キッチンの壁は必要?壁が必要な理由と素材選び・お手入れのコツを解説

キッチンの壁は必要?壁が必要な理由と素材選び・お手入れのコツを解説

「キッチンの壁、どの素材を選べばいいの?」「油汚れが落ちにくくて困っている」「おしゃれにリフォームしたいけど、何に気をつければいいかわからない」

キッチンの壁について、このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。適切な壁材を選ばないと、油汚れやカビが付きやすくなり、毎日の掃除が大変になってしまいます。また、デザインだけで選んでしまうと、建築基準法の規制に適合せず、リフォーム後にトラブルになる可能性もあるでしょう。

この記事では、キッチンの壁が持つ重要な役割から、タイルやキッチンパネルなど素材ごとの特徴、効果的な掃除方法までくわしく解説します。正しい知識を身につけることで、掃除の手間を減らし、安全で快適なキッチンを実現できるでしょう。

サーラのリフォームCTA

キッチンの壁はなぜ重要?

木目の壁

キッチンの壁は、毎日の料理を快適にするために欠かせない要素です。主な役割としては以下の3点があります。

  • 汚れ防止
  • デザイン性
  • 安全性

それぞれがキッチン空間の使い勝手と快適性を大きく左右します。そのため、キッチンの壁選びは慎重に行うべき大切なポイントなのです。

それぞれについて以降でわかりやすく解説します。

汚れ防止

キッチンの壁は、調理中に発生する油・水ハネから部屋を守ります。

コンロで料理をすると、目に見えない細かな油の粒子が飛び散り、壁に付着します。この油汚れは放置すると固まってしまい、掃除が非常に困難です。また、シンク周りでは水はねによって水垢が発生し、湿気がこもるとカビの原因にもなります。

壁材の選び方次第で、汚れの付きやすさや落としやすさが大きく変わります。掃除の手間を減らしたい方は耐水性や耐油性に優れた素材を選ぶことが大切です。

適切な壁材を使用することで、キッチンを清潔に保ちやすくなり、毎日の家事負担を軽減できるでしょう。

デザイン面で印象が変わる

キッチンの壁は、空間全体の雰囲気を決める重要なデザイン要素です。

壁の色や素材、質感によって、キッチンの印象は大きく変わります。たとえば、白やベージュなどの明るい色を選ぶと清潔感のある空間になり、タイルを使えばカフェのようなおしゃれな雰囲気の演出が可能です。また、キッチンはリビングやダイニングとつながっていることが多いです。キッチンの壁は家全体のデザインとのバランスも考えるとよいでしょう。

近年では、一部の壁だけ色や素材を変えるデザインも人気です。自分好みのスタイルに合わせて壁材を選ぶことで、料理をするのが楽しくなるような、お気に入りのキッチン空間を作れます。

法律上大切な部分

キッチンは建築基準法において「火気使用室」に分類されており、壁の仕上げには厳しい規制があります。

これは火災を防ぐための重要な安全基準で、コンロなどの火を使う設備の周辺は、燃えにくい素材で仕上げることが法律で義務付けられています。この規制は「内装制限」と呼ばれ、具体的には不燃材料や準不燃材料の使用が必要です。

一般的なキッチンパネルやタイル、ステンレスなどは基準を満たしていますが、通常の壁紙や木材などは使えない可能性があるので注意しましょう。とくにDIYを行う際は、見た目だけでなく法律上の基準もクリアしているかの確認が大切です。

安全性を確保しつつ、理想のキッチンを実現しましょう。

キッチン壁材の種類と特徴

キッチン壁材

キッチンの壁材には、おもに4つの種類があり、それぞれに異なる特徴があります。

  • タイル
  • キッチンパネル
  • クロス
  • 塗装、モルタル

選ぶ素材によって、掃除のしやすさ、見た目の印象、費用が大きく変わります。それぞれの特徴を理解して、自分のキッチンに合った壁材を選びましょう。

タイル

タイル

タイルは陶器やガラスでできているため、熱や水に強く、長期間使用しても劣化しにくい素材です。油汚れも表面を拭くだけで落としやすく、衛生的に保てます。

たとえば、モザイクタイルやサブウェイタイルなど、デザインのバリエーションが豊富で、キッチンをおしゃれに演出できます。ただし、目地部分に汚れが溜まりやすく、定期的な掃除が必要です。また、施工費用は他の素材と比べてやや高めになる傾向があります。

キッチンパネル

キッチンパネル

キッチンパネルは継ぎ目が少なく表面がフラットなため、油汚れを簡単に拭き取れます。耐熱性・耐水性にも優れており、近年では1番使用されているコンロ周りに最適な素材です。

たとえば、ステンレス製やメラミン化粧板、ホーロー製など種類が豊富で、予算や好みに合わせて選べます。施工も比較的簡単で、DIYでの取付けも可能です。ただし、デザインの選択肢はタイルほど多くなく、シンプルな見た目になりやすい点には注意が必要です。

クロス

クロス

壁紙とも呼ばれるクロスは、最も安価な壁材で、柄や色のバリエーションが非常に豊富です。張り替えも比較的簡単なため、模様替えを楽しみたい方に適しています。

たとえば、キッチン用の防汚・撥水加工されたクロスを選べば、ある程度の汚れには対応できます。

ただし、コンロ周りなど熱や油汚れが激しい場所には向いていません。水拭きを繰り返すと剥がれやすくなるため、汚れが付きにくい場所や、キッチンパネルなどと組み合わせての使用がおすすめです。

