庭をリフォームするポイントは?補助金制度や施工例もご紹介

「庭で休日を過ごせるようにリフォームしたいけれど、何から始めたらいいんだろう」とお庭を前に考え込んではいませんか?
庭でやりたいことや理想のイメージは人それぞれ。まずは自分の希望を整理することから始めてみましょう。
この記事では、庭のリフォーム内容や費用相場、補助金制度などをご紹介します。庭をリフォームしてみたい方は、ぜひ参考にしてください。

庭のリフォームのポイント
庭をリフォームする際には、庭で何をして過ごしたいか、庭をどのように見せたいかをしっかりと決めてから、庭の全体像を考えていくことがポイントです。
リフォームの「目的」を明確にする
庭のリフォームは、まず目的を明確にすることが大切です。目的は大きく以下の2つに分けられます。
庭で過ごすためのリフォーム | ガーデニング、家庭菜園、子どもの遊び場、バーベキューなど |
庭の景観をよくするためのリフォーム | 庭園作り、プライバシー保護や景観向上のためのフェンス設置など |
目的が曖昧なままだと、庭の使い勝手が悪くなったり、費用が余計にかかったり後悔することも。家族でよく話し合い、庭の用途や目的を明確にしておきましょう。
庭の全体像をイメージする
目的が決まったら、具体的な庭の全体像を考えていきます。雑誌やウェブサイトの施工事例を参考にしながら、建物や敷地形状に合ったデザインをイメージしてみましょう。
また、ガーデニングを楽しむエリアと子どもが遊ぶエリアを分けるなど、ゾーニングを意識すると、限られた空間を有効活用することができます。
庭のリフォームはメンテナンス性を考慮する
屋外は雨風や紫外線にさらされる過酷な環境のため、耐久性を考慮した素材選びが重要です。
特に、庭のメンテナンスに時間をかけられない方は、人工芝や人工木、タイルデッキなど、耐久性が高くお手入れが簡単な素材を選びましょう。
一方、日頃のお手入れに時間をかけられる方は、経年変化を感じられる自然素材を取り入れ、味わい深い庭を育てるのも楽しみの一つになります。
庭のリフォームはプロの意見を聞く

理想の庭を実現するためには、専門家の意見を聞くことが大切です。まずは、理想のイメージに近い施工事例を手掛けている会社を選び、現地調査を依頼しましょう。
希望通りの工事を実現できるか、予算はどのくらいかかるか、現地を見ればプロはある程度の判断ができます。また、プロに意見を聞くことで思いがけない良いプランが出てくるかもしれません。
庭のリフォームの内容と費用相場
庭のリフォームには、景観や機能性を高める様々な方法があります。リフォームの内容と費用相場を確認しておきましょう。
整地
整地とは、ぬかるみやすく歩きにくい土の庭を整えることです。
整地の費用相場は、平米単価で2,500~6,000円程度となっており、整地をした上で砂利を敷いたり、芝生を貼ったりします。
砂利敷

砂利には、歩きやすい玉砂利、安価な砕石、色や形が豊富な化粧砂利があります。足音が聞こえやすい砂利は防犯対策にもなります。
また、雑草が生えるのを防ぐために、砂利の下に防草シートを敷くと良いでしょう。
砂利敷の費用は平米単価で3,000~9,000円が目安です。
芝生

芝生には、天然芝と人工芝があります。天然芝は、初期費用が安いのがメリットですが、メンテナンスに手間と費用がかかります。
人工芝は、メンテナンスに手間はかかりませんが、初期費用が高く、10年程度で貼り替えが必要になることがデメリットです。
費用は、天然芝が平米単価で5,000円から、人工芝が平米単価で1万円からが目安です。
コンクリート
庭のお手入れをする時間がない場合や、駐車場として使いたい場合は、庭をコンクリート舗装する方法もあります。
コンクリート舗装にかかる費用は、平米単価で1万円前後が相場です。
アプローチ

アプローチとは、門扉から玄関までの通路を指します。外部からよく見える場所のため、デザイン性だけでなく、防犯性にもこだわることが大切です。
また、アプローチは家族はもちろん来客も使用する場所なので、歩きやすく滑りにくい材質で作ることが求められます。アプローチの素材は、レンガ、枕木、タイル、砂利などが一般的です。
アプローチの長さや素材にもよりますが、費用は10~30万円程度が目安です。
ウッドデッキ・タイルデッキ
庭をリビングの延長として活用したい場合は、ウッドデッキやタイルデッキを設置するという方法があります。リビングの掃き出し窓から出られるようにプランニングすると、目が届きやすいので、子どもの遊び場としてもおすすめです。
ウッドデッキには、木の風合いを楽しめる天然木とメンテナンスが不要な人工木があります。費用は10㎡で25~40万円が目安です。
タイルデッキは、モダンな高級感と耐久性の高さが魅力です。デザインが豊富なので、外観とのコーディネートがしやすい点もメリットといえるでしょう。費用は、10㎡で15~80万円が目安です。
目隠し
目隠しは、外からの視線を遮るだけのものではありません。室内から外を眺めた時の景観をコントロールできるというメリットもあります。
目隠しには簡易的なシェードもありますが、耐久性を考慮するならリフォームで設置するのがおすすめです。
オーニング

