新築の間取りの成功例を紹介、30坪前後で快適な暮らしを!
新築の購入を検討する際、誰もが気になるのが「間取り」です。自分たちの暮らし方に本当に合っているか、使い勝手はどうかなど、迷うポイントがたくさんありますよね。とくに近年は、土地や住宅価格の上昇により、「大きな土地に大きな家」ではなく、必要な広さを確保しながら快適に暮らせる住まいが求められています。その中でも、とくに人気を集めているのが、30坪前後の広さの家です。
今回は、実際の建築実例をもとに、30坪前後での間取りの工夫や成功事例を紹介します!
30坪の家を建てるには?
1坪は約3.3平方メートルなので、30坪はおよそ100平方メートルに相当します。ただし、30坪の家を建てるために必要な土地の広さは、単純に30坪あればよいというわけではありません。建ぺい率や容積率といった土地ごとにかかる制限により、建築可能な家の大きさが変わります。
また、建物の階数も大事なポイントです。同じ延べ床面積でも、平屋は2階建よりも広い土地が必要です。
建ぺい率と容積率から計算しよう
30坪の家を建てる際、まず理解しておきたいのが建ぺい率と容積率です。
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合です。例えば、建ぺい率が50%の土地に家を建てる場合、敷地面積の50%まで建築面積を確保できます。
一方、容積率とは、敷地面積に対する延床面積の割合を差します。例えば、容積率が100%の場合、敷地面積と同じ延床面積までの家を建てることが可能です。
さらに、屋根と柱があるカーポートは、建築面積に含まれる点に注意しましょう。
例:建ぺい率50%・容積率100%の土地に家を建てる場合
建ぺい率50%、容積率100%の地域に30坪の土地がある場合、以下の条件で家を建てることができます。
・1階の床面積(建築面積):最大15坪(敷地30坪×建ぺい率50%)
・延床面積:最大30坪(敷地30坪×容積率100%)
2階建てを想定すると、1階15坪+2階15坪=合計30坪の家を建てることができます。
新築30坪の間取りの成功例紹介
開放感と快適さを兼ね備えた新築30坪の間取りの成功例を3つご紹介します。家づくりを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
開放感を高めたLDK
壁や仕切りを最小限に抑え、広がりのある空間を実現したLDK。吹き抜けや折り上げ天井で、縦方向に開放感をプラス。さらに、オープンキッチンを採用して、横方向への広がりも生み出しています。視覚的な演出効果を取り入れることで、実際以上に広く感じられる空間づくりをするのが、後悔のないLDKに仕上げるポイントです。
リビング横の和室(畳コーナー)
リビングに隣接して畳コーナーを設けた間取り。扉を閉めれば個室に、開ければ空間が一体となり、奥行きのある広々とした印象を与えます。家族がくつろぐスペースとしてはもちろん、リビングやキッチンから子どもの様子を見守れる安心感も大きなメリットです。また、来客時の寝室や洗濯物を畳む場所として、暮らしに合わせた多彩な使い方ができるでしょう。
ゆとりあるウォークインクローゼット
新築で後悔しやすいのが、「収納が想定よりも少なかった」ということ。そんな収納不足を解消するのが、収納力抜群のウォークインクローゼットです。衣類だけでなく、季節家電やアウトドア用品などの大きな物も収納できるため、使い勝手がよく、家全体がスッキリ片付いた状態を保ちやすくなります。収納の充実度は住まいの満足度を高める重要な要素なので、十分な広さを確保しましょう。
30坪でおしゃれな間取りを作るためのテクニック
限られた空間でも、工夫次第で広々とおしゃれに見せることができます。
ここでは、視覚的に空間を広く見せるテクニックをご紹介します。
「折り上げ天井」で空間に広がりをプラス
天井の一部を高くする折り上げ天井は、空間に広がりを感じさせる効果があります。また、折り上げ部分にアクセントカラーや異なる素材を使ったり、化粧梁を取り入れたりすることで、デザイン性やおしゃれな雰囲気が向上します。
「吹き抜け」で明るさと開放感を演出
1階と2階の間の床を取り払った吹き抜けは、空間に縦方向の広がりをつくり、開放感を最大限に引き出します。高窓を設けることで、自然光を効率よく取り込めるため、部屋全体が明るくなり、ゆったりと開放的な空間を実現できます。
「スキップフロア」で空間に変化をつける
スキップフロアは、1つの空間に高さが異なるフロアを設け、階段でつなぐ間取りです。壁や廊下で空間を仕切らないため、限られた面積でも開放感や変化のあるおしゃれな空間を演出できます。また、段差を活用して収納を増やせるのも、スキップフロアの強みです。
「リビング階段」で開放感とインテリア性を向上
リビングに階段を設置する間取りは、廊下の面積を減らせる分、リビングのスペースを広く確保できるのが魅力です。さらに、リビング階段と吹き抜けを組み合わせたり、スケルトン階段を採用したりすることで、より開放的でインテリア性の高い空間づくりができます。
30坪の間取りを考える際の注意点
30坪で理想の間取りを実現するには、計画段階でしっかり注意点を押さえておくことが大切です。以下のポイントを参考に、快適な住まいを目指しましょう。
必要な部屋数と用途を考える
家族構成やライフスタイルに合わせて、必要な部屋数や用途を具体的に検討しましょう。また、子どもが成長して独立する、両親と同居するなど、将来の暮らしの変化も考慮することが大切です。
たとえば、家族が増えたときに部屋を2つに分けられるようにする、子どもが独立した後は趣味の部屋として活用するというように、ライフステージの変化を見据えて計画することで、長く快適に住み続けられる間取りを実現できます。
部屋同士の距離感を考える
家族が快適に暮らすためには、共有スペースと個室の距離感に配慮することが大切です。リビングやダイニングは、家族が集まりやすい場所に配置すると、自然にコミュニケーションが生まれる環境が整います。一方、個室や仕事部屋は、プライバシーを重視し、落ち着ける場所に配置するのが理想的です。
距離が十分にとれない場合は、防音材や防音ドアを導入しましょう。生活音が抑えられ、快適性を向上させることができます。
さらに、家事動線・生活動線に配慮すると、無駄な動きが減り、余計なストレスを軽減できます。動線に十分な配慮をした間取りは、快適で機能的な住まいづくりに欠かせない大事なポイントです。
満足度の高い30坪の家を建てるには
今回紹介した30坪の間取り事例やポイント、注意点を参考に、家族みんなが笑顔で過ごせるマイホームを目指してみましょう。モデルハウスや完成見学会に足を運ぶと、具体的な住まいのイメージを膨らませやすくなります。また、実績が豊富なハウスメーカーに相談するのも、理想の住まいづくりへの近道です。
サーラ住宅では、設計士がご家族一人ひとりのご要望に寄り添い、納得のいく新築マイホームのプランをご提案いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
■監修_サーラ住宅/担当者
WRITER PROFILE
神谷ミリサ
一級建築士ライター。住宅・インテリアの意匠設計に従事した経験を活かし、住まいの間取りやデザイン、インテリアコーディネートに関するコラムを多数執筆。アメリカで工芸を学び、洋裁や刺繍・家庭菜園を楽しむ暮らしを大切にしている。