【完全ガイド】今人気のコの字型の家とは?実例付きで特徴を紹介!

コの字型の家に憧れているけれど、
「実際に住むとどんな生活になるの?」
「いいなと思っているけど、デメリットはないの?」
「後悔しないだろうか…」
と不安を感じていませんか?
こうした疑問や不安を解消しないまま建築を進めてしまうと、完成後に「他の間取りにすればよかった」「こんなに維持管理が大変だとは思わなかった」といった後悔につながりかねません。
この記事では、コの字型の家のメリット・デメリットをしっかりと解説し、後悔しないために押さえておくべき重要なポイントを紹介しています。コの字型の魅力を最大限に活かしながら、暮らしやすい家を実現するためのヒントが満載です。またコの字型の家をよりイメージしやすいように間取り例も紹介します。
ぜひ最後までお読みください。

コの字型の家のメリット

コの字型の家とは、上から見た時に日本語の「コ」の形に似た形状をした家のことを指します。中央に中庭を設け、その周りを建物が囲む形状です。コの字型の家には以下のようなメリットがあります。
- 開口部があるので開放的な空間になる
- プライバシーと開放感の調整が可能
- 外との出入りがしやすく利便性が高い
- 間取りの自由度が高い
- 採光性や風通しがよくなりやすい
それぞれのメリットについてみていきましょう。
開口部があるので開放的な空間になる
コの字型の家の最大の特徴は、中央に開口部となる空間がある点です。この開口部は中庭やテラスとして活用でき、室内にいながらも開放的な雰囲気を味わえます。家の中にいても外の自然を感じられるため、閉塞感がなく伸び伸びとした暮らしが味わえます。
たとえば、リビングから中庭を眺めながらくつろいだり、季節の移り変わりを感じたりできるでしょう。
また、開口部を囲むように部屋を配置すると、複数の部屋から中庭やテラスにアクセスできる設計も可能です。これにより、家族がそれぞれの部屋にいながらも家族のつながりを感じられます。
プライバシーと開放感の調整が可能

コの字型の家は建物で囲まれた空間に面した開口部をどう作るかによって、プライバシーと開放感のバランスを調整できます。
たとえば下記2パターンが挙げられます。
- 外部からの視線が気になる→目隠しフェンスなどで、プライベート空間を確保
- 開口部を道路側や開けた土地に向ける→景色を楽しむ開放的な空間ができる
また、開口部の広さや位置を工夫して、季節や時間帯によって日差しや風の入り方を調整することも可能です。
自分たちのライフスタイルに合わせて、閉鎖的にも開放的にも調整できる柔軟性が、コの字型の家の大きな魅力といえるでしょう。
外との出入りがしやすく利便性が高い
コの字型の家は、中庭などの建物に囲まれた空間を中心に各部屋が配置されているため、外部との行き来がしやすい利点があります。
たとえば、
- 洗濯物を干す作業や、取り込んで各部屋に持っていく距離が短くなる
- キッチンから中庭やテラスまで食材を運びやすくなりバーベキューなどを気軽に楽しめる
などの効果があります。
このように、室内と屋外の境界が緩やかになると、日常生活の利便性が高まるのです。
間取りの自由度が高い
コの字型の家は、建物が「コ」の字を描くように配置されているため、間取りの自由度が高いという特徴があります。
たとえば、リビングやダイニングを中庭に面して配置すれば、開放感のある共用スペースとなります。また、プライベート空間となる寝室や書斎は、より静かな場所への配置も可能です。さらに、子供部屋と親の寝室を離して配置すれば、互いのプライバシーを確保しながらも、中庭を介してつながりを持たせられます。
このように、多様な生活スタイルに対応できる間取りの自由度の高さは、コの字型の家の大きな魅力です。
採光性や風通しがよくなりやすい
コの字型の家は通常の家よりも外壁面が増えるため、より多くの光や風を取り込みやすい特徴があります。
たとえばリビングに大きな窓を設けることにより、中庭からの柔らかな光が室内に差し込み、温かみのある空間を作れます。また、窓の配置を工夫することで、風を取り入れて自然換気をしたり、太陽光を効率的に取り込んで暖かさを確保したりといった設計も可能です。
結果として、エアコンなどの使用を減らせるため、省エネ効果も期待できるでしょう。
コの字型の家のデメリット

