どのくらいがちょうどいい?リノベーションで収納量を考えるコツ

どのくらいがちょうどいい?リノベーションで収納量を考えるコツ

間取りの変更が可能なリノベーションでは、クローゼットを移動させたり新しく作ったりすることができます。

収納が多くて困ることはありませんが、リノベーションは限られた面積内での工事になるため、収納ばかりに面積を割くわけにもいきません。

そこで今回のコラムでは、収納量を考えるコツをお伝えします。

必要な収納量は人によって違うものです。

このコラムを通して、家族にとって“ちょうどいい”収納について考えてみてください。

理想の収納率はのべ床面積に対して8~15%

収納②

のべ床面積に対して収納が占める面積を「収納率」といいます

持ち物の量は人それぞれですが、建売住宅や分譲マンションなどで目安とされる収納率はマンションならば8%前後、戸建て住宅ならば10〜15%です。

一般的には、これらの収納率が理想とされています。

たとえば70㎡のマンションならば5〜6㎡(3畳)、100㎡の一戸建て住宅ならば10〜15㎡(5〜8畳)程度。

マンションならば各部屋にコンパクトなクローゼットが1つずつ、一戸建て住宅ならば各部屋と廊下の一部にウォークインクローゼットまたは壁面クローゼットが備わっているイメージです。

この収納量が多いと感じるのか少ないと感じるのかも、人それぞれだと思います。

では、家族にとっての“ちょうどいい”収納量は、どのように考えればいいのでしょうか。

次章でお伝えします。

家族にとって“ちょうどいい”収納量の考え方

収納する人の手

収納について考えるときにポイントとなるのは、

  • 今の収納力
  • ライフスタイルの変化

の2つです。

それぞれ見ていきましょう。

今の収納力から考える

リフォーム前の家、または今住んでいる賃貸物件にも、壁面クローゼットや押し入れなどの収納がいくつか備わっていると思います。

その量に満足していますか?それとも足りないと感じていますか?

今感じている収納への悩みが、収納量を考えるヒントになります

たとえば収納に関してとくに不便さを感じていないのならば、その収納量をベースに間取りを考えます。「収納が少し足りない」と感じている場合は、収納量を増やすことを検討してもよいですが、収納量はそのままに物を減らすことでカバーできる可能性もあります。

収納量を増やすべきなのは、収納が明らかに足りず、収納棚をいくつか購入している場合です。このようなときは、今よりも収納量を増やす必要があります。

購入した棚の大きさや数、引き出しごとの収納率などを見て、持ち物の量を確認してみてください。

持ち物量の確認は収納量を考えられるだけではなく、断捨離のきっかけにもなる大切な作業です。少し面倒に感じてしまうかもしれませんが、間取りのプランニングに取りかかる前にしておきましょう。

長期的なライフスタイルの変化から考える

一般的には暮らした年数が長くなるほど、持ち物は増えていきます

お子さんの成長やライフスタイルの変化によって、物を買い足す機会が何度もあるからです。また、趣味が増えると物も増える傾向があります。

お子さんの幼児期には衣類を入れる収納棚だけで済みますが、小学生、中学生になると、教科書や部活道具、習い事の道具などを収める場所が必要になります。今よりも余裕をもった収納量を確保したほうがよいでしょう。

逆に今お子さんが大学生、または社会人ならば、今が1番物が多いときだと考えられます。

お子さんが家を出たときに物が減る可能性が高いので、無理に収納量を増やさず、既製品の棚で対応して他の部屋に面積をあてたほうがいいケースもあるでしょう。

収納を考えるときには“その時”の収納量だけではなく、将来的に必要になるであろう収納量も考えてみてください

広さがなくても大丈夫!収納量を増やすアイデア

収納③

限られた面積内で行うリノベーションでは、間取りの収まりの関係で、思うように収納を増やせないこともあるでしょう。

最後に、収納量を増やすアイデアを2つお伝えします。

各部屋の収納は壁面クローゼットを選ぶ

少ない面積で高い収納力を確保するのなら、壁面クローゼットがおすすめです。収納力と言えばウォークインクローゼットが代表的ですが、中に必ずデッドスペースができてしまいます。一方で壁面クローゼットは、床から天井まですべて収納として活用できるのはもちろん、間口が50cmほどあれば設置できる柔軟さが魅力です。

収納に面積を割けないときには壁面クローゼットを増やし、少しずつ収納量を確保する方法も検討してみてください。

ファミリークローゼットを取り入れる

家族の持ち物をすべて収納できるのが、ファミリークローゼットです。

ウォークインタイプ、または通り抜けできるウォークスルータイプになるため、大きな面積を割くことになりますが、その分、他の部屋の収納面積を減らすことができます

持ち物の量によっても変わりますが、ファミリークローゼットの大きさは4人家族で3〜4畳が目安です。

ただし3~4畳のスペースを取ると、他の間取りに影響するため必ずしもおすすめできるわけではありません。リノベーション会社の担当者と相談のうえ、設置を検討してください。

ちょうどいい収納量は人それぞれ!担当者と相談しながら検討を

収納を考える人

リノベーション後に意外と後悔する方が多いのが、収納量や収納の種類です。

足りなかったり、逆に持て余してしまったりすることが多く、家族にぴったりな収納量を実現するのは容易ではありません。

しかし、リノベーションに取りかかる前に持ち物量を把握するだけで、ちょうどいいと感じる収納量にぐっと近づくはずです。

どの種類のクローゼットをつくり、どのような間取りにするのかは、リノベーション会社の力量が試される部分です。担当者としっかりと話し合いながら、収納計画を考えてみてください。

リビングサーラでは、リノベーションに関するセミナーやイベント、買取再販住宅の完成見学会などを定期的に行っております。工事が完了した物件の見学会に参加いただければ、より収納や間取りのイメージが鮮明になるはずです。

リビングサーラのウェブサイトの施工事例にも間取りのビフォーアフターを掲載しておりますので、ぜひご覧になってくださいね。

■監修_リビングサーラ/施工管理担当者_資格:1級建築施工管理技士・2級建築士

WRITER PROFILE

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井本 ちひろ

建築科系学科卒の住宅×金融専門ライター。
子供に「おかえり」が言える仕事を探してライターの道へ。
大学で得た経験とFP2級の知識を活かし、家づくり、水回り設備、エクステリア、火災保険、相続など、住宅にまつわる幅広い記事を中心に活動中。

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