【表で解説】クロス張替えの相場はいくら?建築のプロが広さや素材別にわかりやすく解説
「クロスの張替えをしたいけど、費用はどれくらいかかるの?」「6畳の部屋だといくらぐらい?」「見積もりをもらったけど、この金額は適正なの?」
クロス張替えを検討する際、多くの方がこのような疑問を抱えています。相場を知らないまま業者に依頼してしまうと、相場より高い金額で契約してしまったり、後から追加費用を請求されたりするリスクがあります。また、クロスの種類による価格差を理解していないと、予算オーバーになってしまうこともあるでしょう。
この記事では、クロス張替えの相場を部屋の広さ別・素材別にわかりやすく解説します。さらに、見積もり時に注意すべきポイントや費用を抑えるコツもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

目次
クロス張替えの相場【早見表】

まずはクロス張替えの相場について解説します。一般の方でもわかりやすいように、部屋の広さ別の費用相場についてまとめました。
【広さ別クロス張替え相場 早見表】
| 部屋の広さ | 施工面積の目安 | 張り替え相場※SP~AA |
| 6畳 | 約35〜40㎡ | 45,000円〜70,000円 |
| 8畳 | 約45〜50㎡ | 55,000円〜105,000円 |
| 10畳 | 約50〜55㎡ | 65,000円〜120,000円 |
| 12畳 | 約60〜70㎡ | 75,000円〜150,000円 |
※施工面積は壁面と天井を含めた目安です。実際の面積は部屋の形状や天井高により異なります。
※養生費、諸経費などを含んだ金額です。
※大掛かりな下地補修、特殊な形状の部屋や高所作業などは別途追加費用がかかる場合があります。
クロスの素材別でみる費用の違い【単価表】

早見表をみた際に、相場の開きが大きいと感じた方もいるでしょう。実はクロスの張替え費用は、選ぶ素材によって大きく変わるのです。
クロスの種類には大きく分けて「量産クロス」「機能性クロス」「デザインクロス」の3種類があり、それぞれ価格帯と特徴が異なります。ご自身の予算や目的に合わせて選べば、予算を抑えての工事も可能です。以下、それぞれの単価相場を解説します。
【クロス素材別単価表】
| クロスの種類 | 1㎡あたりの単価(材工) | おもな特徴 |
| 量産クロス(ビニール系) | 1,100円〜1,600円 | 最も一般的でコスパ良好 |
| 機能性クロス | 1,400円〜1,850円 | 防汚・防カビ・調湿・抗ウイルス機能付き |
| デザインクロス(輸入・織物・紙系) | 2,000円〜3,500円以上 | 高級感があり個性的なデザイン |
量産クロス(ビニール系)
量産クロスは最も一般的で、費用を抑えたい方におすすめの選択肢です。ビニール製で耐久性があり、色や柄のバリエーションも豊富に揃っています。
新築マンションや賃貸物件でも広く使用されており、コストパフォーマンスに優れた素材といえます。初めてのクロス張替えや、予算を抑えたい場合には最適な選択肢となるでしょう。
機能性クロス
機能性クロスは、特殊な加工が施されたクロスです。
代表的な機能クロスには以下のものがあります。
- 防汚機能付き
- 防カビ機能付き
- 調湿機能付き
- 抗ウイルス機能付き
量産クロスより高いため、水回りやペット・子供がいるリビングなど、部分的に使用するのがおすすめです。
デザインクロス(輸入・織物・紙系)
デザインクロスは、空間に個性や高級感を演出したい方向けの選択肢です。1㎡あたり2,000円〜3,000円以上と、素材によって価格幅が大きくなります。輸入クロスは海外ブランドの洗練されたデザインが魅力で、織物クロスは布の質感が温かみのある空間を作り出します。紙系のクロスは自然素材ならではの風合いがあり、エコ志向の方にも人気です。
アクセントウォールとして一面だけに使用することで、費用を抑えながらおしゃれな空間を実現できます。ただし、素材によっては汚れやすいものもあるため、使用場所を慎重に選びましょう。
張替えを検討するタイミング

クロス張替えを検討すべきタイミングには、いくつかの目安があります。
具体的には以下のポイントをチェックしましょう。
- クロスを張ってから10年経過している
- 変色や汚れがある
- 剥がれ・継ぎ目の浮きなどが目立つ
- ひび割れがある
上記状態は経年劣化でクロスの接着能力低下やクロス自体の劣化が進んでいるサインです。そのまま放置していると、はがれやひび割れが進行し、どんどん目立っていきます。
生活自体に影響を及ぼすことはありませんが、古びた印象を与えてしまいます。クロスを張替えると、部屋を明るく清潔にみせる効果が期待できるので、上記サインを見つけたら張替えを検討するとよいでしょう。
見積もり時に注意すべきポイント

