新設ガレージリフォームで暮らしが変わる!費用・事例・ポイントまとめ
大切な愛車の駐車スペースとしてだけでなく、自転車置き場や趣味のためのスペース、アウトドア用品の収納など、多彩な使い方ができる「ガレージ」。ガレージのある住まいに憧れながらも、新築時は予算や優先順位とのバランスで、泣く泣く設置を見送ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ライフスタイルが変化したり、資金に余裕ができたりしたタイミングで、後からガレージを新設する方が増えています。
この記事では、新築時に叶えられなかった「ガレージのある家」に憧れる方へ向けて、新設ガレージリフォームのポイント、注意点、費用相場などを解説。長年の夢を叶えた建築事例もご紹介します。

目次
そもそもガレージとは?

住まいの駐車スペースには、さまざまな種類があります。その中でも「ガレージ」とは、屋根付きで3方向以上を壁に囲まれた駐車スペースのこと。
ガレージには大きく、建物本体とは別に単独で設置する「独立型」と、建物の中に組み込まれる「ビルトインガレージ」の2種類があります。リフォームで後から設置する場合、独立型のガレージが基本となるでしょう。
ガレージを新設することで、住まいの資産価値がアップすることも。将来自宅を売却する際、物件の競争力や価格面で有利になるかもしれません。ただし、ガレージは固定資産税の課税対象となるケースもあるため、税負担が増える可能性がある点には注意が必要です。
新設ガレージリフォームに適したタイミング

後からガレージを新設するとなると、どのようなタイミングが適切なのでしょうか。ガレージを検討したい3つの時期をご紹介します。
資金面で余裕ができたとき
新築時に予算が足りずにガレージを諦めた場合であれば、資金面で余裕ができたときがガレージを新設するのにもってこいのタイミングです。例えば、次のようなタイミングで検討するとよいでしょう。
・年齢を重ねて、年収が高くなってきたとき
・子どもが就職して、教育費の負担がなくなったとき
・住宅ローンを完済して毎月の返済負担がなくなったとき
新たに車を購入したとき
新車を購入するタイミングでガレージを新設するのもいいでしょう。壁で囲まれたガレージに新車を駐車しておけば、雨風や飛来物から大切な愛車を守ることができます。また、出入り口にシャッターを設けることで盗難防止にもつながります。
ライフスタイルや家族構成が変化したとき
ライフスタイルや家族構成が変わるときも、ガレージ新設を検討するのにおすすめのタイミングです。
例えば、子どもが誕生するタイミングでガレージを設ければ、車を乗り降りする際の子どもの雨除けスペースやベビーカー置き場として使えます。子どもが成長すれば、自転車や部活用品の置き場としても重宝するでしょう。
子どもが独立したり、自身が定年を迎えたりしたタイミングでガレージを新設すると、大切な愛車やバイクの整備スペースとして使えるほか、DIYスペースやアウトドア用品の収納など、趣味を充実させるための秘密基地にもなります。
新設ガレージがもたらす2つのメリット

ガレージには、どのような魅力があるのでしょうか。自宅での生活をさらに豊かにしてくれる新設ガレージのメリットを見ていきましょう。
(1)愛車を良い環境で保管できる
ガレージを新設するメリットとして真っ先に考えられるのが、大切な愛車を良い環境で保管できることです。
ガレージは屋根と壁に囲まれているので、紫外線、雨、雪、強風などから愛車を守れます。鳥のフンや飛来物による汚れや傷も防げて、愛車を長持ちさせられるでしょう。洗車やコーティングによる効果が落ちにくく、いつでも愛車をきれいな状態に保てるうえ、メンテナンスコストを抑えられるというのもメリットです。
加えて、先述のとおり出入り口にシャッターを付ければ、防犯性能が向上し、愛車を盗難や車上荒らしから守れます。
(2)多彩な使い方ができる
ガレージは単に駐車スペースとしてだけでなく、さまざまな用途に使える点も魅力です。
面積を広めに取れば、作業テーブルや棚を置いて、愛車やバイクの整備に使うことが可能です。室内では難しいDIYの作業スペース、室内に持ち込みたくないアウトドア用品の置き場としても活用できます。天候に関係なく使えるので、子どもの遊び場や家族でBBQやおうちキャンプを楽しむためのスペースなどにも使えるでしょう。
ガレージという多彩に使えるマルチスペースがあれば、自宅での楽しみ方の選択肢が増えて、毎日が一層充実したものになります。
ガレージの使い勝手をアップする4つの設計の工夫