オーニングとは、日除けや雨除けの機能がある可動式のテントのことです。ウッドデッキやタイルデッキの上部に設置すると、デッキで過ごしやすくなります。
オーニングは、上部からの視線を遮るので、フェンスと合わせて使うのがおすすめです。
費用は、20~40万円が相場と考えておきましょう。
フェンス
フェンスは、正面からの視線を遮る目隠しです。道路沿いや隣家との境界に設置されます。フェンスの素材には、アルミ、スチール、人工木などがあり、費用の目安は、10~40万円程度です。
垣根
和風のお庭の場合、フェンスが意匠的に合わない場合もあります。そのような場合には、垣根がおすすめです。竹垣や生垣は風情があり、庭の景観が良くなるというメリットがあります。
費用は、平米単価で7,000~1万円が目安です。
ライティング(照明)

家の外構やアプローチを照らす照明は、安全対策や防犯対策として重要です。DIYで設置できる照明もありますが、イメージに合わせた演出や実用性を考慮するなら、専門業者に依頼すると良いでしょう。
照明にはポールライトやブラケットライトがありますが、費用は1~6万円が目安です。
立水栓・シンク(水回り)
庭でガーデニングや家庭菜園を行う場合は「水」が必要です。他にも、子どもの水遊びや洗車など、庭で水が必要な場面は意外と多くあります。
庭の水回りの設置は、どのような用途で、どこに設置すべきか「動線」も重要なポイントになります。よく検討してから決めましょう。
立水栓(※1)とシンクの設置にかかる費用は、10~35万円が目安です。費用は散水栓(※2)の有無やシンクのデザインによっても変わります。
※1 立水栓…屋外に柱状に設置された蛇口。腰を屈めずに使える
※2 散水栓…地中に埋め込まれた給水口。ホースをつないで使う
庭のリフォーム費用を抑えることはできる?
自治体では、庭のリフォームに対して助成をしていることがあります。浜松市と豊橋市の補助金制度をご紹介するので参考にしてください。
【浜松市】風致地区内住宅生垣用苗木交付制度

風致とは、景観を含む自然の趣のことで、風致地区はその自然状況を保つことが望まれる地区を都市計画上指定したものです。
浜松市風致地区内住宅生垣用苗木交付制度では、風致維持のために生垣用の苗木の交付を行っています。制度の概要は以下の通りです。
交付対象となる場所 | 風致地区内の戸建て住宅の敷地で、道路沿いから平行に7メートルまでの部分と隣地との境界部分 |
交付対象となる生垣の条件 | ・延長が連続して2メートル以上であること・1メートルにつき2本以上の苗木を植えること・道路から生垣を隠す工作物が無いこと・生垣の健全な育成管理ができること |
苗木交付数の上限 | 1メートルにつき3本までとして、合計100本まで |
交付する苗木の種類 | アラカシイヌマキウバメガシキンメツゲサザンカ など |
出典:浜松市 「浜松市風致地区内住宅生垣用苗木交付制度の概要」
【浜松市】ブロック塀等撤去改善事業

