風邪や感染症の時期を乗り切る!免疫力UPできる食べ物って?
これからますます寒さが厳しくなるこの季節、風邪やその他の感染症への警戒も高まります。特に今年は、夏から冬へと急激に季節が移り変わり、多くの方々が体調を崩しているようです。インフルエンザの流行が懸念される中、新型コロナウイルスをはじめとする感染症も依然として私たちの健康を脅かしています。
では、どうして今シーズンは感染症がこれほどまでに広がっているのでしょうか?そして、どのようにして予防すればよいのでしょう?免疫力をアップさせてくれる食べ物や日々の生活でできる対策について、具体的な方法を紹介します。
さらに、体の中から健康を守るために重要な腸の役割にも着目し、感染症予防につながる対策を考えていきましょう。
目次
免疫力とは?
そもそも免疫力ってなに?
免疫力は、私たちの身体が健康を保つために不可欠な防御システムの総称です。このシステムは、病原体や異物が体内に侵入した際に、それを攻撃し排除する働きを持つ免疫細胞によってできています。免疫細胞の一種であるマクロファージは、侵入した異物を消化し、その一部を他の免疫細胞に提示することで、体内に敵が侵入したことを知らせます。
また、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、抗原を提示されなくてもがん細胞やウイルスに感染した細胞を攻撃する能力を持ちます。さらに、腸内環境も免疫力に深く関係しており、腸に存在する100兆以上の細菌群(腸内フローラ)は免疫細胞の成熟や機能維持に不可欠です。
免疫力を上げる原因と習慣
免疫力を高めるためには、栄養バランスの取れた食事が基本。それは日々の食生活において、良質なタンパク質を含む肉や魚、ビタミンやミネラルを多く含む野菜や果物を摂取することから始まります。
また、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を含む発酵食品や、善玉菌のエサとなる食物繊維を含む食品も、腸内環境を整え免疫力を高めるのに大きな力を発揮します。
また体を動かすことも大切。適度な運動は免疫力を向上させ、病気になりにくいからだづくりや、病気になってしまった時の回復力強化につながります。さらに、質の良い睡眠を取ることは、免疫機能にとって重要な活性酸素の増加を抑え、全体的な健康維持に役立つのだそう。毎日の睡眠環境を整えることも免疫力UPにつながっているのですね。
免疫力を下げてしまう原因と習慣
免疫力を下げる生活習慣にはさまざまなものがあります。ひとつひとつは小さなことでも、積み重なれば健康に確実な影響を及ぼします。
例えば、バランスが悪い食生活により、適切な栄養が摂取できずに肥満になると、体内で長引く炎症が起きると、からだを守る細胞がうまく働かなくなったりする可能性が。一方で、厳しいカロリー制限を伴う過度なダイエットは、免疫システムに必要な栄養素の供給を減少させ、免疫細胞の生成と機能を阻害することが知られています。
睡眠不足も免疫力の低下を引き起こす可能性が高いといえるでしょう。睡眠中には体の修復や再構築が行われ、特に免疫システムはこの時間に多くの重要な機能を果たしています。睡眠が不足すると、体の修復プロセスが妨げられ、病気に対抗するための免疫細胞の生成や活動が低下する可能性があるため、風邪などの感染症にかかりやすくなると考えられています。十分な睡眠を取ることは、免疫システムを健康に保ち、全体的な健康を支えるために重要です。
ある研究によれば、睡眠不足はメラトニンの減少を引き起こし、それが活性酸素の増加につながります。活性酸素は免疫機能を抑制し、さらには感染症への抵抗力を弱め、病気を引き起こす原因となる可能性が。昨今、日本人の平均睡眠時間は減少傾向にあるという報告もあり、それが健康へ及ぼす悪影響が懸念されています。
また喫煙も免疫系のさまざまな側面に悪影響を及ぼします。喫煙者は非喫煙者に比べて感染症にかかりやすいとされています。同様にアルコールの過剰な摂取も免疫細胞の活動を抑制し、感染への抵抗力を低下させることが報告されています。現代病ともいえるストレスもまた、コルチゾールといったストレスホルモンの過剰な分泌を引き起こし、免疫システムに悪影響を及ぼします。