せっかくガレージを新設するなら、便利で使いやすいスペースにしたいものですよね。ここでは、ガレージの使い勝手を良くする設計の工夫をご紹介します。
開閉がラクな電動シャッター
愛車を盗難や車上荒らしから守るためには、ガレージの出入り口にシャッターを設置する必要があります。しかし、手動のシャッターだと毎回開け閉めするのが面倒になり、いつしか開けっぱなしになってしまうことも。電動シャッターを付ければ、荷物で手がふさがっているときや子どもを抱っこしているときでも、ボタンひとつで開閉できて便利です。
用途によって検討したい空調・換気、照明、断熱材
ガレージは壁に囲まれた閉鎖的な空間なので、排気ガスやにおい、ホコリがこもりがちです。内部の空気を清潔な状態に保てるよう、高性能な換気扇を設置するとよいでしょう。湿度が高いと車の劣化を早めることにもつながるため、湿気を効率的に逃がす観点からも、換気設備の設置は重要です。換気用の窓を設けてもいいですが、防犯や防音への配慮が必要になります。
また、愛車やバイクの整備をするには、照明があると安心です。明かりがあると、夜間の車の乗り降りにも重宝します。
ガレージを趣味スペースや子どもの遊び場などにも使いたい場合、換気に加えて、エアコンなど空調設備も導入したいところです。壁や屋根に断熱材を施しておけば、夏場や冬場も快適に使うことができます。
作業や掃除がしやすい床材
ガレージをさまざまな用途で使用するのであれば、床材選びにもこだわりましょう。車の重さにも耐えられるコンクリートの打ちっぱなしでもいいですが、エポキシ樹脂系の塗料を表面に塗布する「エポキシ塗装」を施せば、見た目が美しく仕上がります。
エポキシ塗装の床は油分や薬品に強いので、愛車の整備作業やDIYでの使用にも最適。水拭きで簡単に汚れを落とせて、きれいな状態を長持ちさせられます。
近年は「ガレージタイル」というタイル状の床材も人気です。DIYでも設置できるほど施工が簡単にもかかわらず、車の重さにも十分耐えられる、高い耐久性を誇ります。デザインが豊富なうえ、掃除もしやすいため、こだわりのデザインをいつまでもきれいな状態に保てる点も人気を集めるポイントです。
室内から直接出入りできる動線
雨の日でも濡れずに乗り降りできるのは、ガレージの魅力の一つです。しかし、住まいとガレージが離れていると、移動時に傘を差さなければならず、結局濡れてしまうことになります。
ガレージの利便性をアップしたいなら、住まいの近くに設置して、玄関や勝手口からのアクセスを良くしたり、室内から直接出入りできる動線を確保したりするのがおすすめです。室内からガレージへ行きやすい設計にすれば、趣味スペースや遊び場としてもより気軽に使えるでしょう。
新設ガレージリフォームの計画で注意すべきチェックポイント

