「地鎮祭」とは?費用や流れ、服装などについて解説!

新築の家を建てる時は「地鎮祭」という儀式を行いますが、地鎮祭は何をどのように行うかわからないという方も多いのではないでしょうか?
今回はそんな方の為に、地鎮祭の基本的な流れや、服装、マナーなどについて解説していきます。

目次
建物新築時に行われる「地鎮祭」とは?
工事の安全と無事な完成をお祈りする儀式
地鎮祭は家の新築工事が着工する前に行われる儀式。土地を守る神様にその土地を使用する許しを請い、工事の安全と無事完成を祈願する儀式として古くから行われてきました。家の土地の四隅に青竹を建てて、しめ縄で囲み祭場を作り、お施主様や工事をする方が参列します。
地鎮祭の主催は基本的に住宅会社が行い、神主を招いて行うケースが一般的です。しかし、施主が塩をまくだけで済ませたりなど簡易的なスタイルもあります。
また、仏教式やキリスト教式などで行う場合もあり、神式以外で行いたい場合は住宅会社の担当者に相談すると良いでしょう。
地鎮祭はいつ行うのか
地鎮祭は、特に着工の○○週間前のような期限はありません。しかし、気にして欲しいのは「お日柄」です。一般的に六曜の吉日である「大安、友引、先勝」の午前中に行うのが良いとされています。
一方で「仏滅、先負、赤口」や「三隣亡」は避けたほうが良いとされています。工事の日程や関係者の都合によっては必ずしも吉日に行えるとは限らず、中国の占いに用いられた六曜は本来地鎮祭とは関係ありませんので、六曜にこだわりすぎることなく関係者と円満に日程調整をすることが大切です。
一般的な地鎮祭の流れ
神式の一般的な地鎮祭の流れは以下の通りです。
手水(てみず)
手で両手を洗い心身を浄める儀式です。
右手で柄杓を持って左手を清めたら、左手に柄杓を持ち替えて右手を清めます。
次に、再び柄杓を右手で持って左手で水を受け、口をすすいでからあらためて左手を清めます。残った水で柄杓の柄を洗って清めて、もとに戻すまでが手水の流れです。
修祓の儀(しゅばつのぎ)
参列者や祭壇、土地などを祓い清める儀式です。
神主が大麻(おおぬさ=白い紙のついた棒)を使い、参列者と土地の穢れを祓います。
降神の儀(こうしんのぎ)
祭壇に神様を迎える儀式です。
土地の神様を正式に祭壇に降ろし、儀式を見守っていただくために行います。
献饌(けんせん)

神様にお供え物を食していただく儀式です。
用意した供物(米・塩・酒・魚・野菜・果物など)を神様にお供えします。
祝詞奏上(のりとそうじょう)
神様に建物を建てることを報告し、工事の安全、家族の繁栄を祈願する儀式です。
四方祓いの儀(しほうはらいのぎ)
土地の四隅と中央に米・塩・酒などをまいてお祓いをします。施工業者や施主が手伝うこともあります。土地の四方を清め、工事が無事にすすむようにすることが目的です。
地鎮の儀(じちんのぎ)
施主、施工業者、設計者が、順番に鍬(くわ)や鋤(すき)を埋めます。
神主から鍬を受け取り、“鍬入れ”という盛り砂を掘り起こす動作を行います。鍬を入れる時には、鍬を入れる動作を3回「えい、えい、えい」と声を出して行います。
玉串拝礼(たまぐしはいれい)

参列者が神前に玉串を捧げる儀式です。
順番に玉串を時計回り回して神前に捧げ、二礼二拍手一礼を行います。
徹饌(てっせん)
神主がお供え物を下げ、神様への祈りが終わったことを示します。
昇神の儀(しょうしんのぎ)
祭壇から神様をお送りし、地鎮祭を締めくくります。
直会(なおらい)
参列者全員でお神酒をいただき、工事の安全を祈願します。
地鎮祭にかかる費用・のし袋の書き方は?
地鎮祭かかる費用
地鎮祭にかかる費用ですが、必ず支払うことになるのは神主への謝礼です。相場としては2万〜3万円程度となっています。その他、儀式で使用するお供え物やあいさつ回りに持参するお菓子、日用品などの粗品、儀式後に宴会をする場合は飲食費などがあります。
地鎮祭で必要な資材は基本的に住宅会社側が用意してくれます。資材やお供えの費用については、建築費用の経費に含まれていることもあります。ただし負担する側は施主か住宅会社かはさまざまなので、担当者に事前に確認しておくと良いでしょう。
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のし袋の書き方

