部屋のレイアウトにおける3つの基本|広さ別のレイアウト例も紹介

部屋のレイアウトにおける3つの基本|広さ別のレイアウト例も紹介

部屋の印象や暮らしやすさは、レイアウト次第で大きく変わります。生活動線や光の入り方などを意識し、家具選びや配置を工夫するだけで、同じ部屋でも格段に快適な空間になる可能性があるのです。

とはいえ、スペース不足・収納不足・間取りの使いにくさなどは、レイアウトだけで解決するには限界があります。そのような場合、間取り変更や内装リフォームで根本的に解決できるかもしれません。

この記事では、部屋のレイアウトにおける3つの基本的な考え方やレイアウト例を紹介するとともに、リフォームで解決できるレイアウトの悩みについてもお伝えします。

部屋のレイアウトで押さえたい3つの基本

部屋のレイアウトを考える際、押さえておくべき3つの基本ルールがあります。

(1)生活動線を意識する

(2)光の入り方を活かす

(3)家具の高さをそろえる

ここでは、それぞれのルールについて詳しく見ていきましょう。

生活動線を意識する

生活動線

部屋のレイアウトを決めるにあたって、使いやすさは何より大切なポイントです。家具や家電の配置を決める際は、「部屋の出入り口とテーブルやソファの間」「キッチンとリビングダイニングの間」など、日常的に使う生活動線を忘れずに確保しましょう。

生活動線の幅は60cm以上を基本とし、家族がよく使う動線に関しては80cm以上を目安にすると、ストレスなく移動できます。ダイニングチェアやワークスペースの後ろを動線にしたい場合は、椅子に人が座っている状態でも通行できるよう、1m程度のスペースを確保するのがおすすめです。

動線上に家具や家電を置かないようにすると、狭い部屋でもゆとりを感じられるでしょう。

光の入り方を活かす

光の入り方

心地よい部屋づくりには、日当たりの確保が欠かせません。例えば、背の高い家具や家電で日差しを遮ってしまうと、部屋全体が暗くなってしまい、快適性が損なわれてしまいます。こうした事態を防ぐためにも、自然光を上手に活かしたレイアウトを考えましょう。

窓から入る自然光を部屋全体に届けるため、大きな収納棚やテレビ台、家電などは壁際に置くのが基本です。窓の近くにはできるだけ家具を置かず、空間に余裕を持たせたいところです。こうすることで風通しもよくなり、外の新鮮な空気を室内に取り込みやすくなります。

家具の高さをそろえる

家具の高さをそろえる

部屋のレイアウトを決めるにあたっては、見た目の美しさにもこだわりたいところです。おしゃれな部屋に仕上げたいなら、空間に統一感を持たせましょう。

レイアウトにおいては、家具や家電の高さをそろえることが大切です。背の高い家具と背の低い家具がバラバラに置かれていると、視線が上下に散らばってしまい、ちぐはぐな印象になってしまいます。

部屋の中央部はできるだけ背の低い家具で統一し、背の高い家具は壁際に配置しましょう。そのうえで、中央部と壁際それぞれの家具の高さを合わせることで、部屋全体をすっきりと見せられます。

おしゃれな部屋をかなえるレイアウトのポイント

レイアウトの3つの基本を紹介しましたが、おしゃれな部屋をかなえるには、さらに意識したいポイントがあります。次に紹介する3点を押さえれば、よりスタイリッシュでおしゃれな部屋を演出できるでしょう。

空間をゾーニングする

「ゾーニング」とは、用途や過ごし方に応じて、空間の中を区切ることをいいます。壁や大きな家具を設置して物理的に空間を分ける方法もありますが、視線が遮られ、空間に圧迫感が出てしまいます。

おしゃれな部屋にするなら、ラグマットや背の低い家具、ソファなどを使って、緩やかに空間を区切るのがおすすめです。ラグマットを敷いた場所はゆったりとくつろぐ空間、背の低いラックの反対側は食事を楽しむ空間など、場所ごとの役割を明確にすることで部屋全体が引き締まります。

