新築なのにゴキブリが!原因と対策について解説!
ゴキブリが出る場所といえば古い家というイメージがあるかもしれませんが、完成したばかりの新築でもゴキブリが発生することはあります。
今回は、新築でもゴキブリが発生してしまう原因と、予防に効果的な対策を解説します。
目次
ゴキブリの特性
新築でもゴキブリが発生する原因を知るには、ゴキブリの特性や習性を理解しておく必要があります。
ご存じのとおり、ゴキブリの身体は扁平な形をしているので、10mm程度のわずかなすき間があればどこでも侵入してきます。小さな種類であれば、5mm程度のすき間でも侵入してくる可能性があるでしょう。そもそもゴキブリは、森林、田畑、都市部などどこにでもいる虫。侵入経路さえあれば、周辺環境に関係なく室内へ侵入してきます。特にエサの多い繁華街で繁殖しているケースが多く、都市部の住宅は恰好のエサ場です。
新築とはいえ、どこかに外へ通じるすき間はあります。ドアや窓が閉まっていても、排水口、換気扇・換気口・通気口、エアコンのホースなど、わずかなすき間からゴキブリは入ってくるのです。また、新築では資材や荷物が持ち込まれることが多く、ゴキブリがダンボールや荷物に紛れて侵入するケースも少なくありません。
生ゴミや食べかすなどを好むイメージが強いゴキブリですが、雑食性なので基本的に何でも食べます。段ボール、新聞や雑誌などの紙類、人間の髪の毛などもエサになるので、新築といえどもゴキブリのエサ場としては十分でしょう。
ゴキブリは、卵を持つメス1匹がいれば1ヶ月で約30匹まで増えるといわれることから、最初に侵入を防ぐことが何より大切なのです。
新築にゴキブリが発生する原因とは?
ゴキブリの特性を紹介しましたが、やはりエサの多い古い家や店舗などのほうが、ゴキブリにとって居心地が良さそうに思うかもしれません。なぜ、わざわざ新築に侵入してくるのか原因を探っていきましょう。
ゴキブリにとって居心地のいい新築
実は、新築はゴキブリにとって居心地のいい環境がそろっているのです。
1つは「ゴキブリにとっての天敵がいないこと」です。ゴキブリにとっての最大の天敵、それはずばり人間です。室内でゴキブリを発見した瞬間、そそくさと影に隠れて見失ったという経験は誰もが持っていることでしょう。
新築住宅はまだ人が住んでいないので、ゴキブリにとっては天敵に襲われることのない安全な場所です。しかも、雨風や冬の寒さをしのげるため、ゴキブリが冬を越すにももってこいといえるでしょう。
もう1つは「暗くて湿気っていること」です。引越し前の新築住宅は、まだ電気が通っていないので、一日を通して暗くてジメジメとしています。これも暗闇と湿気を好むゴキブリにとっては、この上なく暮らしやすい環境なのです。
新築住宅におけるゴキブリの侵入経路
先ほども紹介したように、ゴキブリは10mm程度のすき間があれば侵入することができます。新築住宅でも、以下のようなすき間を経由して、室内へ侵入する可能性があるでしょう。
・排水口(キッチンのシンク、浴室、洗面所など)
・玄関ドアや窓サッシのすき間
・換気扇の隙間や換気口、通気口
・エアコンの室外機、排水ホース
・資材や引越し用の段ボール
排水口や換気口、エアコン周りなどはまだ使われていないので、ゴキブリにとって障害となる要素がありません。こうした侵入経路を早い段階でふさいでおくことが、発生の予防につながります。
【入居前に実践】新築住宅のゴキブリ対策3選
入居前でもゴキブリが侵入する可能性は十分にあるため、引越す前から対策を講じておくのがおすすめです。ここでは、入居前に行っておきたいゴキブリ対策を3つ紹介します。
燻煙剤を焚く
すき間に隠れて暮らすゴキブリをまとめて駆除するには、市販の燻煙剤が効果的です。燻煙剤を使うと小さなすき間にも薬剤が回るので、裏に潜むゴキブリも一網打尽にできます。煙の出るタイプが一般的ですが、マンションなどでも使える無煙タイプも販売されています。