東海地震の発生確率が年々上昇している静岡県では、安全性に欠けるブロック塀の撤去改善が求められています。ブロック塀等撤去改善事業は、ブロック塀の撤去費用と新設費用に対して、補助金を交付する事業です。
補助の条件 | 以下の要件全てに該当する塀を、全て撤去するもしくは全て撤去したあとに「安全な塀」を新設する場合 ・ブロック塀・石塀・レンガ塀・万年塀・その他これらに類する塀・道路等に沿っている、または、転倒した際に道路等に影響を及ぼすもの・道路からの高さが80cm以上、かつ、2段以上積まれた塀・市が実施する事前現地調査を受けた塀 |
撤去費用補助額 | 「撤去するブロック塀等の延長に14,000円/mを乗じた基準額」と「撤去工事費」とを比較していずれか少ない額の3分の2以内(上限200,000円) |
新設費用補助額 | 「新設する安全な塀の延長に38,400円/mを乗じた基準額」と「新設工事費」とを比較していずれか少ない額の3分の2以内(上限250,000円) |
出典:ブロック塀等の撤去・改善の補助制度について(浜松市)
【豊橋市】民有地緑化への助成金
豊橋市でも、緑豊かなまちづくりのためとして、民有地緑化に対する助成を行っています。
助成の対象となる工事は、屋上緑化・壁面緑化などの緑化工事、および生垣工事です。緑化工事は50㎡以上、生垣工事は15m以上の規模要件があります。
助成金額は、対象工事費の2分の1以内で、かつ以下の条件を満たす金額です。
- 屋上緑化・壁面緑化の場合、1㎡あたり3万円まで
- 空地緑化の場合、1㎡あたり1.5万円まで
- 駐車場緑化の場合、1㎡あたり2万円まで
- 生垣設置の場合、1mあたり5千円まで
助成の総額は、10万円以上200万円以下です(生垣設置のみの場合は、3万円以上200万円以下)。
【豊橋市】ブロック塀等撤去費補助金

豊橋市では、安全性の低いブロック塀の撤去工事に対して補助金を交付しています。
道路に面した高さ1m以上のブロック塀が対象です。また、撤去後にブロック塀を設置しないことが条件になっています(フェンスや生垣は可能)。
補助額の上限は10万円となっており、以下の額のうち少ない方の金額が助成されます。
- 撤去工事費×2分の1
- 単価×ブロック塀等の延長
補強コンクリートブロック塀、レンガ及び大谷石等の組積造の塀 | 5,000円/1mあたり |
その他これらに類する塀、万代塀等 | 4,000円/1mあたり |
庭のリフォーム 事例紹介
リビングサーラが手掛けたお庭のリフォームの施工事例をご紹介します。
憧れのコッツウォルズを再現した庭園

ご自宅の隣の土地が売りに出され、日当たりへの懸念から土地を購入するという大きな決断をされたSさま。大好きなガーデニングを楽しむための造園をご依頼いただきました。
イングランドのコッツウォルズの街並みが憧れとのことでしたので、コッツウォルズストーンをベースにしたガーデンプランを立てました。

コッツウォルズストーンの石垣は、1ピースずつパズルのように組み立てて造成。ベンチのようにくつろぐことも可能で、朝はコーヒーを飲みながらお庭を愛でているそうです。
夢のガレージを叶えたエクステリアリフォーム

車のチューンナップやバイクレースに参加するご趣味をお持ちのお施主さま。ガレージを持つことが長年の夢でした。今回、ガレージの設置と駐車スペースのコンクリート打ち直し、フェンスの交換という大規模な外構工事を行いました。

ガレージは6m×6mの広さがあり、大型のワゴン車を停めても、もう一台駐車が可能。天候に左右されることなく、存分にご趣味に没頭していただける環境になりました。
和のお住まいが際立つエクステリアリフォーム

豊富な樹木のお手入れの負担軽減や車4台分の駐車スペースを確保したいことからお庭のリフォームを決意されたお施主さま。ヒアリングを進めるうちに、アプローチの長さや不揃いな階段の巾・高さが気になるという問題点も見つかりました。

雨の日でも滑りにくいようタタキ土や御影石など素材にも配慮し、安全性の観点から照明も設置。樹木のお手入れが軽減されるように植物の配置を見直しました。門・表札・フェンスも一新し、風情漂う和モダンなエクステリアに生まれ変わりました。
まとめ
庭のリフォームは、庭で何をして過ごしたいのか、庭をどのように見せたいのか考えることから始めるのがポイントです。その上で適切なプランニングを検討しましょう。
リビングサーラでは、門扉フェンス、駐車場、カーポート、ウッドデッキなどの建物敷地周辺の構造物や植栽など、エクステリア全般のリフォームを承っています。
また、ガーデニングやお庭での野菜栽培など、ご自宅で趣味の充実を図るご要望も急増しています。
多様なニーズに対応するために、お庭の演出プランも多数取り揃え、専門家が外観のバランスまで考慮した最善のプランをご提案。お客さまの大切なお庭作りから補助金の申請まで丁寧にサポートいたします。

■監修_リビングサーラ/施工管理担当者_資格:1級建築施工管理技士・2級建築士

WRITER PROFILE

高山 みさと
住宅・インテリア専門ライター。設計職の経験とインテリアコーディネーターの資格を活かして多くのメディアで記事を手掛けている。
築20年の戸建てに夫と息子の3人暮らし。実際にさまざまなリフォームを経験し、執筆にも活かしている。自分で設計したキッチンにリフォームするのが夢。