震が来るかはわかりません。もしかしたら10年後、20年後、30年後…と家が古くなった後に大地震が来る可能性もあります。では、その時にその家は頑丈なまま保てているでしょうか?

家も自動車のように定期的にメンテナンスを行うことで新築時の頑丈な耐震性を保つことができるのです。また、耐震性に大きくかかわる構造躯体の劣化も家の建て方(工法)や住宅会社の取り組みによっても大きく異なります。サーラグループでは構造躯体が長持ちするように他のメーカーなどがあまり行わない特別な建て方をしています。詳細については、以下のURLからご覧ください!

https://sala-house.co.jp/chuumon/technology/kaiteki/taikyuusei.html

地震に強い家を建てる際の注意点

ポイント

地震に強い家を建てる際には、以下のポイントに注意することが重要です。

①土地選びの際に地盤を調査する

②吹き抜けやビルトインガレージに注意する

③窓の大きさや数を確認する

土地選びの際に地盤を調査する

家を建てる前に、必ず地盤調査を行い、安定した地盤かどうかを確認します。地盤が弱い場合は、地盤改良工事を行うことで、建物の耐震性が向上します。

吹き抜けやビルトインガレージに注意する

ビルトインガレージ

吹き抜けやビルトインガレージは、地震に対する家の耐震性に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。

吹き抜けは大きな開口部を作るため、壁が少なくなり、建物全体の構造強度が低下する可能性があります。壁や柱が少なくなることで、地震の揺れに耐える力が分散されにくく、揺れに弱くなることがあります。

ビルトインガレージは1階部分に大きな開口部ができるため、1階の構造強度が弱くなりやすいです。特に、建物の揺れを分散するために重要な耐力壁が少なくなることがあります。

吹き抜けやビルトインガレージを設ける場合は、構造強度を補うために耐震補強を行うことが重要です。例えば、制震ダンパーや耐力壁を追加する、鉄骨構造を採用するなどの方法があります。

これらの設計要素をうまく取り入れるには、専門家と相談しながら進めることが重要です。

窓の大きさや数を確認する

窓やドアの配置も耐震性に影響します。開口部が多いと壁の強度が下がるため、バランスよく配置することが大切です。大きな窓や吹き抜けがあると構造の強度が低くなるので、強化ガラスや補強材を使うとよいでしょう。

窓が地震対策に与える影響は大きいため、構造設計者との十分な打ち合わせが必要です。

地震に強い家に関するよくある質問

質問

地震に強い家づくりに関するよくある質問をまとめました。

木造と鉄骨造はどちらが地震に強い?

・低層の住宅では、一般的に木造がしなやかで、地震の揺れに耐えやすいとされています。

・中高層の建物や大規模な建物では、鉄骨造が耐震性能で優れている場合が多いです。

結論として、建物の高さや規模、地域の地震リスクに応じて適切な構造を選ぶことが重要です。また、どちらの構造でも適切な設計と耐震補強を施すことで、地震に対する強さを確保できます。

地震が発生した際に、一軒家ではどこが安全?

地震の際に一軒家で安全な場所を選ぶためには、家の構造や家具の配置を考慮することが重要です。以下のポイントを参考に、比較的安全な場所を見つけましょう。

・柱や耐力壁の近く

・家具が倒れにくい場所

・ガラスから離れた場所

・テーブルや机の下

・出口への経路を確保する

これらのポイントを意識して、安全な場所を選び、地震に備えることが大切です。

まとめ

新築住宅のリビングの画像

ほとんどの方が一生で一度の大きなお買い物となる家づくり。

家族の命を守ることはもちろんのこと住み続けられる場所を同時に守る為にも家づくりの際には、地震対策をしっかりと検討して進めるようにしましょう。

■監修_サーラ住宅/担当者

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WRITER PROFILE

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岩下加奈

愛知県豊橋市在住。地元出版社に勤め、東三河エリアを中心とした住宅情報誌の編集長などを勤める。名古屋や東京などの雑誌・WEBのライティングや編集を行い、年間1000件以上の取材をこなす。豊橋市市役所広報アドバイザー、東三河の魅力を発信する講師活動、審査員なども務める。ワンライフコミュニケーション株式会社ゼネラルマネージャーとして、企業様・個人向けの外部広報を担当。

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