【計画の第一歩】平屋のリフォームを始めるなら!費用相場と検討ポイントを徹底解説
「実家の平屋をリフォームしたいけど、費用がどれくらいかかるか不安…」「古い平屋を本当に子育てしやすい家に変えられるの?」
そんな悩みを抱えていませんか?
何も知らずにリフォームを始めると、予想外の出費で予算オーバーしたり、せっかくリフォームしても使いづらい間取りになってしまうこともあります。最悪の場合、補助金を受けられたはずなのに申請し忘れて数十万円も損をしてしまうこともありえるでしょう。
でも大丈夫です。
この記事では、
平屋リフォームの費用相場
リフォームに適した平屋について
リフォームで理想の平屋を実現するコツ をわかりやすく解説します。
読み終わる頃には、あなたも理想の平屋リフォームへの具体的な道筋が見えてくるはずです。ぜひ最後までお読みください。

目次
平屋をリフォーム・リノベーションするメリットは?

平屋の住まいには、暮らしを快適にするメリットがいくつもあります。たとえば安全性の高さや、生活動線の効率、構造的な自由度の広さなどです。平屋をリノベーションすることで、現代的なライフスタイルに合わせた住空間が手に入ります。ここではおもな5つの利点を紹介します。
安全性
平屋リフォームの最大のメリットは安全性の高さです。
安全性が高いといえる理由は以下の通りです。
- 階段がなく転倒のリスクが減る
- 建物の重心が低いため耐震性能が高い
階段がない平屋は、小さなお子様や高齢者にとって転倒リスクが大幅に軽減されます。特に高齢化社会において、バリアフリー化しやすい平屋は将来を見据えた住まいとして注目されています。
また、地震などの災害時にも、重心が低い平屋は構造的に安定しており、避難もスムーズです。築古の平屋であっても適切に耐震補強を行えば、二階建てよりも安全な家を実現できます。
2階建てよりもコストを抑えらえる
平屋リフォームは「2階建てと比較してコストを抑えやすい」というメリットがあります。
なぜコストが抑えやすいかというと、
- 外壁、屋根のメンテナンスが容易
- 配線や配管経路がまとめやすい
- 構造もシンプルでリフォームしやすい
といった特徴を平屋は持っているためです。
通常外壁や屋根のメンテナンスには足場が必要です。2階建ての場合は7-8mほどの高さの足場が必要です。
対して平屋は建物の高さが低いため、足場の規模が抑えられるのです。屋根形状やメンテナンス内容によっては足場が不要な場合もあります。
さらに二階建てと比べて仕組みがシンプルな平屋は、リフォーム時の工事も比較的スムーズに進むので、リフォーム費用が抑えられます。
またリフォームの後のメンテナンスコストも抑えられるため、経済的なメリットは大きいといえるでしょう。
コミュニケーションが取りやすい
平屋の大きな魅力は「家族のコミュニケーションが取りやすい」ことです。 すべての生活空間が同じフロアにあるため、家族の気配を常に感じられます。リビングから各部屋への動線が短く、自然と家族が顔を合わせる機会が増えます。
特に子育て世代にとっては、お子様の様子を見守りやすく、安心して家事をこなせます。また、高齢の親御様と同居する場合も、階段の上り下りがないため、日常的なサポートがしやすくなります。
光熱費が抑えやすい
平屋は「光熱費を抑えやすい」という経済的なメリットもあります。
ワンフロアで生活が完結するため、冷暖房効率が非常に良くなります。2階建てのように階段を通じて暖気が上昇したり、冷気が下降したりすることがなく、室内の温度を一定に保ちやすくなるのです。
また、上部に部屋がないので、トップライトや高窓で彩光計画が立てやすく、日中の照明使用を減らすことも可能です。
さらに、最新の断熱材を使用したリフォームを行えば、より一層の省エネ効果が期待できます。
月々の光熱費削減は、長期的に見ると大きな節約につながるでしょう。
間取り等の自由度が高い
平屋リフォームは「間取りの自由度が高い」という設計上の大きなメリットがあります。
2階の重量を支える必要がないため、構造的な制約が少なく、大胆な間取り変更が可能です。たとえば、広々としたLDKや、天井を高くした開放的な空間づくりも実現しやすくなります。
また階段もないため、スペースを有効に活用できます。
庭とのつながりを重視した設計や、趣味のスペースを充実させるなど、理想の暮らしに合わせた自由な空間づくりが楽しめるでしょう。
平屋のリフォームはどんな家に向いている?