コの字型の家は開放的な空間や間取りの自由度などの魅力がある一方で、いくつかのデメリットも存在します。検討する前に、以下の5つのデメリットをしっかり理解しておくことが大切です。
- 建築コストがかかりやすい
- 水はけが悪い空間となりやすい
- 中庭のお手入れが必要になる
- 寒さや暑さを感じやすい空間になるおそれがある
- 防犯対策が必要になる
それぞれのデメリットについてみていきましょう。
建築コストがかかりやすい
コの字型の家は一般的な四角形の家と比較して、建築コストが高くなる傾向があります。
たとえば以下の点が代表的な建築コスト増加の要因です。
- 四方を囲む場合よりも外壁の総面積が大きくなる
- 屋根の形状も複雑になり、雨漏り防止のための処理などにも追加コストがかかる
- 中庭やテラスなどの外構工事にもお金がかかる
コの字型の家を建てる際は建築費用だけでなく、外構費用など総合的な予算計画をしっかり組んでおく必要があります。
水はけが悪い空間となりやすい
コの字型の家では、中庭やテラス部分に雨水がたまりやすいという問題があります。台風や大雨の際には、排水が追いつかず浸水リスクが高まることも考えられるでしょう。
水はけの悪さを放置すると、湿気やカビの原因となり、長期的には建物の劣化を早める可能性もあるため注意が必要です。
中庭のお手入れが必要になる

コの字型の家の特徴である中庭やテラスは、定期的なメンテナンスが必要です。庭として活用する場合は、草木の手入れや落ち葉の掃除など、継続的な作業が発生します。とくに日本の気候では、湿度が高く雑草が生えやすいため、手入れを怠ると見た目が悪くなるだけでなく、害虫の発生源にもなりかねません。
時間や体力に余裕がない家庭では、このメンテナンス負担が大きな課題となることがあります。
寒さや暑さを感じやすい空間になるおそれがある
コの字型の家は、外気に触れる面積が大きいため、暑さや寒さを感じやすい空間になるおそれがあります。
とくに中庭に面した開口部が多い設計では、夏は暑く冬は寒い空間になりやすいです。大きな窓や開口部からの熱の出入りが大きいため、エアコンの効きが悪く、光熱費が高くなるケースもみられます。
防犯対策が必要になる
コの字型の家では中庭やテラスが外部からアクセスしやすい構造になりがちなため、防犯面での対策が必要です。
とくに塀や門がない場合、不審者が侵入しやすくなる可能性があります。また中庭へ出入りするために大きな開口部が設けられるため、窓からの侵入リスクも高まります。
家族の安全を確保するためにも、設計段階から防犯について十分な考慮が大切です。
コの字型の家で後悔しないためのポイント5選

コの字型の家で後悔しないためのポイントは大きく5つあります。
- 日当たり・風通しを考慮した設計とする
- 断熱対策をしっかりとする
- 排水対策やメンテナンスのことも考える
- 動線を考えた間取りを計画する
- 窓の配置や防犯対策を考えて計画する
それぞれ説明していきましょう。
日当たり・風通しを考慮した設計とする
コの字型の家を計画する際には、日当たりと風通しへの配慮がとくに重要です。中庭を囲む形状のため、方角によっては日陰になりやすい空間ができてしまいます。
とくに北向きの部分は一年を通して日光が入りにくいため、リビングなどの主要な生活空間は南側に配置することがおすすめです。また、窓の位置や大きさを工夫することで、風の通り道を確保できます。中庭を「風の入口」として活用し、対面する窓を設けることで、夏場でも自然の風を取り込む涼しい空間を実現できます。設計段階で検討し、季節ごとの日当たりや風の流れを確認しておくと安心です。
断熱対策をしっかりとする
先ほども述べましたが、コの字型の家は外部に面する壁の面積が大きくなりがちです。そのため断熱対策が重要になります。とくに中庭に面した開口部からの熱の出入りは、夏場の暑さや冬場の寒さに直結します。
具体的な対策は以下の通りです。
- 高性能な断熱材を使用する
- ペアガラス、トリプルガラスなど高断熱サッシの採用
- Low-Eガラスの採用
また、外壁の色も熱の吸収率に影響するため、暑い地域では明るい色を選ぶこともポイントになります。コの字型の形状を活かして日射を調整する庇やルーバーを設けることで、季節ごとの温度変化にも対応できる住まいになります。
排水対策やメンテナンスのことも考える
コの字型の家では中庭スペースの排水対策がとくに重要です。雨水がたまりやすい構造のため、適切な勾配と排水溝の設置が必須です。また、中庭に植栽を取り入れる場合は、根の成長による建物への影響や、落ち葉などの清掃のしやすさも考慮しましょう。
外壁のメンテナンスについても、通常の住宅より手間がかかる場合があります。内側の壁面は狭かったり、囲われていたりするケースが多いです。そのため個別で足場を建てる必要があったり、塗装や修繕の作業性が悪くなったりします。
コの字型の家は、定期的に点検しやすい構造にしたり、メンテナンスフリーの外壁材を選んだりなど、将来の維持管理のしやすさもしっかり検討するとよいでしょう。
動線を考えた間取りを計画する

