太陽光発電のメリット・デメリットをわかりやすく解説!
近年、SDGsやカーボンニュートラルなど環境への取り組みが注目されています。東京では、2025年に都内大手ハウスメーカー向けに太陽光発電設置の義務化の条例が成立しました。
さらに注目が高まる太陽光発電について、新築戸建に焦点を当てて太陽光発電の魅力や、メリットとデメリットなどをご紹介します。
太陽光発電とは
そもそも太陽光発電とは、シリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用して、太陽の光エネルギーを太陽電池(半導体素子)により直接電気に変換する発電方法です。太陽光発電導入の実績で日本は、中国、アメリカ、ドイツとともに世界をリードしています。
戸建て住宅を新築する際、今後のことや環境を考慮して太陽光発電の導入を検討する人は多いのではないでしょうか。太陽光発電の設置費用や売電のことなど気になることはたくさん!次に、戸建て住宅において太陽光発電を設置するメリット・デメリットを紹介します。
太陽光発電設置のメリット
電気代が削減できる
太陽光発電を導入すると、電力会社から購入するはずだった電気を、太陽光発電(自家)でまかなうことができます。それによって電気代が削減!太陽光発電を乗せている家と、乗せていない家では年間5万7629円(※)相当の差ができます。
最近では、エネルギー価格も高騰しているので、太陽光発電を載せることで価格高騰の対策にもなります。※調査データ等から導き出した平均値の試算です
売電収入を得ることができる
売電収入とは、発電した電気を電力会社に売ることで得られる収入のこと。太陽光発電で作った電気は電力会社に売ること(売電)が可能で、電気代削減分と売電収入を合わせることで電気代を無料にすることも条件によっては可能です。
災害時でも電気を使うことができる
暮らしの中で多く使う電気。災害時などで停電になった際は使えなくなってしまい、生活する上でとても困ります。しかし太陽光発電を導入することで、設備に異常がなく発電している昼間は、停電時にも電気を使うことができます。太陽光によっては、停電時に切り替え操作が必要なものと、自動で切り替えてくれるものがあるので確認することが大事になります。
二酸化炭素の排出がなく環境にやさしい
太陽光発電は、再生可能なエネルギー源であり、環境にやさしいのが特徴です。太陽光を電気に変換するシステムなので、発電時に二酸化炭素を排出することがありません。そのため、地球環境保護、脱炭素に貢献できます。
太陽光発電設置のデメリット
設置などの初期費用が高い
太陽光発電を導入するには、ほとんどの場合100万以上の設置費用がかかると言われています。経済産業省資源エネルギー庁の資料によると、2023年の住宅用太陽光発電の平均価格と設置容量は
設置容量 5.00kW
設置費用 144万円
1kWあたりの価格 28.8万円/kW
となっております。もちろんこれは目安であり、購入するメーカーや住宅の条件によって費用は異なります。
調達価格等算定委員会|経済産業省 の配布資料から算出
20240207_1.pdf (meti.go.jp)
定期的なメンテナンスが必要
太陽光発電はランニングコストがかからない(メンテナンスフリー)と言われることもあります。しかし、経済産業省は、発電量の低下や機器類の故障がないかを確認するために、4年に一度の定期点検を推奨しています。また、パワーコンディショナーは15年前後で交換する必要があります。
発電量が天候に左右されやすい
太陽光発電は太陽の光に応じて発電量が決まってくるので、曇りや雨など天候が悪いときには発電量が落ちてしまいます。また、冬の時期は日照時間が短いので、他の季節と比べると発電量が少なくなってしまいます。
設置条件によっては効率的に発電ができない
パネルが設置できる量などがあるため、屋根の角度や向きなど、設置条件によっては満足できるほどの発電量が得られないことも。そのほか、塩害や積雪など、地域環境も考える必要があるでしょう。
太陽光発電のデメリットを解消する方法は?