クロス張替えの見積もりを依頼する際には、いくつかの重要なチェックポイントがあります。
見積書の内容を正しく理解することで、後から予想外の追加費用が発生するトラブルを防ぐことができます。具体的には、下地補修費用の有無、古いクロスの処分料、諸経費の内訳、そして施工範囲の明確化が重要なポイントです。それぞれ詳しくみていきましょう。
補修費用がかかるケースも理解しておく
まず注意したいのが「下地補修に追加費用がかかる場合がある」点です。
クロスを剥がした際に、下地の石膏ボードに穴や凹みがあると、そのまま新しいクロスを貼ることはできません。パテ処理や下地調整が必要になり、1箇所あたり数千円から1万円程度の追加費用が発生します。築年数が古い物件や、以前に画鋲やフックを多く使用していた壁面では、補修箇所が増える可能性があります。見積もり段階で「下地補修費用は別途」と記載されている場合は、現地調査後に金額が変わる可能性があることを理解しておきましょう。
剥がしたクロスの処分料が含まれているか確認
次に確認すべきは「古いクロスの処分料が見積もりに含まれているか」です。
クロス張替えでは、既存のクロスを剥がして産業廃棄物として処分する必要があります。この処分料が見積もりに含まれているか、別途請求されるかは業者によって異なります。明記されていない場合は事前に確認しましょう。特に複数部屋をまとめて張替えする場合、処分料だけで数万円の差が出ることもあります。
契約前に「廃材処分費込み」と明記されているか、必ずチェックしましょう。
諸経費を確認
見積書の「諸経費」の内訳も重要な確認ポイントです。
諸経費には、以下のものが含まれます。
- 現場管理費
- 駐車場代
- 養生費
- 運搬費 など
諸経費は工事費用全体の10%〜15%程度が一般的ですが、会社によってばらつきがあります。諸経費が不明瞭な場合や、相場より明らかに高い場合は、内訳の説明を求めましょう。
諸経費は複数の業者から相見積もりを取ることで、諸経費の適正価格を判断しやすくなります。
施工範囲を明確にしておく
最後に「どこまでが施工範囲に含まれるか」を明確にしておくことが重要です。
見積もり時点で、下記点について確認しておくと安心です。
- 壁面のみか天井も含むのか
- クローゼット内部は対象か
- 巾木やコンセントカバーの取外し・取付けは含まれるか
- 家具移動は含まれているか
施工範囲を図面や写真で共有し、書面で残しておくことで、後のトラブルを防ぐことができます。
クロスの張り替え費用を抑えるコツ

クロスの張り替え費用を抑えるコツには大きく3つあります。
- ベースクロスは一般的なグレードを使用する
- 柄物のクロスはできるだけ使用しない
- まとめてリフォームする
それぞれ説明していきましょう。
ベースクロスは一般的なグレードを使用する
まず効果的なのが「ベースクロスに一般的なグレードを使用する」方法です。
クロスには量産クロスやスタンダードクロスと呼ばれる一般的なグレードがあり、比較的安価に設定されています。部屋全体の大部分を占める壁面に一般的なグレードを選ぶだけで、総額を大きく抑えられます。
最近の量産クロスは品質も向上しており、シンプルで清潔感のあるデザインが豊富に揃っています。アクセントとして一部だけグレードの高いクロスを使用すれば、メリハリのある空間を予算内で実現できるでしょう。
柄物のクロスはできるだけ使用しない
次に重要なのが「柄物のクロスの使用を最小限にする」点です。
柄物のクロスは無地のクロスと比べて、施工時に柄合わせという作業が必要です。柄合わせにより廃材が多く出るため、材料のロスが増えます。結果として材料費が割高になり、施工の手間も増えるため工賃も上昇します。特に大柄のデザインほど柄合わせのロスが大きくなる傾向があるので注意しましょう。
どうしても柄物を使いたい場合は、アクセントウォールなど限定的な範囲に留めておくのをおすすめします。無地やシンプルな織り目調のクロスなら柄合わせが不要で、材料のロスを最小限に抑えられるため費用削減につながります。
まとめてリフォームする
最後のコツは「複数の部屋をまとめてリフォームする」ことです。
クロス張替えを1部屋ずつ別々のタイミングで依頼すると、そのたびに出張費や諸経費が発生します。しかし、複数の部屋や家全体をまとめて依頼すれば、これらの固定費を一度で済ませられます。結果として業者側も効率的に作業を進められるため、工賃の値引き交渉もしやすくなるでしょう。
さらに、足場や養生の設置も一度で済むため、手間とコストの両面でメリットがある点も見逃せません。今すぐ全室の張替えが必要でない場合でも、将来的に必要になる部屋を見越して計画的にまとめて依頼することで、リフォーム費用の削減が期待できるでしょう。
まとめ|賢く予算をコントロールしてクロス張替えを行おう

クロス張替えの相場は、量産クロスで1㎡あたり800円〜1,000円、機能性クロスで1,000円〜1,300円、デザインクロスで1,200円〜2,000円以上です。6畳の部屋なら約28,000円〜80,000円が目安となります。
見積もりを依頼する際は、下地補修費用や処分料、諸経費の内訳、施工範囲を必ず確認しましょう。また、一般的なグレードのクロスを選ぶ、柄物を控える、複数の部屋をまとめて依頼することで費用を抑えることができます。
クロス張替えは部屋の印象を大きく変える効果的なリフォームです。適正価格で満足のいく仕上がりを実現したい方は、サーラリフォームにお気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフが、お客様のご要望に合わせた最適なプランをご提案いたします。

■監修_リビングサーラ/施工管理担当者_資格:1級建築施工管理技士・2級建築士
WRITER PROFILE
望月尚文
不動産業歴10年以上。一級建築施工管理技士、二級建築士、宅地建物取引士の資格を保有。
平屋の家づくりに関するブログ「平屋の手引き」 (https://mochionoblog.com/)の運営者。
業界での経験と不動産に関わる専門資格を活かし、不動産取引や家づくりのノウハウを一般の方にわかりやすく解説します。