コの字型の家では、日常生活の動線設計が快適さを左右します。
たとえば、キッチンから食事スペース、リビングへとスムーズに行き来できる配置にすると、家事の効率が高まります。また中庭を囲む廊下を設ければ、どの部屋からも中庭にアクセスしやすくなり、中庭が家族のコミュニティスペースになるでしょう。
このようにライフスタイルに合わせて動線計画はさまざまな選択肢があります。住宅メーカーのスタッフと一緒に、ライフスタイルにあった間取りを計画しましょう。
窓の配置や防犯対策を考えて計画する
コの字型の家では、窓の配置が空間の印象を大きく左右します。中庭に面した大きな窓を設けることで、内と外の境界を曖昧にし、より広がりを感じる空間を作れます。一方で、外部からの視線や防犯面も考慮し、窓の高さや大きさ、向きの工夫も必要です。
たとえば、寝室では朝日が入りすぎないよう東側の窓は小さめにする、キッチンでは調理中の換気がしやすいよう窓の開閉方式を工夫すると、住み心地を高められます。また来客時や二世帯住宅など、プライバシーの配慮が必要なケースは、お互いの視線が合わないように窓配置を工夫するなど、細かな配慮が必要でしょう。
コの字型の家は、部屋の性質に合わせて窓の大きさや配置を考えましょう。
コの字型の家の間取り実例紹介

ここではコの字型の家を、より具体的にイメージできるように、サーラ住宅が手がけたコの字型の家の間取り事例を紹介します。
開放性と実用性を兼ね備えた住まい

この間取りの特徴は、開放感あふれる空間と暮らしやすさが調和している点です。
1階は光が差し込む中庭に面してリビング・ダイニングキッチン・和室を配置。それだけでなく、食材をたっぷり保管できるパントリーや玄関のシューズクローゼットなど、実用的な収納が随所に配置されています。ウッドデッキでは自然を感じながら、家族でくつろぎのひとときを過ごせます。

2階は家族それぞれの居場所となる個室と、ベランダ干しに便利な広々とした洗面脱衣室を確保。南向きの大きな開口部からは明るい光が注ぎ、心地よい開放感に包まれます。お部屋の使い勝手を考えた収納スペースも実用的です。
さらに小屋裏収納も備えており、季節物の衣類や家電などをひとまとめに収納できます。

コの字型の部分を軸とした開放的な空間と、日常生活の実用性のバランスが見事に調和された、いつまでも心地よく過ごすことができる住まいです。
シェア家事でかぞく時間が増える住まい

この間取りの特徴は、共働き家族の生活スタイルに合わせた、家事のシェアがし易い点で、複数の人や物が交錯しない動線による「シェア家事」を提案した間取り実例です。
1階はリビングとキッチンダイニングが離れたタイプとなっており、リビングでは静かにゆったり過ごしながらも、一方のキッチンでは調理や食事ができると言ったような、家事と自由なプライベート時間をそれぞれ独立させた点が特徴的です。また、その空間の間に「コの字」のウッドデッキが広がり、リビングとキッチンダイニングを行きかう際にふと外の景色を眺めてしまうような視覚的な工夫が施されています。

2階は家族それぞれの居場所となる個室や、お風呂・洗濯・洗濯物の収納まで流れるような動線で作業ができる点が特徴的です。収納スペースも充実しており、複数人で使っても混雑しない広々とした洗面台、心地よい光と空気の通り道が考えられた窓の配置など実用性だけじゃない暮らしやすさにまで工夫が凝らされた住まいとなっています。
また、こちらのお家も小屋裏収納を取り入れ、スペースを無駄なく活用しています。

コの字の部分が家事動線とくつろぎ空間を隔てる、共働き家族に配慮した住まいでした。
日常の住まいの使い勝手が家族の笑顔をより増やしてくれることでしょう。
まとめ

コの字型の家は、中庭やテラスを中心に建物が囲む開放的な住まいで、プライバシーと開放感のバランスが取れる魅力的な住宅です。高い開放性が得られるメリットがある一方、建築コストをはじめとしたいくつかのデメリットも存在します。
後悔しないためには、
- 日当たり・風通しを考慮した設計
- 断熱対策
- 排水対策
- メンテナンス
- 動線を考えた間取り
- 防犯対策やプライバシーを考慮した窓配置
などのポイントをしっかり押さえておくのが大切です。
これらのポイントを抑えるには細かな配慮を設計段階で行わなければなりません。

サーラ住宅は間取り例で紹介したように、コの字型の家の実績がいくつもあります。あなたの暮らしに合わせて細やかな配慮をしながら設計を進めていきます。またサーラの家は高い断熱性能が自慢で、コの字型の家と相性がよいです。
サーラ住宅は世界最高水準の断熱性能を有する断熱材を採用しており、2030年に新築住宅の省エネ基準となる予定のZEH水準に先取りで標準対応しております。さらに断熱性能を求める方にはZEH水準を超える一歩先の断熱性能の家もご提供しております。
快適なコの字型の家を建てたいと考えている方は、ぜひサーラ住宅へお気軽にご相談ください。

■監修_サーラ住宅/担当者

WRITER PROFILE

望月尚文
不動産関係に特化したWebライター。
不動産業歴10年以上。一級建築施工管理技士、二級建築士、宅地建物取引士の資格を保有。
業界での経験と不動産に関わる専門資格を活かし、不動産取引や家づくりのノウハウを一般の方にわかりやすく解説します。