設置費用の問題→リースやPPAを利用する
太陽光発電は購入だけではなく、リースやPPAといったサービスを利用することができます。
〇リース契約→設置とメンテナンスをリース会社に依頼する代わりに、月々のリース費用
を支払います。余った電力はすべて自分のものになりますので、電力会社へ販売することも自家消費も可能となります。
初期費用が少なく、メンテナンス費用も不要という点から負担が少なく始められるので個人宅での導入が進んでいます。
〇PPA→「Power Purchase Agreement」の略(日本語訳→電力販売契約)。利用者が自身の住宅の屋根を貸すことで「賃料」収入を得るいわば場所貸し、屋根貸し、というイメージです。場所を貸すだけなので生み出された電力は全て設置した第三者に権利があります。
生み出された電力を使いたい場合はその屋根を借りて発電している事業者から購入します(電力会社から購入するより安いのが一般的です)。
例えばSALAグループでは、サーラのゼロソーラーサービスというPPAサービスをサーラエナジーが長州産業と共同で企画・提供しています。初期設置費用や管理費用等は長州産業がすべて負担してくれ、利用期間中太陽光で発電した電力による収入を長州産業が得るという仕組みです。
日中に発電した電気を割安な価格で購入でき、災害時にも発電した電気が使用可能。13年後のサービス終了時には太陽光発電システム一式が継続的に使用できるかの設備点検を行ったうえで、無償で利用者へと譲渡されます。また保証も発電開始時からついているものを引き継ぐことができるのでどなたでも安心して始められる太陽光発電システムとなっています。
リースやPPAでの注意点は、契約内容が事業者によって異なること、契約途中に契約を破棄できない条件が付くことなどがあり、しっかりと内容を確認したうえで、自分に不利益が出ないかをみておくことが大切です。
設置費用の問題→国や自治体の補助金等を利用する
国や自治体は太陽光発電を普及させる補助金制度を整えています。
東京都では、2025年度から新築住宅などに太陽光発電設備を設置することを義務化する制度が始まる予定。今後、太陽光発電の設置のための補助金があるのかどうかも含めて、自治体や事業者や建築会社などに確認をしましょう。
費用対効果の問題→天候による経済的なリスクを把握しておく
太陽光発電は、天候や季節による日照量の変化に影響を受けます。日照時間や日射量は毎月ごとにバラつきが生じるうえに、設置する地域によっても異なります。
太陽光発電を設置すると、毎日の電気使用量や発電・売電実績をモニターやWebサイトなどで確認することができるため、管理を徹底したい方は、定期的に発電量をチェックして管理するのがよいでしょう。
技術的な問題→信頼できる太陽光発電設置業者を選ぶ
太陽光発電を設置する際の注意点として1番に挙げるのが「業者選定」です。太陽光発電設置において、雨漏りや施工不良の電気系トラブルのリスクもあります。
メーカーが定める施工基準に外れたずさんな工事をする業者もあるため、太陽光発電を設置する際は、信頼できる施工会社選びが重要となります。
□価格が適正
□工事を自社で行う
□経験や実績が豊富
□アフターフォローもある
□変な勧誘がない
これらを考慮し、しっかりとした業者選びを行いましょう。
太陽光発電に関するQ&A
太陽光発電の導入に関して、よくある質問をまとめました。
どんな屋根に太陽光発電をつけたらいいですか?
太陽光発電は、南向きの屋根が最適です。屋根の形状や面積、角度や方角は発電の効率に大きく影響します。地域によっても差がありますが、真南の30度の角度が一番発電量が多くなります。
また、面積が大きいほど発電量が増えるため、南向きの片流れ屋根が最も発電効率に期待ができるでしょう。
太陽光発電をやめた方がいいってほんと?
太陽光発電をやめた方がいいといわれる理由は、主に次の理由があります。
□売電価格が安くなり、元が取れない
□設置費用が高い
□雨漏りが発生するリスクがある
□近隣住民とトラブルになる可能性がある
□設置後もランニングコストがかかる
太陽光発電はある種の投資であるため、完全にリスクをなくしたい方にはおすすめできません。
しかし、売電収益やCO2排出量削減など目的があれば、太陽光発電を導入するメリットはあります。信頼できる業者を選ぶことで、多くのリスクやトラブルは未然に回避できるでしょう。
まとめ
太陽光発電を設置するにはさまざまなことを考える必要があります。太陽光発電に関する課題やメリット、デメリットを正しく理解して、ご家族のライフスタイルに合わせた方法で選ぶことが何より重要となります。
信頼のおける会社に相談しながら進めていくというのもひとつの手ですので困った時には迷わず相談してみましょう!
■監修_サーラ住宅/担当者
WRITER PROFILE
岩下加奈
愛知県豊橋市在住。地元出版社に勤め、東三河エリアを中心とした住宅情報誌の編集長などを勤める。名古屋や東京などの雑誌・WEBのライティングや編集を行い、年間1000件以上の取材をこなす。豊橋市市役所広報アドバイザー、東三河の魅力を発信する講師活動、審査員なども務める。ワンライフコミュニケーション株式会社ゼネラルマネージャーとして、企業様・個人向けの外部広報を担当。