リフォームで防犯対策!泥棒が侵入しづらい家づくり
これから暑い夏を迎え、網戸にしたまま就寝したり、旅行やレジャーでお出掛けする機会が多くなります。そんな時に心配なのが泥棒です。住人不在時の空き巣だけでなく、最近は広域強盗事件に見られるように白昼堂々と犯行に及ぶケースもあります。
被害に遭わないようにするには、泥棒が侵入しづらい環境や雰囲気を整えることが大切です。手軽にできる防犯リフォームなど、住まいの防犯対策を紹介します。
目次
泥棒に狙われやすいのはどんな家?
泥棒の目に付きやすい家には、「入りやすい」「逃げやすい」の観点から、次のような特徴が挙げられます。
・高い塀や庭木など死角になるものがある
・窓の下に足場になるものがある
・窓のクレセント錠が開けやすい位置にある
・犬がいない
・駅が徒歩圏内と近い
・周囲に人気がない
ご自宅がこれらの特徴に当てはまるようであれば、対策が必要です。
また、泥棒が留守を確認する手段としては、「インターホンを鳴らす」が最も多いです。また、郵便受けに新聞や郵便物が溜まっていないか、昼間でもカーテンや雨戸が閉まっているか、電話に出ないかなども泥棒に留守を知られてしまうきっかけとなります。
防犯リフォームのポイント
侵入経路を泥棒が嫌う形にリフォームすることができれば、より安全な住まいが出来上がります。どのような方法で防犯対策ができるのか見てみましょう。
設備で防犯をする~犯行に手間を掛けさせる~
時間で守る
犯行を諦めさせる方法として、侵入に時間をかけさせることが重要です。防犯性能の高い商品の基準は、侵入までに5分以上の時間を要することとなっています。
窓ガラスには防犯ガラスやシャッター、面格子が有効です。引き戸にはレール部分にストッパーロックも取り付けておけば、泥棒はかなりてこずることになります。また、窓の位置が腰高よりも高い位置にあると被害が少ないというデータもあります。
玄関ドアにはダブルロックと、チェーンロックが基本です。
光で守る~照明は敷地内に向ける~
泥棒の犯行が夜間に多いことや、センサーライトで犯行を諦めるケースが多いことから、光による防犯は効果的です。人感センサー付きの照明の設置をお勧めします。
この時、注意しなければならないのが、照明を取り付ける際の向きです。自宅前の道路に向けて光を照らしてしまうと、外から見て敷地内が逆光になってしまい、道路側から侵入者が見えづらくなります。
大事なのは、近所の人や通行人に怪しい人に気付いてもらうことです。敷地内の玄関や窓など、開口部をしっかりと照らすように設置しましょう。
音で守る~音と光の併用がお勧め~
光だけでなく、音を発生させることで防犯につながります。最近の防犯カメラには人感センサーでアラームが鳴ったり、スマートフォンとリンクして声を発せられる機器もあります。
また、防犯砂利も効果的です。ホームセンターやガーデニングコーナーで販売されている防犯砂利は、踏むとジャリジャリと大きな音がします。多様な形や色で見栄えもいいことで人気があり、侵入が想定される窓や玄関の近くに敷いておくといいでしょう。
ただ、最近は窓の防音性も向上しており、降雨の日の犯行には、音による防犯はあまり効果がありません。光の防犯との併用を推奨します。
視覚で防犯をする~目に見える境界線をつくる~
泥棒を自宅の敷地内に入りづらくする方法も必要です。庭や、勝手口に続くような自宅の裏側に仕切り戸を設置すれば、敷地との境界線がはっきりし、泥棒が侵入しづらくなります。仕切り戸には錠を付けておけば、泥棒が乗り越えようとしても近所の人に不審者と気付いてもらえます。
また、防犯とプライバシーを両立させたい方には、外構のフェンスを工夫するのも選択肢です。
