在来工法の浴室って何?メリット・デメリットとリフォーム事例を紹介!
築年数の長い住宅で、タイル張りの在来工法の浴室をよく見かけます。
冬場は寒く、掃除も面倒な在来工法の浴室を全面的にリフォームしたい場合は、ユニットバスへの変更が主流であり、おススメです。
断熱性や防水性にも優れたタイプが多く、予算や構造などの条件を満たしていれば、ユニットバスを選ぶのが最適です。
今回は、在来工法の浴室が持つデメリットを解消できるユニットバスへのリフォームを中心に、施工事例も踏まえて紹介します。
目次
在来工法の浴室とは
築年数の長い住宅でよく見かける、タイル張りの在来工法の浴室。在来工法の浴室とは、モルタルで仕上げる昔ながらの工法で作った浴室のことで、壁・床・天井を現場で一から作り上げるスタイルです。
在来工法の浴室について詳しく見ていきましょう。
モルタルで仕上げる昔ながらの工法で作った浴室
モルタルとは、砂・セメント・水を練り混ぜて作る建築材料であり、ユニットバスが広まる前までは主流の浴室でした。
一般的には、鉄筋コンクリートの基礎の上に土台・柱・梁・筋交いで他の部屋と同じように浴室スペースを作り、コンクリートで壁や床を作り、モルタルとタイルで浴室を仕上げていきます。給水・給湯・排水の配管も行い、下地材で防水処理を施した上で、浴槽を設置します。
在来工法の浴室は減少している
近年はユニットバスが主流となっており、在来工法の浴室は減少しています。以前に比べてさまざまな機能を持ち、メーカーやオプションによってさまざまなニーズに応えることができるユニットバスの種類が増えたことも、在来工法が減少している理由かもしれません。
在来工法のメリット
昔ながらの在来工法の浴室にはメリットがあります。
デザインが自由
空間や形状に捉われず、さまざまな大きさや形に仕上げることができます。浴槽はもちろん、壁・床・天井を好みの素材で仕上げることができ、ヒノキ風呂や大理石やタイルで仕上げた風呂も在来工法の浴室です。円形の浴槽も設計できるため、理想の浴室を実現できます。
「浴室のデザインにこだわりたい」という方にはおすすめです。
さまざまタイプの浴室に対応できる
ユニットバスは工場で作られたパーツを組み立てるため、サイズが決まっています。
それとは違い、在来工法は場所に合わせて浴槽を設計していくため、自由度が高いです。さまざまなタイプの浴室に対応ができる点がメリットです。
在来工法のデメリット
一方で、需要度が低くなっている理由として、デメリットもいくつか存在します。
ヒートショックや転倒の危険性
モルタルやタイルなどの素材は断熱性が乏しい浴室が多いため、冬場の寒さの影響を受けやすく、ヒートショックなどの事故がユニットバスよりも多く発生する傾向にあります。
在来浴室にリフォームする際は、踏んでも暖かみのある機能性タイルや暖房機能付きの浴室換気扇の導入、断熱性能の高い窓やサッシに交換することをおすすめします。
また、昔ながらのタイルは濡れると滑りやすく、転倒事故につながる可能性があります。
掃除に手間がかかる
在来工法は汚れやすく、掃除に手間がかかります。防水機能が劣る場合があり、定期的なメンテナンスを行わないと水漏れで下地や躯体が腐食する心配があります。
特にタイルの目地は汚れが溜まりやすく、カビもすぐに生えてしまいます。
費用・工期がかさむ
ユニットバスに比べて、工期が長く、費用も高くなります。施工においてさまざまな業種の職人が必要になることが多く、材料費もかさむためコスト面でも高くなる傾向があります。
在来工法の浴室のリフォーム方法と費用相場
タイル張りの在来工法の浴室リフォーム方法と費用相場をご紹介します。
在来工法のままでリフォームを行う
1つ目は在来工法のままでリフォームを行う方法です。浴槽交換をして、タイルの張り替えをおこないます。浴槽の大きさや浴室の広さによって異なりますが、費用相場は、50万〜200万円程です。
タイルの部分張り替えや設備交換など、必要な部分だけリフォームすると費用を抑えることができます。
既存の浴室のデザインや構造を活かしつつ、部分的に手を加えることができるため、自分好みの浴室に仕上げたい方にはおすすめです。
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浴室リフォームの事例と費用をご紹介します! | 住まい・暮らしの情報サイト SALAつむぎ
ユニットバスへ変更するリフォームを行う
▶▶詳細はこちら
2つ目は、タイル張りの在来工法の浴室を撤去し、ユニットバスに交換する方法です。こちらも浴室の広さやユニットバスのグレードによって異なりますが、費用相場は、65万〜150万円程です。
ユニットバスは工期が短く、防水性や保温性が高いのが特徴です。リフォーム後のメンテナンスも楽になります。
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在来工法からユニットバスへリフォームするメリット
近年は在来工法の浴室をユニットバスへリフォームするご家庭が増えています。空間のすべてが新装されるため、新築のようにきれいな浴室に生まれ変わります。
