クッションフロアは後悔する?失敗を防ぐポイントや施工事例を紹介

安価に床を張り替えできる「クッションフロア」。水や汚れに強く、水回りに最適な床材ですが、デメリットがないか後悔しないか、気になるという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、クッションフロアのメリット・デメリットについて解説するとともに、後悔しないためのコツもご紹介。クッションフロアがおすすめの場所や施工事例もあわせて紹介するので、床材選びに迷われている方は参考にしてください。

目次
クッションフロアとは
クッションフロアとは、塩化ビニル製のシート状の床材です。中間層が発泡塩化ビニル素材のため、クッション性のある踏み心地が特徴となっています。
クッションフロアは耐水性に優れ、デザインが豊富という特性があることから、主に水回りの床材として幅広く使われています。
クッションフロアでよくある後悔やデメリット
クッションフロアは低コストにリフォームできる床材ですが、デメリットも少なくありません。クッションフロアの張り替えでよくある後悔ポイントを確認しておきましょう。
家具や物を置いた跡が残りやすい
クッションフロアはやわらかい素材のため、重い家具や脚の細い家具を長時間置いていると、その跡が床材に残ることがあります。
クッションフロアに一度ついた跡は元に戻りにくく、模様替えの際に困るケースも。クッションフロアの上に家具を置く場合は、保護シートを敷くといった対策をしておくと後々困りません。
耐久性が低い

クッションフロアは跡が残りやすいことに加え、傷がつきやすい、衝撃や熱に弱く変形しやすいといったデメリットもあります。クッション性があることはメリットでもありますが、耐久性に劣ることはデメリットと言わざるを得ません。
また、接着剤の劣化によって、クッションフロアが剥がれて浮いてくることもあります。張り替えの頻度によっては手間やコストがかさむかもしれません。
汚れがたまりやすい
クッションフロアは、表面に凹凸があるデザインも多くあります。凹凸部分には細かいホコリが溜まりやすく、汚れが沈着することもあるので注意が必要です。
清掃性を重視する場合は、表面が平滑なクッションフロアを選ぶと良いでしょう。
色味によってはゴミが目立つ

クッションフロアに限りませんが、床材が白っぽい色や明るい色の場合は、床に落ちた髪の毛やペットの毛など、黒っぽいゴミが目立ちやすくなります。
頻繁な掃除が難しい場合は、ゴミが目立ちにくいグレーやベージュ系の色を選んだほうが無難です。また、単色よりも柄が入ったデザインのほうが、ゴミが目立たないでしょう。
チープに見えることも
クッションフロアはデザインが豊富で、フローリングやタイル、石材など様々な素材を模したものが多く販売されています。
しかし、クッションフロアの素材そのものは塩化ビニル製のシートであり、見た目と質感が一致しないことからチープに感じてしまうことも。高級感や本物志向にこだわる場合は、他の床材を選んだぼうが良いかもしれません。
クッションフロアに張り替えるメリット
クッションフロアにはデメリットもありますが、耐水性に優れ、他の床材にはないデザイン性の高さが大きな魅力です。クッションフロアのメリットについても確認しておきましょう。
水や油汚れに強い
クッションフロアの素材である塩化ビニルは、水に強いという特性があります。
油汚れにも強く、床材に染み込むことがないので、キッチンをはじめとする多くの水回りで使われています。
お手入れが簡単

クッションフロアは水や油汚れをはじき、汚れをサッと拭き取れる清掃性の高さも魅力です。
シート状の床材で継ぎ目が少なく、汚れがたまる箇所が少ないこともメリットといえるでしょう(一部、表面に凹凸のあるデザインには注意が必要です)。
デザインが豊富

クッションフロアは、デザインのバリエーションが豊富なこともメリットです。木目調や石目調、タイル、幾何学模様など、多種多様なデザインが揃っています。
一般的なフローリングの空間では実現し難い、自由で個性的な空間を演出することが可能です。インテリアの選択肢が増えることもクッションフロアの魅力といえるでしょう。
安価にリフォームできる
クッションフロアの張り替えは、材料自体がリーズナブルなことに加え、施工も比較的容易です。
フローリングやタイルと比較して、クッションフロアは全体的に費用を抑えてリフォームできる床材といえます。
クッションフロアに張り替えて後悔しないためのコツ
クッションフロアに張り替えて後悔しないためには、サンプルで質感を確認したり、空間全体の調和を意識したりするなど、実際に張り替えたときをイメージして細かくチェックすることが大切です。
実物を見る