適度に余白を残す

壁の余白

スペースが限られている場合はもちろん、スペースに余裕がある場合でも、家具や家電を置きすぎるのはおすすめしません。どのような空間でも、レイアウトには「余白」を残すようにしましょう。

余白を残すために意識すべきポイントは、「床を多く見せる」「壁を多く見せる」という2点です。具体的には、床が見える部分の割合を全体の「2/3」、壁が見える部分の割合を全体の「8〜9割」にするのがよいとされます。

少し物足りないように感じるかもしれませんが、アイテムを置きすぎず、余白を楽しむレイアウトにすることがおしゃれな部屋の外せない条件です。

「フォーカルポイント」を設ける

フォーカルポイント

部屋で過ごすとき、視線や興味を集める注視点のことを「フォーカルポイント」といいます。フォーカルポイントがあると、視線が自然とそこに集まり、部屋にリズムと「見どころ」をつくれるのです。

適度に余白を残すことが大切と紹介しましたが、フォーカルポイントがあってこそ、余白が活きるといえます。例えば、白い壁にアートを飾ったり、窓際に観葉植物を置いたりといった工夫が代表的です。

また、部屋の角や上部にフォーカルポイントを設けると、空間に奥行きを持たせることもできます。

【広さ別】リビングダイニングのレイアウト例

ここまでお伝えした内容を踏まえ、暮らしやすいリビングダイニングのレイアウト例を見てみましょう。二人暮らし向けの12畳、小さなお子様のいる三人家族向けの15畳、四人家族向けの18畳のレイアウト例を順番に紹介します。

【12畳】二人暮らしのレイアウト例

レイアウト例1

マンションでよく見られる、縦長12畳のLDKのレイアウト例です。キッチンに対して垂直にダイニングテーブルを設置し、背面の壁側に背の高い壁付け収納を配置しています。

窓側にはソファを配置するとともに、下に大きめのラグマットを敷くことで、ダイニングスペースとの間を緩やかに区切っているのが特徴です。その正面にテレビ台を配置しており、日中は自然光が差し込む中、ゆったりと心地よく過ごせるレイアウトです。

【15畳】小さなお子様のいる三人家族のレイアウト例

レイアウト例2

次に紹介するのは、縦長15畳のLDKのレイアウト例です。小さなお子様のいる三人家族で暮らす場合のレイアウトとなっており、キッチンに対して垂直にダイニングテーブルを配置しているのは、1つ目の例と共通しています。

窓側にはソファを設置し、その壁側にはワークスペースを設けました。小さなお子様の様子を見ながらでも、仕事や作業に集中できるよう工夫されています。

12畳の場合に比べ、ラグマットで区切ったリビング部分が広くなっているのも特徴的です。何も置かないスペースを広く取ることで、お子様を安心して遊ばせられるでしょう。

【18畳】四人家族のレイアウト例

レイアウト例3

最後に紹介するのは、18畳のLDKのレイアウト例です。部屋はL字型で、四人家族が暮らすことを想定しています。

入口すぐの部分がキッチンになっており、キッチンカウンターから連続してダイニングテーブルを配置した「横並びダイニング」になっています。背面はキッチン収納からダイニング収納へとつながっていて、窓に近いところはワークスペースです。こうしたワークスペースは、お子様が宿題や読書をするスタディスペースとしても活用できます。L字型の下辺部分はリビングです。

このようにL字型のLDKは、リビングとダイニングキッチンをゾーニングしやすいのが魅力といえるでしょう。

レイアウトの限界は「リフォーム」で解決|具体例4選

レイアウトを変えるだけで部屋の雰囲気や使い勝手を見直すことができますが、悩みの種類によっては、レイアウトだけでは解決できないケースもあります。レイアウト変更では限界があるとき、解決策として考えられるのが「リフォーム」です。どのようなケースでリフォームが効果的なのか、4つの具体例を紹介しましょう。

リビングが狭くて家具が置けない

レイアウト部屋

そもそもリビングが狭くて、ソファや収納棚を設置できない場合、たとえ家具の配置を変えたとしても圧迫感は解消できません。このようなときには、間取り変更リフォームで隣接する和室などをリビングと一体化するのがおすすめです。

