共働き家庭に寄り添うリフォームの間取りをご紹介

共働き家庭に寄り添うリフォームの間取りをご紹介

女性の社会進出や産後に復職する人も増えてきた関係で、近年は共働き世帯が増えています。今回は、そんな共働きで忙しい子育て世代の方々には必見です。

家事の効率性を重視しながら、子育ても楽しくできる、間取りに配慮したリフォームをご紹介します。

時代の変化やお子さまの成長に合わせて、生活リズムにマッチした家づくりを実現させることで、今よりもさらに円満なご家庭が築けることでしょう。

間取りを考える際のポイント忙しいからこそ求められる時短

日本の共働き世帯は、2022年の労働力調査詳細集計で1521万世帯にも上り、全体の6割強を占めています。

引用:統計情報Q&A_専業主婦世帯、共働き世帯

https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/qa/a07.html

各家庭で働き方は異なりますが、子育て世代の共働きの場合は子育て、仕事、家事と一日中時間に追われても大変です。忙しいからこそ、夫婦でお互いに家事は協力し、少しでも「時短」につながると嬉しいですよね。

日々の疲れを癒やし、家族と楽しく過ごす快適な家の間取りを実現するために、家族と決めておくといいポイントを紹介します。

子育て世代の夫婦

子育て

将来のお子さまの人数により、必要な間取りが変わってきます。子供部屋や収納、リビングの子育てスペースなどです。

『住生活基本計画における「水準」について』(国土交通省)の「誘導居住面積」では、子供1人に対してプラス10平米以上が必要だというデータもあります。将来のお子さまの人数は重要な要素なので、夫婦で意志を確認しておきましょう。

引用:『住生活基本計画における「水準」について』(国土交通省)

https://www.mlit.go.jp/common/001098415.pdf

仕事

夫婦で、お互いの勤務形態を確認しておくことはとても大切です。

例えば、夫が夜勤勤めで妻が常勤の場合は、どうしても日々の過ごし方にズレが生じます。夫が帰ってきた時に妻が寝ていたり、妻が仕事に行く頃には夫が寝ていたりするので、なるべくしっかり休めるように、寝室をリビングから離すなどの配慮が必要になります。

また、近年はリモートワークの普及で、男性も自宅で仕事をするケースも増えてきています。家族と同じ屋根の下にいながら、仕事に集中できる空間や環境の確保も求められます。

家事

休日も関係なく時間を割かれ、夫婦が互いに理解や協力が欠かせないのが家事です。炊事、洗濯、掃除など、共働き世帯では夫婦で家事を分担する家庭が多いでしょう。

日頃からどちらがどの家事をこなしているかを前提に、それぞれの生活リズムに合わせた間取りを築くことがポイントです。

時間

共働きの場合、お互いに自分の時間が足りなくなりがちです。そのため、それぞれが特に大切にしたい時間を把握して、そこをカバーできるような間取りに設計するといいでしょう。

お互いの時間を把握して尊重し、間取りという目に見える形に反映させることで、円満な家庭環境の持続にもつながります。時間帯によって、部屋やスペースを夫婦で使い分けるルールをつくっておくのもお勧めですよ。

家事動線を重視した間取り

家づくりをする時、「家事動線」を考えた間取りにすると、毎日の忙しい時間が少し楽になるかもしれません。

ここでは水回り、収納、寝室の3点で効率的な間取りを紹介します。

洗濯物をする主婦さん

水回りを集約する~近くに集めて家事がラクラク

キッチン、お風呂、洗面台、トイレといった水回りは、なるべく近くに集約させると使いやすく、住む人の負担やストレスの軽減につながります。

キッチンで炊事をしているときに、お子さまがトイレを使用したり、お風呂に入ったりといった状況が考えられます。キッチンやお風呂場をL字形で配置すれば、料理をしながらお子さまの動向を確認しやすくなります。

また、移動を効率化した無駄のない動線として推奨されるのが「円を描くような間取り」です。例えばリビング、キッチン、洗面室と円を描くように部屋を配置すれば、ドアを行き来するだけで移動がスムーズになります。

収納を効率化する~子育てに心強いファミクロ

家づくりにおいて収納スペースはとても重要です。最小限にしてしまうと足りなくなり、大きすぎると使わない場合に無駄になります。あとで後悔しないよう、衣類や家財道具などの量と家族構成を踏まえてパントリー、クローゼット、シューズクローゼット、床下・壁面収納など必要な収納数を検討しましょう。