縦格子と横格子の使い分けもポイントで、正面からだと奥までよく見えますが、斜めからだと見えづらい縦格子は、周囲から見守ってもらいたい窓に直交されて設置すると効果的です。
どこから見ても透過率が変わらない横格子は、隣家との境など、道路に直交する向きで設置すると敷地奥まで見通しが確保できます。
習慣で守る~身の回りの管理を徹底しよう~
防犯設備をいくら整えても、住人が日頃から防犯を意識した習慣づけをしていないと、泥棒に犯行を許す隙を与えてしまいます。
郵便受けはこまめにチェックして常に空にしておき、週や月単位で外出する際には新聞や郵便物を止めておく手配が大切です。
窓の下や周辺はできるだけ片付けて、足場になるものを取り除くことが必要です。2階のベランダから侵入するケースもあります。エアコンの室外機や電柱など、移動できないものは忍び返しを設置しましょう。
近所との連帯感やSNS対策も効果的
また、泥棒は下見する際に、ごみの集積所の指定日以外にごみがある地域を狙いやすいと言われています。そのような地域では住人同士の連帯感が薄く、見つかっても逃げやすいと判断するのです。普段からごみ出しのルールを守り、町内会活動にも参加して地域との連帯感が高いと、泥棒も犯行をしづらくなります。
最近では、旅行先でSNSに投稿したことで留守が判明してしまい、空き巣の被害に遭うケースも少なくありません。外出中は投稿を自重し、帰宅してから発信するといった配慮も大切です。
防犯リフォームのメリットとデメリットは?
防犯リフォームの種類によって、メリットとデメリットも異なります。メリットとデメリットを考慮して、防犯リフォームを検討しましょう。
窓を防犯にするメリットとデメリット
◆メリット
強化ガラスや防犯フィルム、面格子やシャッターなどの設置により、窓からの侵入リスクを低減することができます。
◆デメリット
窓に防犯対策を施しすぎると、避難経路が制限される可能性があります。緊急時に窓からの脱出が困難になることがあるので注意しましょう。
センサーライトや防犯カメラを設置するメリットとデメリット
◆メリット
センサーライトや防犯カメラの設置は、不審者や侵入者を威嚇し、犯罪行為を抑止する効果があります。夜間に明るいライトが点灯することで、不審者が近づきにくくなり、防犯カメラが設置されていることを知ることで侵入を躊躇する可能性が高まります。
◆デメリット
センサーライトや防犯カメラは、外部の動きを感知して作動するため、風や動物などの影響で誤作動することがあります。これにより、住民や近隣住民に不必要な警報が発生する可能性があります。
玄関ドアやインターホンなどを交換するメリットとデメリット
◆メリット
防犯性が高い玄関ドアやインターホンは、不審者や侵入者から家を守るのに役立ちます。インターホンは、新たにマイクやカメラを付けられます。
◆デメリット
新しい玄関ドアやインターホンを選ぶ際には、設置場所やサイズに制約がある場合があります。建物の構造やデザインに合わせて適切なものを選ぶ必要があります。
フェンスや塀を設置するメリットとデメリット
◆メリット
フェンスや塀を設置することで、自宅や庭のプライバシーを保護することができます。周囲の視線を遮断することで、外部からの視線や侵入を防ぎます。
◆デメリット
フェンスや塀を設置することで、周囲の景観や視界が制限されることがあります。また、自宅や庭に怪しい人がいても気づかれない恐れがあります。
防犯リフォームの費用と期間
防犯リフォームにかかる費用の目安や期間は、施工内容や規模、使用する素材や機器の品質などによって異なります。一般的な防犯リフォームの費用の目安は以下となります。
◆防犯カメラの設置費用の目安
1台から数十台に及ぶ防犯カメラの設置費用は、数万円から数十万円になることがあります。(防犯カメラの数や品質、機能によって費用が異なります)