燻煙剤の使用時には、食器や食品、子どもやペットの触れるものなどに薬品がかからないよう、収納したり上からカバーをかけたりしなければなりません。また、家具や荷物がたくさん置かれていると、ゴキブリが逃げる場所を増やしてしまうことになります。
まだ生活を始めておらず、家具や家電を配置していない入居前こそ、燻煙剤による大きな効果が期待できるでしょう。
毒エサを置く
「ベイト剤」と呼ばれる毒エサを置いておくのも有効です。ゴキブリが好む場所に毒エサを設置しておくと、一部の個体が毒エサを食べます。その個体が巣に帰ると、毒の入った死骸やフンを仲間の個体が食べるので、毒エサの効果が巣全体に及びます。こうして、一定の時間をかけてゴキブリが減っていくという仕組みです。
毒エサの効果が現れるには時間がかかるため、入居前に置いておくのがおすすめ。徐々に効果が広がり、引越し後のゴキブリの発生を防ぐことができます。
侵入経路をふさいでおく
燻煙剤や毒エサで室内にいるゴキブリを駆除できたとしても、新たにゴキブリが侵入してきては意味がありません。新たな侵入を防ぐため、入居前に先ほど挙げた侵入経路をふさいでおきましょう。各箇所におすすめの対策は次のとおりです。
排水口 | 目の細かなゴミ受けネットを設置する |
玄関ドア、窓サッシ | すき間テープを貼る |
換気口、通気口 | フィルターを取り付ける |
エアコンの室外機、排水ホース | 室外機カバー、排水ホースキャップを取り付ける |
【入居後に確認】ゴキブリ予防のポイント3選
新築のゴキブリ対策は入居前に行うのがベストですが、どれだけ念入りに対策を講じてもゴキブリが発生する可能性はあります。続いては、新築住宅に入居してから心がけるべき、ゴキブリ予防のポイントを見ていきましょう。
引越しで発生したダンボールなどは放置しない
引越し時に使用したダンボールや新聞類には、ゴキブリの成虫や卵が付着している恐れがあります。そのまま放置していると、新居で繁殖してしまうかもしれません。引越し時のダンボールなどは室内に放置せず、片付けが終わったらすぐに処分するよう心がけましょう。
毒エサを適切に取り替える
入居前に毒エサを設置しても、有効期限を過ぎてしまうとゴキブリが食べなくなってしまいます。長時間放置されたままになっている毒エサも同様です。一度設置したら終わりではなく、商品に記載された有効期限を過ぎたら、新しいものに交換しましょう。
季節ごとに適した対策をする
ゴキブリは寒さが苦手で、気温が20℃以上になると行動が活発になる傾向にあります。夏によく見かけるのはそのためですが、見かけたゴキブリを退治するだけでは、根本的な解決は難しいでしょう。
大切なのは、ゴキブリが卵を産む秋、卵からかえって幼虫となる春の対策です。秋はゴキブリが越冬できるような環境をなくすため、ダンボールを処分したり、家具や家電の裏などを清潔な環境にしたりするのが効果的。冬の間も毒エサを置いておきます。春は、外部からゴキブリが侵入してくるケースも多いので、暖かくなる前に燻煙剤を焚いてまとめて駆除するとよいでしょう。
まとめ
新築は意外とゴキブリの住みやすい環境が整っています。住み始めてからゴキブリに遭遇する機会を減らすには、入居前に適切な対策をとっておくことが大切です。侵入経路をふさぐとともに、燻煙剤や毒エサを使って室内にいるゴキブリをしっかり駆除しましょう。
入居後もゴキブリの好む環境をなるべく作らないようにすれば、清潔で快適な住まいを実現できますよ。
■監修_サーラ住宅/担当者
WRITER PROFILE
藤田一太郎
宅地建物取引士・再開発プランナー
大手不動産デベロッパーで都心商業施設の運営管理・企画・リーシングなどを経験。再開発コンサルでリーシング・契約業務、都心や地方の再開発企画業務に携わる。現在は、不動産ライターとして活動する一方、日本茶インストラクターとして茶農家メンバーとしても活動中。