平屋のリフォームは、すべての家に適しているわけではありません。リフォームを成功させるためには、以下の4つの条件を満たしている家が理想的です。
- 間取りの変更がしやすい家
- 法律的に問題がない家
- 新耐震基準で建てられた家
- 日当たり・通風がとれる家
それぞれ詳しく見ていきましょう。
間取りの変更がしやすい家
平屋リフォームに最も適しているのは、間取りの変更がしやすい構造の家です。
先に述べた間取りの自由度を最大限に生かせるような構造を選択すると理想の平屋を実現できます。
具体的には下記構造の平屋を選ぶのがおすすめです。
- 木造在来工法
- 鉄骨造
この2つの構造は柱や梁で建物を支えるように設計されています。そのため壁を撤去するなどの間取り変更に向いています。
対して鉄筋コンクリート(RC)造や木造壁式(2×4)工法は壁を構造体にして設計されている箇所があり、間取り変更に制約が生まれる可能性が高いです。
理想の間取りを実現するためにも、まずは現在の家の構造を把握することから始めましょう。
法律的に問題がない家
リフォームを行う前に、法律的な問題がないかを必ず確認する必要があります。
建築基準法では、建ぺい率や容積率、高さ制限など、さまざまな規制が定められています。築古の物件などは当時は問題なく建築できたけれども、法改正によって基準を満たさなくなった建物というものも存在するのです。これを「既存不適格物件」と呼びます。
既存不適格物件は現行の法律に沿った計画でしか再建築や大規模なリフォームが行えないので注意しましょう。
たとえば以下のケースなどは既存不適格物件に該当する可能性があるので要注意です。
- 旗竿地
- ほかの土地に囲まれている(袋地)
- 行き止まりの道に接している土地(袋小路の土地)
- 水路沿いにある土地
また築古物件は不動産会社に用途地域や建ぺい率や容積率がオーバーしていないかを確認しておくとよいです。
トラブルを避けるためにも、リフォーム計画の初期段階で、法的な問題をクリアにしておきましょう。
新耐震基準で建てられた家
平屋リフォームを検討する際は、建物が新耐震基準で建てられているかの確認が大切です。
新耐震基準とは1981年6月以降に建築確認を受けた建物に適用される基準で、震度6強から7程度の地震でも倒壊しない強度が求められています。
それ以前の旧耐震基準で建てられた家は、大規模なリフォームを行う際に耐震補強工事が必要になるケースが多く、リフォーム費用が高額になる傾向があります。
また家を購入してリフォームする場合、旧耐震基準の家は住宅ローンの審査が通りにくくなる点がデメリットです。
リフォーム費用を抑えて安全な住まいを手に入れたい場合は、新耐震基準の家でリフォームを検討するとよいでしょう。
日当たり・通風がとれる家
快適な平屋暮らしを実現するためには、日当たりと通風の良さが欠かせません。
平屋は2階建てと比べて建物の高さが低いため、周囲の建物や樹木の影響を受けやすいという特徴があります。南側に高い建物がある場合や、敷地が狭く隣家との距離が近い場合は、採光や通風の確保が難しくなります。
日当たりや通風の確保が難しい土地では生活に影響するだけでなく、外壁や屋根に苔が生えやすく、外壁材の劣化が進んでしまう点が問題です。劣化の進行が早いとメンテナンスサイクルが早くなり、修繕費用が通常よりも高くつく恐れがあります。
現在の日当たりや風通しの状況を把握して物件選びをしたり、どのような改善方法があるかを専門家と相談したりしながら計画を立てることが、理想的な平屋リフォームへの第一歩です。

平屋リフォームの種類と費用相場

ここまで平屋の家をリフォームして住む際のメリットやリフォームに適した平屋について解説しました。つづいて実際の平屋の家のリフォーム費用相場について部位別に解説していきます。
内装のリフォーム
内装のリフォームは、壁紙の張り替えや床材の変更、天井の改修など、室内の見た目や快適性を向上させる工事です。平屋の場合、2階建てと比べて施工面積が広くなることが多いため、全体的な費用は高くなる傾向があります。
内装リフォームのおおまかな相場目安は以下の通りです。
| リフォーム内容 | 単価 | 備考 |
| 壁紙(壁・天井)の張替え | 7,500円~x床面積(㎡) | 巾木・廻り縁も含む |
