そのニオイ、放置は危険! トイレの下水臭さの原因と今すぐできる対処法

「なんだかトイレが臭い…」と、感じることはありませんか?
トイレからの下水臭はただ不快なだけではなく、深刻なトラブルが発生している恐れがあります。場合によっては業者依頼が必要になるケースもあるので、すぐに原因をつきとめて、まずは自分でできる対処法を試してみましょう。
今回のコラムでは、トイレが下水臭い原因と対処法をはじめ、業者依頼を検討したほうがいい症状などを解説します。サーラが手がけたトイレリフォームの事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

トイレが下水臭いときに考えられる原因

まずはトイレが臭う原因を知り、どれがもっとも可能性があるのかを考えてみてください。
封水切れによる臭いの逆流
トイレが下水臭いときの原因でもっとも多いのが、封水切れによる臭いの逆流です。
封水は便器の奥にたまっている水のことで、下水管からの臭いや外注の侵入を防ぐ役割を担っています。しかし何らかの理由によって封水が切れたり極端に少なくなってしまったりすると、下水管内の悪臭が室内へと上がってきます。
封水切れの主な原因は以下のとおりです。
- トイレの詰まり
- 水の自然蒸発
- トイレタンクの不具合
- 排水管の気圧トラブル
もう少し詳しく見ていきましょう。
トイレの詰まり
トイレットペーパーや異物、汚れなどでトイレが詰まると、水の流れが悪くなり、封水がたまりにくくなります。さらに詰まった物の隙間や溝を伝って少しずつ水が吸い上げられる『毛細管現象』も、封水切れの原因のひとつです。
水の自然蒸発
トイレを長期間使っていないと、封水が蒸発します。旅行や出張などで長期間家を空けたときや、使用頻度が低い2階のトイレで封水切れが起こっているのなら、蒸発が原因かもしれません。
トイレタンクの不具合
トイレタンクには、水を流したときに封水へと水を送る『補助水管』があり、タンク内を掃除したときなどに外れてしまうと、封水がうまくたまらなくなります。
排水管の気圧トラブル
上記の3つの原因に当てはまらない場合は、排水管の気圧トラブルが考えられます。集合住宅ならば上の階で排水が行われたことによる『誘導サイホン作用』によって一時的に封水が引っ張られているだけかもしれません。
一方で戸建て住宅の場合は、排水管の劣化や設計ミスによる『自己サイホン作用』が考えられます。その場合自己処理は難しいので、すぐに業者に相談しましょう。
便器やトイレタンクに蓄積した汚れやカビ
便器のふち裏や便座の隙間、トイレタンクの内部などに蓄積された汚れやカビも、下水臭の原因になります。とくにトイレタンク内は湿度が高いため、カビや細菌の温床になりがちです。長らくトイレタンクの掃除をしていないのなら、タンクを開けて確認してみてください。
排水パイプや排水管からの臭い漏れ
トイレに手洗いがある場合は、排水パイプと排水管の間に臭い漏れを防ぐための『防臭キャップ』が取り付けられています。それが劣化によって外れたり割れたりしてしまうと、臭いの原因になります。
尿石の蓄積や尿の飛び散り
排出されたばかりの尿はあまり臭いませんが、放置すると菌の繁殖によって尿が分解され、アンモニア臭が発生します。便器やふち裏、床、壁などを小まめに掃除していないのなら、尿が臭いの原因かもしれません。
換気扇の詰まりや故障
トイレの換気扇が正常に機能していないときにも、湿気や臭いがこもることによって下水臭を感じることがあります。とくに集合住宅では換気扇の吸引力が弱まると、他の階や隣接する住戸からの臭いが逆流してくることも。臭いがこもりやすいときには、換気扇の状態も確認してみてください。
自分でできる臭いの原因別の対処法

トイレが臭う原因によっては、すぐに自分で対処することができます。
ここでは、自分でできる原因別の対処法を見てみましょう。
封水切れが原因のとき
封水切れでトイレが下水臭いときには、原因別に次のような対処法を試してみてください。
トイレの詰まり
トイレの詰まりによって封水切れが起こっているときには、詰まっている物を取り除くだけで解消できます。トイレットペーパーや排泄物が原因のときにはラバーカップで押し流し、異物が落ちたときにはゴム手袋を装着して手で取り除きましょう。
ただし、異物が奥に入り込んでしまったときには無理をせず、業者に相談してください。
水の自然蒸発
水の自然蒸発が原因なら、トイレを流す、またはバケツで水を注ぐだけで解消できます。
トイレタンクの不具合
トイレタンク内の補助水管が外れたことによる封水切れは、水管を正しい位置に戻せば解消できます。手順としては、止水栓を閉じて、外れた補助水管を再び中に入れるだけです。
簡単な作業ではありますが、トラブルを防ぐためにも取扱説明書や動画などを見ながら行ってください。
排水管の気圧トラブル
排水管の気圧トラブルは、誘導サイホン作用が原因であればトイレを数回流すだけで解消できる可能性があります。それでも解消しないときには、通気管の設置が必要になるため業者依頼が必要です。自己サイホン作用が原因と考えられるのなら、自分で対処しようとせず、初めから業者に相談しましょう。
便器やトイレタンクの汚れやカビのが原因のとき
汚れやカビが原因の臭いは、徹底的な掃除が必要です。
市販のトイレ用洗剤やブラシを使って、便器内やふち裏、排水口周辺の汚れをしっかりと落としましょう。トイレタンクはタンクの蓋を外し、内部を中性洗剤やカビ取り剤で掃除します。トイレタンクはカビや細菌の温床になりやすいので、臭いを防ぐためにも小まめな掃除を心がけましょう。
排水パイプや排水管からの臭い漏れ
防臭キャップが原因で排水パイプや排水管から臭いが漏れているときは、キャップを新しいものへと交換します。防臭キャップはホームセンターで500円前後で購入でき、自分で簡単に取り替えられます。ただし金属製など特殊な防臭キャップが取り付けられている場合は、業者に相談しましょう。
尿石の蓄積や尿の飛び散りが原因のとき
尿石や尿の飛び散りが原因の臭いは、便器やトイレタンクと同様に徹底した掃除が必要です。尿には酸性洗剤やクエン酸がよく効くので、便器は酸性洗剤、床や壁はクエン酸といった具合に洗剤を使い分けてみてください。便器の隙間や床材のつぎ目などにも尿が入り込んでいることが多いので、念入りに掃除しましょう。
換気扇の詰まりや故障が原因のとき
換気扇が汚れで詰まっているのなら、フィルターや羽根部分を自分で掃除することで解消できます。ブラシ付きの掃除機でホコリを吸い、最後にウエス(タオル)などでやさしく拭き取りましょう。故障に関しては自己対処が難しいので、業者依頼が必要です。
トイレの下水臭で業者依頼をしたほうがいいケース

