雨漏りしたらすぐに修理を!原因別の修理方法と費用相場

雨漏りしたらすぐに修理を!原因別の修理方法と費用相場

「天井にシミができている」「水が垂れている」などの症状は、雨漏りのサインです。
少しだから大丈夫だと放置すると家に重大なダメージを与えてしまうため、雨漏りが疑われるときにはすぐに業者に相談しましょう。

雨漏り修理にかかる費用は軽度だと3万円前後で済みますが、状態が悪化して大がかりな工事になると、200万円を超えることも。費用を抑えるためには、早急な対応が必要です。
そこで今回のコラムでは、雨漏り修理の原因別の費用相場や業者選びのポイントを説明します。雨漏りの可能性があるのなら、すぐに対処しましょう。

雨漏りに気づいたら、すぐにリフォーム会社に相談を!

シミやカビ、壁紙の剥がれ、水滴の付着、天井から水が垂れてくるなど、雨漏りのサインや程度はさまざまです。そのため雨の日に床が濡れてしまうほどの雨漏りでなければ、ひとまず水滴の拭き取りや防水テープでの対応で大丈夫だと考えるかもしれません。

しかし、雨水が室内にまで浸透してきている時点で、建物内部まで水濡れしてしまっているので、どのような症状であっても放置は危険です。

防水テープなどを使った対策は応急処置にしかならないので、すぐにリフォーム会社に相談して、雨漏りを修理してもらいましょう。

雨漏りを放置すると危険な理由

雨漏りを放置すると、次のようなリスクがあります。

構造部分まで腐食してしまう

木造住宅は継続的に雨水が侵入すると、柱や梁などの主要構造部分が水分によって腐食し始め、状態が進むと耐震性が低下してしまいます。その結果地震や台風などの自然災害時に本来の強度を発揮できず、倒壊のリスクが高まってしまうのです。

さらに湿気を含んだ木材はシロアリにとって格好の繁殖環境になるため、食害によって住宅に深刻なダメージを与える恐れもあります。

構造部分に影響が出てしまう可能性が高いことが、雨漏りの放置が危険だといわれる大きな理由です。

カビの発生によって健康被害が出る

雨漏りによって部屋の湿度が高くなると、カビが急速に繁殖します。

カビは見た目を損ねるだけではなく、胞子の飛散によって咳や鼻炎などのアレルギー症状やアトピー性皮膚炎を引き起こす要因となります。とくにアレルギー体質の方や小さなお子さん、高齢者などは健康被害を受けやすい傾向があるため、注意しなくてはなりません。

カビは発生から3週間ほどかけて部屋全体に広がっていきますが、湿度が高い部屋だと1週間足らずで一気に繁殖してしまいます。部屋全体にカビが広がってしまうと、雨漏り修理に加えてカビの除去費用や内装材の交換も必要になるため、早めの対処が重要です。

電気系統まで水漏れすると漏電してしまう

雨水が天井裏や壁内部を伝って絶縁体の隙間に入り込んでしまうと、漏電や電気回路に異常をきたす可能性があります。漏電が起こると家電の故障や停電を引き起こすだけではなく、感電や火災のリスクも高まるため、非常に危険です。

電気系統の修理や交換は電気工事士の有資格者しか行えないため、自分で対処しようとせず、必ずリフォーム会社に相談してください。

このように、雨漏りは見た目だけの問題ではありません。軽度でも応急処置で終わらせず、すぐに修理依頼をしましょう。

雨漏り修理を業者依頼するときの費用相場

雨漏り修理にかかる費用は、原因によってさまざまです。

軽微な修理なら数万円で済みますが、大がかりな修理になると数十万、数百万円かかることもあります。

ここでは、原因別の修理費用の相場を確認しておきましょう。

雨漏りの原因調査にかかる費用

雨漏りの原因は無料の目視点検によってわかる場合がほとんどですが、稀になかなか原因が突き止められないときがあります。

その場合は、特殊な道具を使って次のような方法で調査を行います。

  • 散水調査:発生箇所と思われる部分に水を流し込む
  • 赤外線調査:赤外線サーモグラフィーを用いて建物の温度差を調べる

それぞれの費用相場は以下のとおりです。

方法費用相場
散水調査5~35万円
赤外線(サーモグラフィー)調査18~50万円

方法によって5〜50万円とばらつきがありますが、費用が高いものほど精度も高いというわけではありません。雨漏りの発生箇所と疑われる部分に合わせて、適切な調査を行うことが重要です。