| 床・内壁・内部建具を含むリフォーム | 35,000円~x床面積(㎡) | 下地30%程度の補修も含む |
| 床・内壁・外部サッシを含む内装のフルリフォーム | 10,000円~x床面積(㎡) | 下地50%程度の補修も含む |
※撤去費含む。工事にかかる仮設・養生費用は別途必要。
※諸条件により費用は変わります。
上表)積算資料ポケット版リフォーム編2025|一般社団法人経済調査会をもとに筆者作成
リフォームする部屋の床面積がわかれば簡単にリフォーム費用が算出できますので、ぜひ参考にしてみてください。
外装のリフォーム
外装のリフォームには、外壁の塗装や張り替え、屋根の補修や葺き替えなどが含まれます。
30坪平屋の場合の外装リフォーム相場目安は以下の通りです。
| リフォーム内容 | 相場 | 備考 |
| 外壁塗装 | 850,000円〜 | シリコン塗装高圧洗浄含む |
| 外壁張替え | 2,750,000円〜 | サイディング張替え(中級グレード)想定 防水シート張替えシーリング工事含む |
| 屋根塗装 | 1,000,000円〜 | 化粧スレート塗装シリコン塗装高圧洗浄、下地調整、塗装後の仕上げ作業含む |
| 屋根葺き替え | 2,750,000円〜 | 粘土瓦の葺き替え防水紙、瓦桟打ち含む |
※足場費用含む。撤去作業で出た産廃処分費、養生費は含まれていません。
※諸条件により費用は変わります。
上表)積算資料ポケット版リフォーム編2025|一般社団法人経済調査会をもとに筆者作成
水廻りのリフォーム
水廻りのリフォームは、キッチン、浴室、トイレ、洗面所などの設備を新しくする工事です。
水廻りリフォームはメーカーやグレードによって費用が変動しますが、おおむね以下の相場感になります。
| グレード | キッチン | 浴室(1坪程度) | トイレ | 洗面 |
| ハイグレード | 1,900,000円〜 | 2,500,000円〜 | 550,000円〜 | ー |
| スタンダード | 1,300,000円〜 | 1,300,000円〜 | 450,000円〜 | 450,000円〜 |
※既存設備品の撤去、給排水配管、電気配線は含む。周辺の内装工事は含まれていません。
※諸条件により費用は変わります。
参考)積算資料ポケット版リフォーム編2025|一般社団法人経済調査会をもとに筆者作成
水廻り全体をまとめてリフォームする場合は、350~500万円程度を見込んでおくとよいでしょう。最新の設備に交換することで、節水・節電効果が期待でき、日々の家事負担も軽減されます。
構造体のリフォーム
構造体のリフォームは、建物の骨組みである柱や梁、基礎などを補強・改修する工事です。特に築年数の古い平屋では、耐震性能を向上させるための構造補強が重要になります。
費用は建物の状態や補強の範囲によって異なりますが、150~300万円程度が相場です。
耐震診断を行い、必要に応じて筋交いの追加や金物による補強、基礎の補強などを実施します。
平屋リフォームで理想の住まいを手に入れる5つのポイント
平屋リフォームを成功させるには、以下の5つのポイントを押さえることが重要です。
- 庭とのつながり・プライバシー確保を検討する
- 断熱・耐震性能をあげる
- 天井高を確保する
- デザインコンセプトを決めておく
- 信頼できる施工会社を見つける
それぞれ詳しく見ていきましょう。
庭とのつながり・プライバシー確保を検討する
平屋リフォームでは、庭とのつながりとプライバシー確保のバランスを考えることが大切です。平屋は地面に近い分、庭との一体感を演出しやすいメリットがあります。大きな窓や掃き出し窓を設置することで、室内から庭の景色を楽しめ、開放的な空間が演出可能です。
しかし、裏を返すと道路や隣家からの視線が気になるというデメリットにもなり得ます。そこで、植栽や目隠しフェンス、すりガラスなどを活用して、プライバシーを守りながら自然光を取り入れる工夫が必要です。また、窓の位置や高さを調整することで、外からの視線を遮りつつ、庭の緑を楽しめる設計も可能です。
リフォーム前に周辺環境をよく確認し、快適な住環境を実現しましょう。
断熱・耐震性能をあげる
平屋リフォームの機会に、断熱性能と耐震性能を向上させるのがおすすめです。
