給湯器は電気とガスどっちがいいの?

給湯器は電気とガスどっちがいいの?

お風呂や料理など毎日の暮らしに不可欠なお湯ですが、作り方もさまざまです。

今回は代表的なガスと電気による給湯器をはじめ、近年人気を集めているハイブリッド式などの仕組みを解説します。

それぞれのメリットやデメリット、太陽光発電との相性について一緒に考えてみましょう。

ライフスタイルや家族構成から給湯器選びのポイントを解説

給湯器を選ぶ際は、以下に挙げるポイントが判断材料となります。

ライフスタイルや家族構成、ニーズに合わせて、ご家庭にマッチした給湯器を選ぶことが重要です。

◆経済性

使用する時間帯によりますが、ガスと電気ではランニングコストが異なります。

◆省エネ性

ムダなく湯切れがないようにするにはガス給湯器がお勧めです。

◆家族構成の変化

ご家族の人数や年齢に構成によって、お湯の使用量も変わってきます。

◆付加機能の検討

床暖房の熱源として利用したり、自宅で電気をつくる発電機能も活用できます。

◆環境性

二酸化炭素を排出しない給湯システムは環境保全に貢献します。

◆災害対策

災害でライフラインがストップした時も安心して使えるシステムがあります。

給湯機の仕組み

お湯をつくる仕組みとして電気式、ガス式、ハイブリッド式の3つがあります。電気式は「エコキュート」、ガス式は「エコジョーズ」と代表的な給湯器から、その機能を紹介します。

ハイブリッド給湯器

深夜に1日分のお湯を貯める電気式

電気給湯器は電気で沸かしたお湯をタンクに貯める仕組みです。使用できるお湯の量が決まっているため、機種によっては湯切れを起こす可能性があります。

エコキュートは深夜に価格の安い電力を使ってヒートポンプを稼働させ、一日分のお湯をタンクに貯めます。湯切れが近付くと自動的にお湯を沸き増ししますが、時間がかかるため冬場は不便です。また、深夜以外の時間帯は電気代が割高になってしまいます。

湯切れの心配がないガス式

ガス給湯器は必要な時に必要な分だけお湯を沸かす「瞬間式」のため、電気式とは違って湯切れの心配もなく、たっぷりとお湯を使えます。

お湯を使う場所が複数箇所あっても同時に使用できるため、家族が多くても、来客時でも心配はいりません。

エコジョーズではこれまで使わずに捨てていた排気熱も利用できるため、従来よりも少ないガス量でお湯を沸かせるため効率的です。

また、ガス式にはお湯と一緒に電気もつくるエネファームもあり、停電時にもガスからお湯を沸かせる自立機能があります。

家計にも環境にも優しいハイブリッド式

電気とガスの両方を使って効率よくお湯を沸かすシステムです。

代表的な「エコワン」は生活シーンを学習するGXEマイクロチップを搭載しており、電気とガスを賢く使い分けるため、給湯にかかる光熱費を大幅に抑えます。

また、二酸化炭素の排出量を限りなく抑えるため環境にも優しいです。

給湯、風呂、床暖房だけでなく、第4章で詳しく紹介しますが、太陽光発電による自家消費にも優れています。

仕組みごとのメリット、デメリット

電気式のメリット、デメリット

エコキュート

メリット

<割安で寿命が長め>

エコキュートは電気代が割安に設定されている深夜帯に稼働するため、ランニングコストはガス給湯器に比べて割安になります。

また、火を使わないため安全です。災害時も火災になるリスクが低いです。

貯湯タンクは寿命が10~15年程度で、ガス式に比べてやや長いのも特長です。

デメリット

<シャワーは弱めで場所を取る>

タンク内で減圧されたお湯を使用するため、シャワーの勢いは弱めです。減圧弁の設定が低いため、地上から離れた2階ではお湯はりやシャワーの使用に適さないケースがあります。

また、エコキュートは貯湯タンクが付いており、設置するにあたって機種によっては1畳分のスペースを確保しなければなりません。

大型のタンクを設置したり、電力の配線工事をすれば初期費用もかさみます。また、原子力発電所の稼働を前提として設計される深夜帯に割安な電気料金が継続される必要があります。