全ての建材にいえることですが、選定する際には「実物」を見ることが非常に重要です。
色やデザインは、カタログやWEB上でも確認できますが、実物と見え方が異なる場合が少なくありません。
また、質感についても実物を見て触らなければ、確認は難しいでしょう。
実物の確認は、サンプルの取り寄せやショールームの活用といった方法があります。リフォームを検討している場所にサンプルを置き、照明や光が当たったときの見え方を確認しておくと、イメージ違いを防ぐことができます。
清掃性も重視する
クッションフロアを選ぶ際には、デザイン性だけでなく、清掃性も重視することが大切です。汚れがつきにくいクッションフロアや汚れが目立ちにくいクッションフロアの特徴をピックアップしたので、参考にしてみてください。
- 表面に凹凸のない、平滑なクッションフロア
- グレー系やベージュ系のクッションフロア
- 単色ではなく、柄が入ったクッションフロア
お手入れ方法を確認する
クッションフロアの普段のお手入れは、まず掃除機やフロアシートなどでホコリやゴミを取り除き、次に雑巾で水拭き仕上げをします。
クッションフロアに取り除けない汚れがある場合は、薄めた中性洗剤で拭き取ります。その後、洗剤が残らないように水拭きをして仕上げましょう。
また、中性洗剤で取れない汚れがある場合は、クッションフロア専用のクリーナーを使うのもおすすめです。
ただし、研磨力のあるクリーナーは、表面の塩化ビニル層に傷を付けたり、その下の発泡層を傷めたりする可能性があるので使用は避けてください。
基本的にクッションフロアは水や油に強い床材ですが、べたつきや黒ずみが起きることもあります。汚れやすい場所や濡れやすい場所は、マットを敷いて対策しておくと安心です。
重量のある家具は置かない

クッションフロアは、へこみ跡や傷がつきやすく、耐久性に劣ることがデメリットです。重量のある家具を置くことや、脚の細い家具を置くことは避けたほうが良いでしょう。
やむを得ず、そのような家具を置く場合は、保護シートやクッション材などを挟んで、クッションフロアへの負担を軽減しましょう。
また、家具を移動する際には、引きずらないように持ち上げて運び、クッションフロアに傷がつくのを防ぐことも大切です。
空間全体の調和を意識する
クッションフロアのデザインを選ぶ際には、空間全体の調和を意識することが重要です。クッションフロア単体のデザインだけで決めてしまうと、張り替えた後に「壁紙と色が合わなかった」といったミスマッチが起こることも。
クッションフロアのデザインは、空間全体のトータルコーディネートを意識して選びましょう。
張り替えのタイミングを知っておく
クッションフロアには、耐久性が低いというデメリットがあります。耐用年数は6~10年程度といわれているので、10年が経ったら張り替えを検討しましょう。
特に、クッションフロアが剥がれてきたときは注意が必要です。剥がれた箇所から水が染みると下地の傷みやカビの原因になるので、早めに対処することをおすすめします。
クッションフロアがおすすめの場所3選
クッションフロアの特性やメリットが活きるおすすめの場所を3箇所ご紹介します。
トイレ

汚れやすく、清掃頻度の高いトイレは、クッションフロアがピッタリの場所です。
尿の飛び散りや水滴による汚れが日常的に発生するトイレでは、耐水性・耐汚性に優れたクッションフロアが床材として適しています。洗剤に強く、雑巾での拭き取りもしやすいので、日々の掃除の負担が軽減されるでしょう。
また、クッションフロアには「抗菌」や「消臭機能」を備えた高機能商品も多数展開されています。トイレ特有のアンモニア臭や湿気による嫌な臭いを軽減し、衛生的で快適な空間を維持するのに役立ちます。
洗面室