屋根からの雨漏り

屋根から雨漏りしている場合は状態によって0.5〜200万円と、費用にとても差がでます。

まずは工事内容ごとの費用相場を見てみましょう。

修理内容費用相場
コーキング補修1.5~5万円
漆喰の補修4~30万円
棟板金の交換4~20万円
谷樋の撤去・交換5~20万円
瓦のずれの修理・交換0.5~5万円
下地の補修・張り替え5~30万円
屋根の葺き替え100~300万円

※上記の費用以外に別途費用がかかる場合があります

部分的な補修なら数万円、下地の補修や交換が必要になると数十万円、屋根全体の交換(葺き替え)になると100万円を超える修理費用がかかります。

どのような修理が必要なのかは自己判断できないため、予算感を知るためにもまずはリフォーム会社に相談したほうがよいでしょう。

屋根の葺き替えについては下記コラム内で詳しく説明しているので、ぜひこちらも参考にしてください。

関連記事:屋根の葺き替えとは?交換が必要な状態と費用相場、工期は?

外壁からの雨漏り

外壁のひび割れや防水機能の低下によって、雨漏りが発生するケースもあります。

修理費用の相場は以下のとおりです。

修理内容費用相場
コーキング材の増し打ち2~20万円
コーキング材の打ち替え10~50万円
重ね張り(30坪)100〜200万円
張り替え(30坪)150~280万円

ひび割れが原因で雨漏りしている場合は、割れている部分に樹脂製のコーキング材を注入する形で補修を行うのが一般的です。ひび割れの上からコーキング材を重ねる『増し打ち』、または古いコーキング材を撤去してから新しいコーキング材を入れる『打ち替え』のどちらかで対応します。

ただし、ひび割れが広範囲にわたる場合や劣化が目立つ場合は、重ね張り(カバー工法)や張り替えを検討したほうがよいでしょう。とくに張り替えでは古い外壁材を撤去するため、構造材の状態を確認し、適切な修繕を行えます。

工事範囲が広がる分費用も高くなりますが、雨漏りの再発防止には効果的です。

ベランダ・バルコニーからの雨漏り

ベランダやバルコニーは雨風や紫外線にさらされているため、劣化しやすく、とくに雨漏りが起こりやすい場所です。主な原因にはコーキング材や防水シートの劣化、施工不良などが挙げられます。

修理費用の相場は以下のとおりです

修理内容費用相場
・コーキング材の打ち替え・塗装・防水処理3~20万円
下地材の補修25万円

原因に合わせた部分的な補修であれば3〜20万円程度で済みますが、下地材まで補修が必要になると、追加で25万円ほどかかります。

防水シートの耐用年数は10〜20年、防水塗装は10年程度で効果が薄れてくるので、新築や前回のリフォームから10年以上経っているのなら、補修に加えてシートの交換と塗装も行ったほうがよいでしょう。

窓枠・天窓(トップライト)からの雨漏り

コーキング材の劣化によって、窓枠や天窓から雨漏りするケースもあります。

修理費用の相場を見てみましょう。

修理内容費用相場
・コーキング材の打ち替え・窓枠の補修3~20万円
天窓の清掃3~4万円
天窓の交換、撤去20~90万円

コーキング材の打ち替えや窓枠の補修なら3〜20万円、天窓周りの汚れが原因の雨漏りなら、清掃するだけなので費用は3〜4万円程度と、比較的安価に対処できます。

一方、天窓の交換または撤去をともなう修理は大がかりな工事になるため、20〜30万円かかることが多く、屋根材の追加や足場が必要になると80〜90万円程度かかる可能性もあります。

高額な費用がかかってしまいますが、天窓は20〜30年ほどが寿命といわれているため、雨漏りを機に撤去するのも一案です。

屋上からの雨漏り

屋上からの雨漏りを修理するときの費用相場は、50〜100万円です。

施工面積が広い場合や耐久性に優れた防水材を使う場合には、100万円を超えるケースも多く、足場の設置が必要になると、さらに追加費用がかかります。

屋上から雨漏りする原因のほとんどが防水材の劣化ですが、稀に排水口(ドレン)の詰まりによる排水不良によって雨漏りするケースもあります。もし排水口が汚れているのなら、まずは掃除をしてみるとよいでしょう。

雨漏り修理には火災保険が適用されることも!