在来工法のままでリフォームを行うよりもメリットが多いだけでなく、在来工法のデメリットを解消することもできますので、参考にしてください。
ヒートショックなどの事故対策に最適
素材的に保温性が高く、密閉性にも優れたユニットバスに変えることで、冬場は寒さの影響を抑え、急激な温度差により血圧が大きく変動することから起きるヒートショックを抑制します。
また、浴槽に入れたお湯の温度も長時間保温できるため、ご家族など複数の人が入っても温度を保てます。
掃除がしやすくなる
ユニットバスになれば、日々の手入れが楽になります。カビが生えづらい素材でできており、浴室パネルは目地がないため、汚れにくく、ツルツルしているので掃除が少なく済みます。
継ぎ目がない構造のため、水漏れやシロアリの心配も少なくありません。
工期が短く済む
在来工法の浴室をそのままリフォームするより、工事期間が短くなります。在来工法は自宅の浴室に合わせて浴槽を設計していくため、平均して2週間ほど時間を要します。ユニットバスは作られたパーツを組み合わせていくため、平均で1週間、最短で3日で完成します。
工事期間はお近くの温泉施設や銭湯に通わなければならないので、なるべく短く済む方が便利ですよね。
バリアフリーに対応しやすい
ユニットバスは床の段差を低く抑えたり、手すりを設置したりするなど、バリアフリー対応が容易です。高齢者や子どもにも安全な浴室を作ることができます。
在来工法からユニットバスへリフォームする際のメリットを紹介してきましたが、前述したように工場で作られるユニットバスのパーツはすでにサイズが決められているため、浴室のサイズと合わない場合はユニットバスに変更できないことがあります。デザインも決まっているため、空間を自由に設計することはできません。
在来工法の浴室リフォームの注意点
ここでは、在来浴室をリフォームする際に注意すべき点をご紹介します。
業者選びを慎重に行う
在来工法の浴室リフォームは、防水や湿気対策、断熱性の向上、老朽化した配管のチェックなどに注意が必要なため、専門的な知識と技術が必要です。経験豊富で信頼できる業者に依頼することで、失敗を防ぎ、高品質なリフォームを実現できます。業者選びを慎重に行わないと、品質が悪い施工になる可能性があるため、事前に評判や実績を確認するようにしましょう。
補修工事の費用を事前に確認する
事前に補修工事の費用や範囲、追加費用の可能性などをしっかり確認しておくことで、リフォーム費用の予算オーバーやトラブルを防げます。見積もりを取る際には、しっかり内容を理解し、不明点は業者に質問するようにしましょう。
リフォーム事例の紹介
この地方の浴室リフォームではどのような事例があるのでしょうか。
「サーラのリフォーム」から、施工実績の一部をご紹介します。
浴室・洗面室を広く使いやすい空間へ(築25年、豊川市)
参考:サーラのリフォーム
(お客さまコメント)老朽化が進み、お掃除が大変になった浴室をリフォーム。水回りが綺麗になってとても使いやすく、お掃除も楽になりました。洗面所がすっきりした空間になって、気に入っています。新しいお風呂に入るときは、暖かく快適です。リフォームをして良かったです。
高級感のある快適な浴室に(築25年、豊川市)
参考:サーラのリフォーム
(お客さまコメント)窓が大きく断熱性が低かったために冬場に浴室が寒いことが一番の悩みで、掃除のしにくさや浴槽の形状にも不満があった浴室をリフォーム。リフォーム後に喜びを感じる瞬間は、暖かくキレイなだけでなく、肩湯を使用しながら入浴できることです。マッサージ機能もついており、とてもリラックスできています。
冬も暖かく快適に(築32年、豊橋市)
参考:サーラのリフォーム
(お客さまコメント)壊れてしまった給湯器の取替えと一緒にリフォーム。タイルのお風呂からユニットバスになって、冬場はとても寒かったお風呂が暖かく快適に過ごせるようになりました。また、タイルの目地が無くなり、以前は大変だったお掃除もとても楽になりました。
さいごに
古い浴室が新しく快適に生まれ変われば、ご家族も含めて皆さんが安心してお風呂に入れるようになります。在来工法の浴室の劣化が気になっている方、事故防止のためにも保温性が高い浴室にしたいと思っている方は、ぜひユニットバスへのリフォームを検討してみてください。
ユニットバスへの交換ができない場合も、代替案・方法がありますので、リビングサーラへお気軽にご相談ください。
■監修_リビングサーラ/施工管理担当者_資格:1級建築施工管理技士・2級建築士
WRITER PROFILE
由本 裕貴
1983年3月20日、愛知県豊川市生まれ。
御津高校、愛知大学を経て、2005年に日刊スポーツ新聞社入社。プロ野球やサッカー日本代表を担当し、2014年に東愛知新聞社へ転職。2021年からフリーに転向し、翌年から東日新聞ライターとして東三河のニュースや話題を追っている他、スポーツマガジンやオカルト雑誌などでも執筆。豊川商工会議所発行「メセナ」の校正も請け負う。著書に「実は殺ってないんです 豊川市幼児殺害事件」「東三河と戦争 語り継ぐ歴史の痕跡」「訪れたい 東三河の駅」がある。
家族は妻と長男。趣味はスポーツ観戦、都市伝説の探求。