【事例別】天井の張り替えはどんなことができる?リフォーム費用やタイミングなどもあわせて解説

「天井のシミや隙間が気になるけど、工事費用が心配…」
「リフォームのタイミングがわからない…」
「せっかくならDIYでやってみたいけど、本当にできるのかな?」
天井の張り替えを考えている方なら、こんな不安や疑問をお持ちではないでしょうか。実は天井の張り替えは、工法や予算によってさまざまな選択肢があり、あなたの希望にあわせた理想の空間づくりが叶うんです。
この記事では、実際の施工事例を紹介しつつ、下記ポイントについて解説していきます。
- 天井の張り替え工事の種類や費用
- DIYの可否
- 天井張り替えの目安
天井を張り替えたいけれど「どうしたらいいの?」と迷っているあなたの疑問を、プロの視点からしっかりとお答えしていきます。きっと、あなたにぴったりの張り替え方法が見つかるでしょう。

【事例別】天井の張り替えはどんなことができるのか
天井の張り替えには、主に以下の5種類の方法があります。
・クロスの張り替え ・塗装 ・天井板の張り替え ・天井下地の張り替え ・既存の構造体を見せる |
住まいの雰囲気を一新したい場合は、これらの工法を組み合わせることで理想的な空間を実現できます。
ここからはそれぞれの施工事例を交えてどのような仕上がりになるのかを見ていきましょう。
クロス(壁紙)の張り替え

引用;https://living-sala.co.jp/works/p10378/
ひとつ目は天井のクロスを張り替えた事例です。施工事例のように白い無地のクロスから木目調のクロスに変更することで、部屋全体の印象がガラッと変わります。
クロスは無地のものから織物調、石目調、木目調などデザインバリエーションが豊富です。また施工期間も比較的短いので、費用対効果の高いリフォーム方法となっています。
塗装

引用; https://living-sala.co.jp/works/p226/
天井の塗装は、既存の天井材を活かしながら空間の印象を変える方法です。この施工事例では天井の板材に柿渋を塗装することで、和の趣が漂う重厚感のある空間に生まれ変わりました。
塗料の種類や色を選ぶことで、モダンな印象からクラシカルな雰囲気まで、幅広い空間演出が可能になります。
天井板の張り替え

引用; https://living-sala.co.jp/works/p16270/
天井板の張り替えは、空間の雰囲気を根本から変える工法です。
この施工事例のように本物の板材を用いることで、木の温もりを感じられる空間に生まれ変わらせることができます。
板材の種類やサイズによってイメージもガラッと変わるため、お気に入りの板材をチョイスすると良いでしょう。
天井下地の張り替え

天井下地の張り替えは修繕が必要な際に行われる工事です。たとえば雨漏りが発生すると、天井を支える下地が濡れてしまい、腐ったり、傷んだりしてしまいます。
この状態で放置していると天井が垂れ下がってくる恐れがあります。場合によっては天井が落ちてくる可能性もゼロではありません。
下地の張り替えは補強と取り替えの2種類があり、劣化状況に合わせて修繕方法が分かれます。補強であれば、部分的な下地の張り替えで済みますが、下地の取り替えとなると部屋全体の下地を取り替える、大掛かりな工事になります。
下地の劣化を見つけた場合は早めに修繕を行うと良いでしょう。
なお、天井下地の張り替えに合わせ、天井の高さを調整してアクセントをつけるリフォーム方法があります。

引用; https://living-sala.co.jp/works/p14474/
上の施工事例のようにキッチン上部の天井を下げ、キッチンの色とクロスの色を合わせ、統一感を演出しています。
既存の構造体を見せる

引用; https://living-sala.co.jp/works/p6214/
構造体を見せるデザインは、天井材を取り除くことで空間の高さを最大限に活かす手法です。
いわゆる「あらわし」と呼ばれるこの工法では、天井高が大幅に上がり、開放感のある空間を実現できます。
梁や小屋組を見せることで、空間にアクセントをつける効果もあります。
天井張り替えの費用相場

工法別の費用相場は以下の通りです。
工法 | 費用相場(6畳間の場合) |
クロス張り替え | 4~6万円 |
塗装 | 3~10万円 |
天井板の張り替え | 7~35万円 |
天井下地の張り替え | 10~30万円 |
構造体を見せる工事 | 20~40万円 |
表の通り、相場は5〜40万円ほどです。天井下地を張り替えでは下地の取り替え工事になると部屋全体の天井下地をいったん壊して、新しく天井下地を作ります。また、構造体を見せる工事も同様に天井下地を壊す作業が発生します。そのため、大掛かりな工事になりになり表のように30-40万円ほど費用がかかります。
天井張り替えを検討している際は上記目安を参考に、自身の家ではどれくらいのコストが必要かをあらかじめチェックしておきましょう。
天井の張り替えはDIYができるのか