特に子育て世帯にお勧めなのが、「ファミクロ」と呼ばれるファミリークローゼット、またはファミリークロークです。

家族全員の収納を1つのスペースにまとめることで家族の動線がコンパクトになり、家事の時短化が図れます。衣類だけでなく、バッグや帽子などの小物類や、かさばる布団類の収納にも使えます。お子さまの服や学校道具、仕事で来ていくスーツなども収納しておけば、朝の出掛ける前の時間を短縮できます。

玄関や洗面所の近くに設置すれば、例えば帰宅してから手洗い→室内着に着替え→リビングへという流れができます。脱ぎっぱなしの上着が散らかることもないですし、上着やカバンなど外出時に必要なものも一緒に置いておけば忘れ物の防止にもつながります。

寝室を遠ざける~赤ちゃんがいる家庭は寝室をもう1つ

仕事の勤務時間によって夫婦の生活リズムが異なる場合、リビングと寝室が隣り合わせだと寝ている方が生活音で目が覚めてしまい、睡眠に影響を及ぼしかねません。廊下や部屋を挟むなどして、なるべく遠ざけるといいでしょう。

また、産まれたばかりの小さなお子さまがいる世帯では、状況によって夫婦で寝室を使い分けることもあります。そんな時は本来の寝室とは別に、リビング近くの和室など寝室代わりに使える部屋を1つ確保しておけば、夫婦のどちらかがお子さまの夜泣きで目を覚ますことは減るでしょう。

  お子さまとの時間を重視した間取り

間取りを考えるうえで、お子さまとの時間を重視した生活に配慮するのもいいでしょう。

家事をしながらお子さまの安全や成長を見守り、勉強を教えるスペースを確保することで、大切な家族との楽しい時間を共有できます。

家事と育児を両立させた間取りを実現しましょう。

対面キッチン~家事をしながら見守る~

対面キッチンからお子さんを見るお母さん

シンクがリビング、ダイニングに向いた対面キッチンや、壁で仕切られていないオープンキッチンなら、リビングにいるお子さまを見守りながら家事ができます。怪我をしないように目が届くことはもちろん、学校での話をしたり、宿題の質問に答えたりとコミュニケーションが取りやすいです。テーブルにお皿を並べるなど、お手伝いの習慣も養えますよね。

キッズスペース~和室空間で安全に子育て

リビングの一角に小さな和室を作り、キッズスペースとして活用する世帯も増えています。柔らかい畳は赤ちゃんのお昼寝スペースとしてだけでなく、おむつ替えやハイハイをするのにも安心です。

また、畳の適度なクッション性は遊び場としても優れており、お子さまが飛び跳ねてもフローリングに比べて防音効果が期待できます。お子さまが遊ぶスペースとして決めておき、自分で片付けるルールをつくれば自主性を育むこともできますね。

ワークスペース~親子で仲良くワーキング

最近はリビングの隅の壁際などにテーブルを置き、ワークスペースや書斎を置く人も増えています。仕事をしながらお子さまを見守ることができ、奥様が家事で手が離せない時も安心です。また、横に長いテーブルなら、隣にお子さまが座って宿題をするスペースとしても活用できます。

ただ、書斎を設ける際には本棚が転倒しないように固定したり、お子さまの手が届く場所に大切なものを置かないといった注意も必要です。

最後に

夫婦共働きはいろいろと大変なことが多いですが、工夫したリフォームをすれば効率的で、快適に過ごせる住まいづくりが可能です。

間取りを変えることで、ご家族と今よりももっと仲良くなれるきっかけになります。

「子どもエコ住まい支援事業」といった、子育て世代向けのお得なリフォーム補助金制度もありますので、ご関心のある方はこちらのコラムもご覧ください。

→補助金コラムURL:https://tsumugi.sala.jp/home/591/

■監修_リビングサーラ/施工管理担当者_資格:1級建築施工管理技士・2級建築士

WRITER PROFILE

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由本 裕貴

1983年3月20日、愛知県豊川市生まれ。
御津高校、愛知大学を経て、2005年に日刊スポーツ新聞社入社。プロ野球やサッカー日本代表を担当し、2014年に東愛知新聞社へ転職。2021年からフリーに転向し、翌年から東日新聞ライターとして東三河のニュースや話題を追っている他、スポーツマガジンやオカルト雑誌などでも執筆。豊川商工会議所発行「メセナ」の校正も請け負う。著書に「実は殺ってないんです 豊川市幼児殺害事件」「東三河と戦争 語り継ぐ歴史の痕跡」「訪れたい 東三河の駅」がある。
家族は妻と長男。趣味はスポーツ観戦、都市伝説の探求。

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