塗装、モルタル

モルタル

塗装は好きな色を選べるため、オリジナリティのあるキッチン空間を作れます。モルタルは無機質でスタイリッシュな質感が特徴で、カフェ風やインダストリアル系デザインに合う素材です。

たとえば、珪藻土や漆喰などの自然素材を使った塗装は、調湿効果があり快適な空間を作り出します。ただし、塗装やモルタルは表面に凹凸があるため、油汚れが染み込みやすく掃除に手間がかかります。コンロから離れた場所に使用するなど、場所を選んで採用するとよいでしょう。

お手入れ・掃除のコツ

お手入れ

キッチンの壁を清潔に保つには、汚れの特性に合わせた掃除方法を実践することが大切です。主なポイントは以下の3つです。

  • 油汚れには油を溶かす洗剤を使う
  • ホコリの付着を放置しない
  • 定期的なお手入れを習慣化する

それぞれについて、くわしくみていきましょう。

油汚れには油を溶かす洗剤を使う

キッチンの壁の汚れは、調理中に飛び散った油が主な原因です。この油汚れを効果的に落とすには、油を溶かす性質を持つ洗剤を選ぶことが重要です。

油汚れには中性洗剤やアルカリ性の洗剤、重曹などが適しています。汚れが軽いうちは中性洗剤をスプレーして拭き取るだけで十分ですが、頑固な汚れには重曹を水で溶いたペースト状のものを塗布し、数分置いてから拭き取ると効果的です。

素材によって使える洗剤が異なる場合があるため、目立たない場所で試してから使用しましょう。

ホコリの付着を放置しない

油汚れにホコリが付着すると、汚れが層になって落ちにくくなります。さらに、ホコリが付着したまま湿気の多い環境で放置すると、カビが発生する原因にもなります。

キッチンは水蒸気が発生しやすく、湿度が高くなりがちな場所です。調理後は換気扇を回し続けるか、窓を開けて換気を行い、壁の表面に湿気がこもらないようにしましょう。

また、定期的に乾いた布やハンディモップで壁のホコリを払っておくと、油汚れとホコリが混ざった頑固な汚れを防げます。

定期的なお手入れを習慣化する

壁の汚れは時間が経つほど落としにくくなるため、定期的な掃除が効果的です。

理想的には週に1回程度、少なくとも月に2回は壁全体を拭き掃除することをおすすめします。とくにコンロ周りは油が飛び散りやすいため、調理後に軽く拭く習慣をつけるとよいでしょう。

汚れが軽いうちに対処することで、掃除にかかる時間と労力を大幅に減らせます。また、素材によっては専用のコーティング剤を使用すると、汚れが付きにくくなり、日々のお手入れがさらに手軽になります。

まとめ

キレイなキッチン

キッチンの壁は、汚れ防止・デザイン性・安全性の3つの重要な役割を持っています。壁材には、タイル、キッチンパネル、クロス、塗装・モルタルなどの種類があり、それぞれに異なる特徴があります。タイルはデザイン性が高く、キッチンパネルは掃除がしやすく、クロスは安価で種類が豊富です。

壁を清潔に保つには、油汚れに適した洗剤を使用し、ホコリの付着を放置せず、定期的なお手入れを習慣化することが大切です。また、キッチンは火気使用室として建築基準法の規制があるため、リフォームの際は不燃材料や準不燃材料を選ぶ必要があります。

キッチンの壁選びやリフォームでお悩みの方は、専門知識を持つサーラリフォームにご相談ください。プロのアドバイスを受けることで、安全性や機能性、デザイン性を確保した理想のキッチンを実現できます。

サーラのリフォームCTA

■監修_リビングサーラ/施工管理担当者_資格:1級建築施工管理技士・2級建築士

資料請求・お問い合わせはこちらから

WRITER PROFILE

アバター画像

不動産業歴10年以上。一級建築施工管理技士、二級建築士、宅地建物取引士の資格を保有。
平屋の家づくりに関するブログ「平屋の手引き」 (https://mochionoblog.com/)の運営者。
業界での経験と不動産に関わる専門資格を活かし、不動産取引や家づくりのノウハウを一般の方にわかりやすく解説します。

RELATED

  • 停電時の対策と発電・蓄電設備

    停電時の対策と発電・蓄電設備

  • シロアリがいるかどうかの見極め方は?住まいに寄せ付けない方法などを建築士が徹底解説

    シロアリがいるかどうかの見極め方は?住まいに寄せ付けない方法などを建築士が徹底解説

  • 部屋のレイアウトにおける3つの基本|広さ別のレイアウト例も紹介

    部屋のレイアウトにおける3つの基本|広さ別のレイアウト例も紹介

  • ブラインドとカーテンならどっち?費用・機能・部屋別の選び方を解説

    ブラインドとカーテンならどっち?費用・機能・部屋別の選び方を解説

  • 新設ガレージリフォームで暮らしが変わる!費用・事例・ポイントまとめ

    新設ガレージリフォームで暮らしが変わる!費用・事例・ポイントまとめ

  • デマンドレスポンスって何?優しく解説します

    デマンドレスポンスって何?優しく解説します

<