ガス式のメリット、デメリット

ガス給湯器

メリット

<パワフルな勢いで場所を取らない>

水道圧を利用する瞬間式のため、シャワーの勢いはいつでもパワフルで快適です。

2階以上の家やマンションでも不便なく使えます。

また、電気式の貯湯タンクが必要ないため、大きさは電気式の約10分の1。設置にはほとんどスペースを取りません。

必要な時に必要な分だけお湯を沸かす「瞬間式」のため、必ずしも毎日自宅で入浴されない方や別荘などに適応します。

デメリット

<災害に弱く料金が割高>

ガス式は水を瞬時にお湯に変える仕組みのため、災害で断水した時はお湯はもちろん、水も使えません。災害に備えてあらかじめ浴槽に水を貯めておく対策が必要になります。ガスから電気とお湯をつくるエネファームであれば、停電時にもお湯が沸かせられる機能があるほか、断水時には貯湯タンク内のお湯を利用することができます。

また、世帯人数が多かったり、使用量が多いご家庭では節約になりますが、一人暮らしや、シャワーをさっと使うだけといった世帯にはあまりメリットが生じません。

ガスは電気よりも割高な傾向にあるため、ランニングコストはエコキュートよりもやや高めです。さらに、プロパンガスは都市ガスに比べて料金が高い傾向にあり、その場合はさらに電気式との料金の差が開いてしまいます。

寿命は約10年と電気式に比べて短いです。

太陽光発電とのセットで生まれる負荷価値

環境に良い住まいのイラスト

地球温暖化や自然災害など、私たちを取り巻く環境は刻々と変化しています。

給湯機に太陽光発電を追加することで、環境保全や惨害対策といった付加価値を生むことができます。

環境保全に貢献する二酸化炭素排出量をゼロに

貯湯タンクがある電気式やハイブリット式では、電気を熱に変えて蓄えることができます。太陽光発電とセットにすれば二酸化炭素の排出ゼロでお湯が沸かすことができ、卒FITの場合には自家消費量を増やしたり、地域の電力使用量が逼迫した際にはピークシフトに貢献するためお湯を沸かす時間をずらしたりできます。

「おひさまエコキュート」は太陽光発電でつくったエネルギーを自家消費する「昼間沸き上げ」をメインとした、環境に優しい給湯器。お湯を沸かす際、大気熱と太陽光発電と電気を併用するため、二酸化炭素の排出量と給湯にかかる光熱費が削減できます。

2009年からスタートした太陽光発電システムの固定価格買取制度(FIT)の買取義務保証期間が10年間で終了(卒FIT)します。おひさまエコキュートは、卒FIT後に迎える余剰電力を「売る」から「蓄えて使う」自家消費の時代に最適です。

災害に備える\ハイブリッド式×太陽光発電は相性抜群

太陽光発電とハイブリット給湯器_M

電気とガスのどちらでもお湯が沸かせるハイブリッド式は、電気かガスのいずれかが遮断された場合でも安心のため、最も災害に強い給湯システムです。

ハイブリッド式給湯器「エコワン」には、太陽光発電自家消費モデルがあります。

家庭のエネルギー消費の多くを占める給湯と暖房の省エネ性能に優れ、災害のない日常的にも相性は抜群です。

おわりに

昨今の激変する世界情勢や社会情勢はエネルギー環境にも影響を及ぼし、電気代やガス代は今後ますます高騰していくものとみられます。いまのうちからリスクへの対策が大切です。

料理はもちろん、体を温めてくれるお風呂などに、お湯は欠かせません。

新築やリフォームを予定されている方はもちろん、そうでない方も、ご自宅の給湯器についていま一度考えて、より快適で経済的な給湯システムを導入してみませんか?

どのような仕組みでお湯を沸かすのかの選択で、より経済的で便利な生活を送りながら自ずと環境にも良い暮らし方を実現したいものです。

サーラエナジーでは各種の給湯器を案内していますので、お気軽にご相談ください。

■監修_サーラエナジー/エネルギー事業、暮らし事業担当者

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WRITER PROFILE

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由本 裕貴

1983年3月20日、愛知県豊川市生まれ。
御津高校、愛知大学を経て、2005年に日刊スポーツ新聞社入社。プロ野球やサッカー日本代表を担当し、2014年に東愛知新聞社へ転職。2021年からフリーに転向し、翌年から東日新聞ライターとして東三河のニュースや話題を追っている他、スポーツマガジンやオカルト雑誌などでも執筆。豊川商工会議所発行「メセナ」の校正も請け負う。著書に「実は殺ってないんです 豊川市幼児殺害事件」「東三河と戦争 語り継ぐ歴史の痕跡」「訪れたい 東三河の駅」がある。
家族は妻と長男。趣味はスポーツ観戦、都市伝説の探求。

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