洗面台からの水ハネ、お風呂上がりの水滴など、床が濡れやすい洗面室にもクッションフロアが適しています。拭き取りが簡単で、湿気によるカビや雑菌の繁殖を抑制。清潔な洗面室を維持することができます。
また、洗面室は画一的な印象を受けやすい場所ですが、高級感のある石目調やモダンなタイル調など、個性的なクッションフロアを選ぶことで、おしゃれで垢抜けた空間にすることも可能です。
キッチン

キッチンは水だけでなく、油汚れや調味料の飛び散りなど、家の中で最も床が汚れやすい場所です。簡単に汚れを拭き取れるクッションフロアが重宝する場所といえます。
また、クッションフロアはやわらかくクッション性がある素材なので、フローリングやタイルに比べて食器が割れにくいというメリットもあります。足腰にかかる負担も軽減できるでしょう。
リビングダイニングと一体化したキッチンの場合は、キッチン部分にクッションフロアを取り入れることで、リビングダイニングとキッチンをゾーニングする役割も果たすことができます。
クッションフロアの事例紹介
リビングサーラの施工事例から、トイレ・洗面室・キッチンをご紹介します。
明るい北欧風のトイレにリフォーム


水回りの経年劣化を機にリフォームをご検討されたお施主さま。お風呂・トイレ・洗面室のリフォームをご依頼いただきました。
トイレは、タンク付きのトイレからタンクレストイレにリフォーム。手洗い器を新たに設置しました。
床のクッションフロアには、ナチュラルなヘリンボーン柄を選択。壁は森林をモチーフにしたアクセントクロスを採用し、明るい北欧風のトイレ空間になりました。
サーラのリフォーム事例:安心感のあるトイレ・浴室空間
明るく広い空間に見せるクッションフロア


浴室扉の故障をきっかけに、お風呂と洗面室のリフォームをご依頼いただいた事例です。
洗面室の狭さや暗さにお悩みでしたが、洗面台の交換とともにクッションフロアもリフォーム。明るい石目調のクッションフロアがシックな洗面台を引き立て、メリハリのある空間を演出しています。
サーラのリフォーム事例:空間を工夫してすっきり明るい浴室・洗面室へ
受け継いだキッチンを明るく使いやすくリフォーム


お母さまから受け継いだキッチンの使いづらさにお悩みだったお施主さま。キッチン扉の重さやプロペラ換気扇の掃除の大変さに戸惑われていました。
また、キッチンまわりの暗さにもお困りで、新設のキッチンは吊戸棚を設置せず、収納力のあるスライド式の収納にリフォーム。
床はグレーの石目調のクッションフロアを上張りし、明るく広々としたキッチンに生まれ変わりました。床材を上張りしたことで、入り口の段差も解消しています。
キッチン全体がまるで違う空間に変わったと大変お喜びいただいた事例です。
サーラのリフォーム事例:受け継いだキッチンを思い出とともに快適に
まとめ
クッションフロアを導入して後悔する理由には、傷・へこみ・汚れがつきやすいことが挙げられます。また、デザインが豊富というメリットがある反面、見た目と質感が一致せず、チープに感じてしまうケースも少なくないようです。
クッションフロアに張り替えて後悔しないためには、実際に張り替えたときをイメージして細かくチェックすることが大切です。クッションフロアの実物を確認すること、空間全体の調和を意識すること、お手入れを踏まえた上でのデザイン選びなどを確認しておきましょう。
クッションフロアは、安価で多彩なデザインがあり、フローリングとはひと味違う空間を演出できることが魅力です。水回りのインテリアのアクセントとして上手く活用してみてはいかがでしょうか。
サーラのリフォームでは、水回りの交換に伴うクッションフロアの張り替え工事を承っています。現状のお困り事を解消する最善のリフォームプランをご提案。お客さまの大切なお住まいを快適にするサポートをいたします。

■監修_リビングサーラ/施工管理担当者_資格:1級建築施工管理技士・2級建築士

WRITER PROFILE

高山 みさと
住宅・インテリア専門ライター。設計職の経験とインテリアコーディネーターの資格を活かして多くのメディアで記事を手掛けている。
築20年の戸建てに夫と息子の3人暮らし。実際にさまざまなリフォームを経験し、執筆にも活かしている。自分で設計したキッチンにリフォームするのが夢。