魅力が満載のガレージですが、リフォームで新設するにあたってはいくつかの注意点も。ここでは、特に気をつけたい4つのチェックポイントについて解説します。
建ぺい率・容積率を確認する
屋根と壁で囲まれているガレージは、建築物扱いになるため、規模や仕様によっては建築確認申請が必要になります。その際、新設によって敷地の建ぺい率・容積率の制限に抵触しないか、事前に確認しておきましょう。
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積(上空から見たときの建物の面積)の割合のこと。容積率とは、敷地面積に対する延床面積(各階の床面積の合計)の割合のことをいいます。
建ぺい率と容積率は、用途地域ごとに上限が定められており、上限値を超える面積の建物は建てることができません。既存の住宅で建ぺい率や容積率の多くを消化している場合、ガレージを新設できない可能性があるので要注意です。
敷地境界との距離を確認する
民法第234条で「建物を築造するには、境界線から50cm以上の距離を保たなければならない」と定められています。同じく第236条で「規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う」とされているものの、自治体によっては条例で50cm以上の確保を義務付けている場合もあります。トラブルを避けるためにも、ガレージは原則、敷地境界線から50cm以上離して設置しましょう。
出典:e-GOV法令検索「民法」
車両の出入り角度や前面道路の幅員を確認する
いくら広いガレージを用意したとしても、車を出し入れしにくいようでは台無しです。前面道路の幅が十分にあるか、愛車の出入り角度に無理はないかといった点も考慮して、設計するようにしましょう。
なお、狭い道路に面している場合、建築基準法によりセットバックが義務付けられていることもあります。建築物扱いのガレージはセットバックの対象となるため、道路の中心線から2m以上離れた場所からしか設置できません。
防火地域や準防火地域に指定されていないか確認する
防火地域や準防火地域に指定されている敷地でガレージを新設する場合、屋根や外壁を耐火構造にすることや、一定の防火設備を設置するよう義務付けられます。設計前に、防火地域などの指定の有無、それに伴う制限内容を自治体へ確認しておきましょう。
地域ごとの条例を確認する
ガレージを新設するときには、地域ごとに定められた景観や騒音に関する条例などにも配慮しなければなりません。条例の設定の有無や制限の内容は自治体によって異なるため、事前に自治体窓口へ確認する必要があります。
とはいえ、「何を相談すればいいの」「自治体のどこに聞けばいいの」など、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめなのが、地元密着型のリフォーム会社へ相談するという方法です。地元での施工実績が豊富な会社は、自治体独自の条例にも精通しているので、安心して設計・施工を任せられます。ガレージ新設リフォームで迷っているなら、まずはお近くのリフォーム会社へ相談しましょう。
新設ガレージの費用相場

リフォームでガレージを新設する場合、どれくらいの費用がかかるのか、気になるところですよね。
独立型のガレージを敷地内に新設する際の費用相場は「100万〜300万円程度」が目安です。これは、車1台分の駐車スペースを確保する場合の費用感で、建物構造や設備・仕上げのグレードなどにより金額に幅があります。
「車2台分のスペースがほしい」「本格的な整備用の設備がほしい」など、大きさやグレードがアップするほど費用も高くなり、本格的なものになると数百万〜1,000万円以上かかるケースもみられます。
【事例紹介】長年の夢を形にした新設ガレージ

最後に、私たちリビングサーラが手がけた新設ガレージの事例をご紹介します。こちらの住まいのご主人は、バイクレースや車のチューンナップが趣味で、自宅に愛車を整備できるガレージを設置することが長年の夢でした。
そんな夢を叶えるべく、6m×6mほどの大きな独立型ガレージをリフォームで新設しました。大型のワゴン車とコンパクトカーの2台を置いても、十分に作業できる広いスペースが特徴です。

ガレージ内には、チューンナップ用の道具をたっぷりと収納できる棚を完備。側面にも出入り口を設けているので、住まいからのアクセスも便利です。すべての出入り口にはシャッターがあり、大切な愛車やバイクを最高の環境で保管できる、ご主人の夢の空間が実現しました。
まとめ
独立型のガレージは、リフォームで後から設置することも可能です。ガレージがあれば、駐車スペースとしてだけでなく、趣味スペース、収納、子どもの遊び場など多彩な使い方ができ、住まいの楽しみ方の幅が広がるでしょう。
ガレージの新設時には、関係法令による制限や建築確認申請といった気をつけるべきポイントがあります。特に、条例による制限内容は自治体によって異なるため、お住まいのエリアの規制に詳しい、地元のリフォーム会社に相談しながら進めるのが安心です。
西三河・豊橋・浜松エリアを拠点に数多くのリフォームを手がけるリビングサーラは、ガレージを含む外構リフォームの実績も豊富です。同エリアでガレージの新設を考えている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

■監修_リビングサーラ/施工管理担当者_資格:1級建築施工管理技士・2級建築士
WRITER PROFILE
藤田一太郎
宅地建物取引士・再開発プランナー
大手不動産デベロッパーで都心商業施設の運営管理・企画・リーシングなどを経験。再開発コンサルでリーシング・契約業務、都心や地方の再開発企画業務に携わる。現在は、不動産ライターとして活動する一方、日本茶インストラクターとして茶農家メンバーとしても活動中。