台風や大雨、地震のような自然災害によって雨漏りしてしまったときには、火災保険を使って修理できる可能性があります。

補償対象となるのは、主に次のようなケースです。

  • 暴風で屋根が傷つき、雨漏りした
  • 雹(ひょう)で屋根に穴が開いて雨漏りした
  • 暴風による飛来物が外壁にぶつかり、雨漏りした

一方で次のようなケースは、火災保険の対象になりません。

  • 経年劣化が主な原因と考えられるとき
  • 初期不良や施工不良によって雨漏りしたとき

自然災害後に雨漏りが発生したとしても、その原因が経年劣化によるものだと判断されれば、火災保険は適用されません。しかしその判断は保険会社に委ねられるため、まずは相談窓口に連絡し、状況を説明してみるとよいでしょう。

火災保険について詳しく説明した記事がありますので、ぜひこちらも参考にしてください。

関連記事:火災保険で雨漏りも安心?補償範囲と使い方の注意点まとめ

雨漏り修理を依頼するときの業者選びのポイント

雨漏り点検

雨漏り修理では不要な工事の提案や高額請求などのトラブルが多く発生しているため、業者選びがとても重要です。

次のようなポイントを意識しながら、依頼先を選びましょう。

すぐに対応してもらえるか

雨漏りは緊急性が高いので、対応スピードがとても重要です。

相談後になるべく早く現地調査を行ってくれるリフォーム会社に依頼しましょう。また、その際に応急処置の提案をしてくれるのかも、ポイントになります。

本格的な修理を行うまで少し時間がかかったとしても、応急処置をしておけば、被害の悪化を多少なりとも防ぐことができます。

ただし、飛び込みの訪問営業や、契約を急かす業者には注意が必要です。

緊急性があるとはいっても焦らずに、見積もり内容をよく見てから修理依頼を検討しましょう。

雨漏り修理の対応実績が豊富か

雨漏り修理では「外壁材を撤去したらシロアリの食害が見つかった」「軽微な雨漏りかと思ったら、構造部分まで腐食していた」などのイレギュラーが起こりがちです。その際に適切な対応ができるのかは、現場経験の多さで変わってきます。

業者選びで悩んだときは、雨漏りの対応実績が多く、口コミも多いリフォーム会社に相談しましょう。

見積書の内容が明確化されているか

信頼できるリフォーム会社は、詳細でわかりやすい見積書を提示します。

あいまいな表現や「一式」と簡易的にまとめた見積書を提出する会社は避け、工事内容と項目ごとの料金まで詳細に記載している会社を選ぶのがポイントです。

その際には具体的な材料名、数量、単価までしっかりと記載されているのかまで、しっかりと目を通してみてください。

また、前述のように雨漏り修理ではイレギュラーが起こりやすいので、その際の対応方針や追加費用の算出方法についても確認しておくと安心です。

まとめ

雨漏りの修理費用は原因や修理箇所によって異なりますが、軽微なものなら数万円〜数十万円ほどで修理できます。しかし「これくらいなら様子見で」と放置すると症状がどんどん悪化し、修繕費用が跳ね上がってしまいます。

雨が降ったときに少しでも雨漏りを疑うようなサインが出ているのなら、すぐにリフォーム会社に相談してください。

工事の依頼先を決める際には、対応スピードや資格の有無、対応実績の多さ・口コミ、見積書の内容などを比較しながら、検討するとよいでしょう。

『リビングサーラ』では雨漏り修理の対応はもちろん、家全体のフルリフォームも行っているため、大がかりな修繕までしっかりと対応いたします。

修理だけではなく他部分のリフォームも同時に行えますので、雨漏りでお困りの方は、まずはご相談ください。

■監修_リビングサーラ/施工管理担当者_資格:1級建築施工管理技士・2級建築士

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WRITER PROFILE

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井本 ちひろ

建築科系学科卒の住宅×金融専門ライター。
子供に「おかえり」が言える仕事を探してライターの道へ。
大学で得た経験とFP2級の知識を活かし、家づくり、水回り設備、エクステリア、火災保険、相続など、住宅にまつわる幅広い記事を中心に活動中。

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