◆センサーライトの取り付け費用の目安
1つから複数のセンサーライトを取り付ける場合、1台あたり数千円から数万円が目安です。(センサーライトの数や種類、取り付け場所によって費用が異なります)
◆防犯フィルムの貼り付け費用の目安
一般的には、窓1つあたり数千円から1万円程度が目安です。(ガラスに防犯フィルムを貼り付ける費用は、窓の数や面積、フィルムの種類によって異なります)
◆ドアや窓の交換をする費用の目安
防犯性の高いドアや窓に交換する場合、取り付け工事費用や素材費用が加算されます。交換するドアや窓の種類やサイズによって費用が異なりますが、数万円から数十万円かかることがあります。
◆フェンスや塀の設置費用の目安
施工内容や規模によって変わりますが、数万円から数十万円程度が目安です。(使用する素材や機器の品質などによっても異なります)
防犯リフォームにかかる日数は、センサーライトや防犯カメラといった簡単な器具の設置であれば1日で終わります。一方で、フェンスや塀の設置となれば2日〜1週間程度はかかるでしょう。
地域や施工内容によって費用や期間が異なるため、複数の業者から見積もりを取ることが大切です。
防犯リフォーム実例をご紹介!
実際に防犯リフォームをした事例をご紹介します。防犯リフォームを検討している方は、チェックしてみましょう。
引違い窓をFIX窓に取り替えた実例
引違いの窓を防犯性も兼ねて大きなFIX窓にしたことにより額縁のように坪庭がきれいに見通せるようになりました。
施工詳細はこちら↓↓
無垢材のぬくもりを感じる空間 | リビングサーラ [くらすデザイン] (living-sala.co.jp)
施錠したまま採風できる玄関引戸と勝手口ドアに取り替えた実例
玄関引戸と勝手口ドアは採風タイプを採用。
施錠したまま採風できるため、防犯上も安心です。
施工詳細はこちら↓↓
造作収納で限りある空間を無駄なく使う | リビングサーラ [くらすデザイン] (living-sala.co.jp)
終わりに~大切な命、財産を守るために~
泥棒は、無施錠の窓から侵入を許した被害者が多いのが現実です。いくら防犯設備を整えても、それを使わないと意味がありません。普段からの習慣づけや行動が求められます。
また、「設備で守る」でご紹介するような設備は数万円で施工できるものが多く、最近ではスマートフォンを用いて離れた場所にて警報を受け、カメラで確認できる仕組みがあります。消し忘れや締め忘れの確認、帰宅前の空調や給湯など、家電や施錠の遠隔操作も機能されている商品があります。子供やお年寄りの見守り、利便性の向上といった価値も得られます。セキュリティ会社にお願いする以外にできる防犯対策を知り、ご自身の生活スタイルや経済性に合った対策がとれるとよいでしょう。
都市部や地方に関係なく、白昼堂々と、人目を気にすることのない凶悪な犯行も増えてきています。狙われる前に、狙われにくい住まいに変身させることも防犯対策として重要です。
自身や大切な家族の命、財産を守るためにも、いま一度、ご自宅の防犯について考えてみませんか?
■監修_サーラエナジー/担当者
WRITER PROFILE
由本 裕貴
1983年3月20日、愛知県豊川市生まれ。
御津高校、愛知大学を経て、2005年に日刊スポーツ新聞社入社。プロ野球やサッカー日本代表を担当し、2014年に東愛知新聞社へ転職。2021年からフリーに転向し、翌年から東日新聞ライターとして東三河のニュースや話題を追っている他、スポーツマガジンやオカルト雑誌などでも執筆。豊川商工会議所発行「メセナ」の校正も請け負う。著書に「実は殺ってないんです 豊川市幼児殺害事件」「東三河と戦争 語り継ぐ歴史の痕跡」「訪れたい 東三河の駅」がある。
家族は妻と長男。趣味はスポーツ観戦、都市伝説の探求。