地鎮祭で神主に渡す謝礼(初穂料)ののし袋は、紅白の蝶結びの水引がついたものを使用します。中袋(中包み)付きのものを使用するのが一般的です。
のし袋の表面には、以下のように書きます。
用途 | 表書きの例(上段) | 書き方(下段) |
一般的な謝礼 | 初穂料(はつほりょう) | 施主の氏名 |
神社以外で行う場合 | 御礼(おんれい) | 施主の氏名 |
会社が施主の場合 | 初穂料 または 御礼 | 会社名・代表者名 |
表書きは筆ペンや毛筆で書くのが一般的です。氏名はフルネームで書き、法人の場合は「会社名+代表者名」を書きましょう。
のし袋に中袋がある場合は、お金の金額や住所・氏名も記入しましょう。
地鎮祭で気を付けたいマナー・服装は?
地鎮祭は、工事の安全を祈願する大切な儀式です。服装や振る舞いにも気をつけることで、失礼のないようにしましょう。
服装はきちんとした格好がベター
地鎮祭では施主の服装に決まりはありません。しかし、お祝いの儀式なのでフォーマルな服装がおすすめです。地鎮祭の儀式は1時間程度で終了しますが、式が終わると近隣へのあいさつ回りをするのが定番となっています。重要な日になるので、身だしなみはきちんと整えておくことが大切です。
近隣の方への挨拶は担当者や現場監督と一緒に
近隣への挨拶回りとしては、家の向かい側3軒と両隣2軒はもちろん、工事車両や出入り口などで迷惑をかけるお宅にも挨拶が必要となります。あいさつ回りにも地域によってマナーが異なる場合があるので注意しましょう。分からないことなどは住宅会社に相談すると良いでしょう。
地鎮祭に関するよくある質問
地鎮祭に関するよくある質問をまとめました。
雨天の場合はどうするの?
地鎮祭は雨天でも基本的に決行されます。「雨降って地固まる」という言葉があるように、雨の地鎮祭は縁起が良いとも言われます。ただし、台風や豪雨などで危険性がある場合は延期を検討することもあります。
雨天の場合は、施工業者や神社側がテントを準備するのが一般的ですが、事前に確認してみましょう。
参列者として、親は呼ぶべき?
地鎮祭は必ずしも親を呼ばなければならないわけではありません。一般的には、施主の判断によって、来賓を招くかどうかを決めることができます。
親が土地の購入や家づくりに関わっていたり、家族として節目のイベントを共有したい場合は、親も呼ぶことがあります。ただし、地鎮祭は基本的に屋外で行うため、体力的に厳しい場合は無理に呼ばなくても大丈夫です。
まとめ
いかがでしたか?最近は「地鎮祭を開催しない」という方も多くなってきていますが、念願のマイホームをつくるので、しっかりと順序を踏んだほうが安心かと思います。
地鎮祭は単なる式ごとではなく、関係業者に気持ちよく働いてもらい、近隣住民と挨拶を交わしたりする交流するきっかけにもなります。土地に対して馴染むきっかけでもある、地鎮祭の開催をぜひ考えてみてはいかがでしょうか。

■監修_サーラ住宅/担当者

WRITER PROFILE

岩下加奈
愛知県豊橋市在住。地元出版社に勤め、東三河エリアを中心とした住宅情報誌の編集長などを勤める。名古屋や東京などの雑誌・WEBのライティングや編集を行い、年間1000件以上の取材をこなす。豊橋市市役所広報アドバイザー、東三河の魅力を発信する講師活動、審査員なども務める。ワンライフコミュニケーション株式会社ゼネラルマネージャーとして、企業様・個人向けの外部広報を担当。