特に2LDK以上のマンションでは、窓側にリビングと個室が並んで設置されている間取りがよく見られます。2つの部屋間の仕切り壁をなくすことで、広々と開放的なリビングダイニングを実現できるでしょう。

部屋に光が入りにくい

部屋そのものの採光に不満がある場合、レイアウトを変えたところで根本的な解決にはなりません。課題を解決するには、窓を増やして自然光をより多く取り込む必要があります。

戸建てであれば窓を増やせる可能性もありますが、マンションでは難しいケースがほとんどでしょう。採光窓を増やすのが困難なときは、部屋の間に室内窓を設けるのがおすすめです。採光窓のある部屋との間に室内窓があれば、自然光を奥の部屋まで届けられるようになります。

収納不足で散らかってしまう

ソファーとオープンシェルフのある室内 待合

収納不足も住まいでよくある悩みの一つです。悩みを解消する最も手軽な方法は収納家具を増やすことですが、どうしても空間に圧迫感が出てしまいます。

居住スペースをできるだけ維持しながら収納力をアップするには、リフォームで造作の壁付収納を設置するのが効果的です。デッドスペースになりがちな壁面を収納として活用すれば、貴重な生活スペースを維持したまま、おしゃれで大容量の収納を確保できます。

部屋の形が使いにくい

部屋の形がいびつだったり、奥行きがありすぎたりすると、広さはあってもレイアウトを考えにくいケースがあります。部屋のつくりそのものの問題なので、家具配置だけで解決するのは難しいでしょう。

こうした場合も間取り変更リフォームがおすすめです。隣接する部屋と一体化したり、水まわりや廊下の位置を変更したりすれば、部屋を使い勝手のいい形に見直せるかもしれません。

まとめ

部屋のレイアウトを見直すだけで、日頃感じている使い勝手や居心地の悪さを解消できる可能性があります。今回紹介した3つの基本ルールとおしゃれな部屋づくりのポイントを参考に、今一度お住まいのレイアウトを見直してみてはいかがでしょうか。

とはいえ、レイアウトだけでは解決できない課題もあります。そのような課題を抱えているなら、間取り変更リフォームや内装リフォームを検討しましょう。

リフォームを希望される方と建築家・インテリアデザイナーをマッチングサービスする、リビングサーラの「くらすコンシェル」を活用すれば、お客様の細かなご要望やこだわりを形にしてくれる、頼りになるプロをきっと見つけられます。ご自宅の課題を根本的に解決したい方は、ぜひリビングサーラまでお気軽にご相談ください。

「くらすコンシェル」について詳しくはこちら

■監修_リビングサーラ/施工管理担当者_資格:1級建築施工管理技士・2級建築士

資料請求・お問い合わせはこちらから

WRITER PROFILE

アバター画像

大手不動産デベロッパーで都心商業施設の運営管理・企画・リーシングなどを経験。再開発コンサルでリーシング・契約業務、都心や地方の再開発企画業務に携わる。現在は、不動産ライターとして活動する一方、日本茶インストラクターとして茶農家メンバーとしても活動中。

RELATED

  • ブラインドとカーテンならどっち?費用・機能・部屋別の選び方を解説

    ブラインドとカーテンならどっち?費用・機能・部屋別の選び方を解説

  • 新設ガレージリフォームで暮らしが変わる!費用・事例・ポイントまとめ

    新設ガレージリフォームで暮らしが変わる!費用・事例・ポイントまとめ

  • デマンドレスポンスって何?優しく解説します

    デマンドレスポンスって何?優しく解説します

  • オープンキッチンのメリットとデメリットは?使い勝手をよくするためのポイントを解説

    オープンキッチンのメリットとデメリットは?使い勝手をよくするためのポイントを解説

  • 暮らしの中の段差、どう乗り越える?

    暮らしの中の段差、どう乗り越える?

  • 【2025年最新】内装リフォーム完全ガイド!種類・費用相場・注意点・施工事例などを徹底解説

    【2025年最新】内装リフォーム完全ガイド!種類・費用相場・注意点・施工事例などを徹底解説

<