天井の張り替え工事作業内容は単純なため、DIYで張り替えられそうな気もします。しかし、天井の張り替えは実際には注意すべきポイントがいくつもあり、簡単にできるとは言い切れない工事です。そのため専門業者へ工事を依頼した方が良いでしょう。
ここからは、なぜお勧めしないのかや、DIYで天井張り替えを行う際の注意点について解説します。
【作業別】天井張り替えのDIYをお勧めしない理由
先ほど紹介した天井張り替え工事の内容別に難易度をまとめてみました。
工法 | 難易度 | 主なデメリット |
塗装 | ★★☆☆☆ | ムラが出やすい、養生が大変 |
クロス張り替え | ★★★☆☆ | 気泡が残りやすい、継ぎ目が目立つ |
天井板の張り替え | ★★★★☆ | 重量物の取り扱い、専門工具が必要 |
天井下地の張り替え構造体あらわし | ★★★★★ | 専門知識や力仕事が求められる |
それぞれの作業内容について詳細をみてみましょう。
塗装の場合
塗装は塗料とローラーやハケなど、塗るための材料や道具が揃えば作業が可能です。しかし、実際に塗ろうと思うと床や壁に塗料がつかないように養生をしっかり行う必要があります。
また塗料の種類によってはムラが発生しやすいものがあります。一度ムラができてしまうとヤスリかけや塗り直しなど、慎重な作業が必要です。
クロスの張り替えの場合
クロスについては貼る範囲が狭い場合は比較的DIYしやすいのですが、天井のような広範囲の面を貼る場合は継ぎ目がいくつもできます。
クロスの継ぎ目は目立たないように重ねてはり、力加減を調整しながらまっすぐカットしなければなりません。天井のような上向き作業で綺麗に仕上げるには熟練の腕が必要です。
天井板の張り替えの場合
天井板についてはただ貼るだけなら比較的簡単ですが、天井には照明器具がついています。ダウンライトの場合は照明器具の形状にあわせて丸く穴あけを行う必要があります。電気工事士の資格があれば照明器具や配線を取り外し、板を張った後に工具で穴あけできますが、持っていない場合は手作業での加工が必要です。
天井下地の張り替え、構造体あらわしの場合
天井下地の張り替えや構造体のあらわしは天井下地を取り外したり、新たに天井を張るために木材で下地を組んだりしなければなりません。
これらの作業は専門的な知識を要する作業で、知識のない人がDIYで工事を行うと、天井が落ちてきたりなどの不具合が発生する恐れがあります。危険なため、DIYでの作業は避けた方が良いでしょう。
DIYで天井張り替えを行う際の注意点
「理由は理解したけれど、道具もあるしせっかくならDIYでやってみたい」という方もいるでしょう。そのような場合は安全対策に気を配って作業を進めましょう。
天井の張り替え作業は脚立を使っての高所作業になります。万が一バランスを崩して脚立から転落すると、大怪我につながりかねません。ヘルメットの着用など、もしもの備えはしっかり行いましょう。また天井材の張り替えが伴う場合は上向きで重たい材料を支える場面があります。一人で作業せず、必ず2人以上で作業を進めましょう。
天井の張り替えのタイミング

一般的な天井材の寿命は10~15年程度です。定期的な点検を行い、張り替えの兆候が見つかった場合は早めの対応を心がけましょう。
張り替えタイミングは以下のような兆候があるかどうかで判断しましょう。
・天井の汚れが気になる ・クロスの隙間が目立つ ・天井の段差が目立つ |
それぞれの兆候について、もう少し詳しく解説します。
天井の汚れが気になる

天井面にはさまざまな生活汚れが付着します。とくにキッチン周辺では調理による油煙が付着しやすく、時間とともに黄ばみや変色の原因となります。また、喫煙習慣のある家庭ではタバコのヤニによる変色が目立ちやすく、エアコン吹出し口周辺では結露や埃の付着による黒ずみが発生しがちです。
とくに注意が必要なのは雨漏りによる影響です。天井に茶色や黒色のシミが出現した場合、すでに雨水が浸入している可能性があります。放置するとカビの発生や天井材の膨らみ、変形につながる恐れがあるため、早めの対処が必要です。
クロス(壁紙)の隙間が目立つ

クロスの経年劣化は、まず継ぎ目の隙間が広がり、目立つようになります。そのまま放置していると、端部の浮き上がりや表面の変色、退色が進行し、最終的には破れや剥がれなど、劣化が進んでいきます。
天井の段差が目立つ

天井に段差が生じる主な原因は、木材の乾燥による収縮や、地震などによる建物の揺れがもたらす歪みです。また、雨漏りによる下地材の腐食や、施工時の不具合による下地の緩みなども段差の原因となります。
まとめ

天井の張り替えは、住まいの印象を大きく変える重要なリフォームです。工法は、クロスの張り替えから構造体を見せるデザインまで多岐にわたり、予算や好みに応じた選択が可能です。内容によりますが天井の張り替えは危険を伴う作業があるため、基本的には専門業者へ依頼しましょう。
リビングサーラは天井の張り替えはもちろん、空間全体をトータルコーディネートするデザインリフォームを得意としています。あなたの理想の暮らしをリビングサーラの「くらすデザイン」で実現してみませんか?
興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。

■監修_リビングサーラ/施工管理担当者_資格:1級建築施工管理技士・2級建築士

WRITER PROFILE

望月尚文
不動産関係に特化したWebライター。
不動産業歴10年以上。一級建築施工管理技士、二級建築士、宅地建物取引士の資格を保有。
業界での経験と不動産に関わる専門資格を活かし、不動産取引や家づくりのノウハウを一般の方にわかりやすく解説します。