断熱性能を高めることで、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境を実現できます。壁や天井、床下に断熱材を充填したり、窓を複層ガラスに交換したりすることで、光熱費の削減にもつながります。
耐震性能については、築年数が経過した平屋では特に重要です。基礎の補強や筋交いの追加、耐震金物の設置などで、地震に強い住まいに生まれ変わります。また、屋根が軽い平屋は構造的に有利ですが、古い建物では劣化している可能性もあるため、専門家による診断を受けることが大切です。
安全で快適な暮らしのために、性能向上は欠かせません。
天井高を確保する
平屋リフォームでは、天井高を確保することで開放的な空間を演出できます。
2階がない分、天井を高くできるのは平屋ならではの魅力です。勾配天井や吹き抜けを採用することで、実際の床面積以上に広々とした印象を与えられます。
また、天井を高くすることで、採光や通風の面でもメリットがあります。高い位置に窓を設置すれば、プライバシーを保ちながら自然光を取り入れられるでしょう。
ただし、天井が高すぎると冷暖房効率が悪くなる場合もあるため、適切な高さの設定が重要です。梁を見せる「現し(あらわし)天井」にすれば、木の温もりを感じられる空間にもなります。
リフォーム時には構造的な制約も確認しながら、理想の天井高を実現しましょう。
デザインコンセプトを決めておく
リフォーム前にデザインコンセプトを明確にすることで、統一感のある美しい平屋に仕上がります。
たとえば
- 和モダン
- 北欧風
- ナチュラル
- インダストリアル
など、好みのスタイルを決めておきましょう。
コンセプトが決まれば、床材や壁材、建具の選択もスムーズになります。また、家族のライフスタイルに合わせた動線計画も重要です。キッチンからリビング、寝室への移動がスムーズになるよう、間取りを工夫しましょう。
色使いについても、全体のバランスを考えて配色を決めることが大切です。アクセントカラーを効果的に使うことで、メリハリのある空間になります。施工会社との打ち合わせでは、イメージ写真や雑誌の切り抜きなどを用意すると、理想を具体的に伝えやすくなります。
信頼できる施工会社を見つける
平屋リフォームを成功させるには、信頼できる施工会社選びが最も重要です。まず、平屋リフォームの実績が豊富な会社を探しましょう。施工事例を見せてもらい、デザインや仕上がりの質を確認することが大切です。
また、見積もりは複数社から取り、内容と価格を比較検討しましょう。極端に安い見積もりには注意が必要です。担当者とのコミュニケーションも重要なポイントです。要望をしっかり聞いてくれて、専門的なアドバイスをしてくれる会社を選びましょう。
アフターサービスの充実度も確認しておくと安心です。口コミや評判も参考にしながら、長く付き合える信頼できるパートナーを見つけることが、理想の平屋リフォームへの第一歩となります。
まとめ|平屋のリフォームで理想の暮らしを叶えよう
平屋リフォームについて、メリットから費用相場、成功のポイントまで詳しくご紹介してきました。
平屋は階段がなく安全性が高く、家族のコミュニケーションが取りやすい住まいです。光熱費も抑えやすく、間取りの自由度も高いため、理想の暮らしを実現しやすいのが魅力です。
リフォーム費用は内装・外装・水廻り・構造体によって異なりますが、事前に相場を把握しておくことで計画的に進められます。成功のポイントは、庭とのつながりやプライバシーの確保、断熱・耐震性能の向上、そして信頼できる施工会社選びです。
実家の平屋を子育て世代の住まいに生まれ変わらせる夢は、きっと実現できます。豊橋・豊川エリアで平屋リフォームをお考えなら、地域密着で豊富な実績を持つリビングサーラにご相談ください。補助金の活用方法から理想のプランまで、専門スタッフが丁寧にサポートいたします。

■監修_リビングサーラ/施工管理担当者_資格:1級建築施工管理技士・2級建築士
WRITER PROFILE
望月尚文
不動産関係に特化したWebライター。
不動産業歴10年以上。一級建築施工管理技士、二級建築士、宅地建物取引士の資格を保有。
平屋の家づくりに関するブログ「平屋の手引き」 (https://mochionoblog.com/)の運営者。
業界での経験と不動産に関わる専門資格を活かし、不動産取引や家づくりのノウハウを一般の方にわかりやすく解説します。