ここまで説明してきたように、トイレの下水臭の多くは自分で解決することができます。
しかし中には業者依頼が必要になるケースもあり、面倒だからと放置すると、細菌の繁殖によって健康面に被害を与える恐れがあります。
もし次のような状態に当てはまるのなら、すぐに業者に相談しましょう。
対処法を試しても臭いが改善しないとき
前章で紹介した対処法を試しても臭いが改善しないときには、他の部分に原因がある可能性があります。臭いの原因がわからないときには、業者に相談しましょう。
また、掃除に関しても素人ではできる方法や使える洗剤に限界があるため、無理に改善しようとせず、業者に相談するのが安心です。
明らかに異常があるとき
下水臭のほかに、次のような異常が起こっているときにも業者依頼が必要です。
- 便器から「ゴボゴボ」「ゴーゴー」といった異音が頻繁に聞こえる
- 水を流したときに気泡ができる
このような症状がみられる場合は、排水管の損傷や通気管の詰まりなどが考えられます。
自分での対処は難しいので、すぐに業者に相談しましょう。
前回のリフォームから10年以上経っているとき
トイレの耐用年数は、10〜15年です。
詰まりが頻繁に発生していたり、床や壁、隙間にこびりついた臭いが取れにくい、汚れやすいと感じていたりするのなら、リフォームを検討したほうがよいでしょう。
リフォームをすれば症状を改善できるだけではなく、日々の掃除もぐっと楽になります。節水性の高い商品を選べば、光熱費の節約にもつながるでしょう。
サーラが手がけたトイレのリフォーム事例

トイレをリフォームすれば下水臭を解決できるのはもちろん、便器の機能やデザイン、壁紙、床材などにもこだわることで、トイレ空間がリラックスできる場所になります。
ここでは、サーラが手がけたトイレリフォームの事例を2つ紹介します。
温もりを感じるトイレにリフォーム

寒さや掃除の大変さを感じていたトイレをリフォームした事例です。
タイル貼りのトイレは熱を伝えやすいので、冬は底冷えし、目地には尿や水が入り込むため掃除も大変です。小まめな掃除をしなければ、すぐにアンモニア臭が漂います。
そこで今回のリフォームでは掃除がしやすいタンクレストイレを採用し、壁紙や床材も一新。掃除の手間がかからず、清潔感のあるトイレが完成しました。
▶事例の詳細はこちらから
バリアフリーで安心感のあるトイレにリフォーム

手洗い付きのトイレをタンクレストイレへとリフォームした事例です。
手洗い付きのトイレは小スペースでも設置できるのがメリットですが、手洗い器の掃除が大変で、タンク内を掃除する手間もかかります。
そこで今回はタンクレストイレを採用し、横には収納を兼ねた手洗いを設置。北欧チックなアクセントウォールとヘリンボーン柄の床材で、心地よい空間へと生まれ変わりました。
▶事例の詳細はこちらから
こちらの記事も御覧ください▼
まとめ
トイレの下水臭は、自分で解決できるものがほとんどです。
しかし自分で対処しても臭いが消えないときや、配管トラブルや設備の故障が考えられるのなら、すぐに業者に相談してください。
また、汚れの蓄積が原因のときは、リフォームがおすすめです。
トイレの耐用年数は10〜15年ほどなので、せっかく掃除をしてもすぐに汚れたり、不具合が発生したりする可能性があるからです。
さらにキッチンや浴室、洗面などもトイレと同様に耐用年数が10〜15年ほどなので、新築や前回のリフォームから10年以上経っているのなら、水まわりをすべて入れ替えたほうが結果的に費用を抑えられます。
サーラのリフォームではトイレだけではなく、リフォーム全般に対応しております。
トイレトラブルでお悩みの方は、こちらのページよりお見積りや資料請求などをお申込みください。

■監修_リビングサーラ/施工管理担当者_資格:1級建築施工管理技士・2級建築士

WRITER PROFILE

井本 ちひろ
建築科系学科卒の住宅×金融専門ライター。
子供に「おかえり」が言える仕事を探してライターの道へ。
大学で得た経験とFP2級の知識を活かし、家づくり、水回り設備、エクステリア、火災保険、相続など、住宅にまつわる幅広い記事を中心に活動中。