以上のように、日々の生活習慣が免疫力に深く影響しており、良い習慣を心掛けることで健康な体を保つことができます。バランスの取れた食生活、適度な運動、十分な休息を取り入れ、免疫力を高めることが、感染症から身を守るためにはとても重要。
では具体的な予防法などを見ていきましょう。
免疫力を高める食事
免疫力を高めるためには、栄養バランスの取れた食事が基本であり、具体的には、日々の食生活でさまざまな栄養素を含む食品を適切に取り入れることが重要です。たとえば「スーパーフード」として知られる、今が旬のブロッコリーやカリフラワー、イチゴなどのベリー類は、ビタミンやミネラルが豊富。からだの防御機能を支える抗酸化物質や疾患予防に効果的な栄養素が含まれています。
また良質なタンパク質は、魚や鶏肉、豆腐などの食品に含まれており、免疫細胞を作るのに必要なアミノ酸を供給します。
食物繊維は、全粒粉のパンや玄米、野菜や果物に多く含まれており、これらを食事に取り入れることで腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を良好に保つのに役立ちます。
さらに発酵食品では、ヨーグルトやキムチ、味噌などが善玉菌を豊富に含んでおり、これらの食品を定期的に食べることで腸内環境を整え、免疫システムの一部を形成する腸管免疫を強化できます。この発酵食品のなかでも、古くから私たちの暮らしの中にあった甘酒について注目してみましょう。
甘酒の起源は、日本の古墳時代(紀元前250年から538年)にまでさかのぼることができます。日本書紀によると、樹木の花咲耶姫(このはなさくやひめ)が「天津酒(あまのつまざけ)」を作ったとされています。この「天津酒」が現代の甘酒の起源とされています。また、すでに江戸時代には、夏の疲れを癒す飲み物として広く親しまれていました。
室町時代創業の老舗・種麹メーカー「糀谷三左衛門」の第二十九代当主・村井裕一郎さんによれば、近年、「飲む点滴」と例えられる甘酒は栄養価が高いのは確か。ただ効率的な栄養摂取という観点だけでなく、その味を楽しむことも大切だといいます。
麹や発酵食品との関わり方について、健康食品としての偏った見方ではなく、日常的な食事の一部として楽しむことの重要性も語っており、麹を使った料理を無理なく楽しむことを勧めています。
参照:『サーラのおすすめ』巻頭特集「糀谷三左衛門」サイト
https://www.salaplaza365.jp/recommend/
食べ方の工夫
- 朝食を抜くと血糖値が下がったり、腸内バランスが崩れたりして腸内バランスが崩れます。朝食はしっかりと食べましょう。
- 一般的に発酵食品に含まれる乳酸菌は、夜間に腸内で増殖しやすく、免疫力を高める効果があるとされています。こだわり過ぎる必要はありませんが、無理のない程度にタイミングを考えましょう。
- 免疫力を高めるとされるもち麦ご飯をとりましょう。
- みそには乳酸菌が含まれています。さらにビタミン類やミネラル、食物繊維などが豊富な具材を入れれば、免疫力が高まります。みそ汁は具だくさんにしましょう。
- お酒は免疫力に悪影響を与えます。飲む時は、同量の水を。
免疫力を高めるためには、バランスの良い食事が大切です。「鶏肉ときのこのサラダ」、「豆苗ふわ玉スープ」、「ブロッコリーおかかレンジあえ」、「鶏団子とひらひら人参のスープ」などは、手軽にできるレシピ。バランスの良い食事を心がけたものです。
いつもと少し違う、新しいレシピに挑戦するなら、レシピサイトの活用や、思い切って料理教室に通うのもおすすめです。
参照:サーラのカルチャースクール くらしときめきアカデミー
https://www.sala-academy.jp/
食事以外で免疫力UPにつながること
- 睡眠=質の良い睡眠は体の修復プロセスを手助けし、疲れた免疫システムの回復に役立ちます。
- 運動=軽いジョギングやウォーキング、ヨガなどの運動は血流を促進し、免疫細胞が体内を効率的に巡るのを助けます。
- ストレス管理=瞑想、深呼吸、リラクゼーション技法、趣味などを通じてストレスを軽減し、免疫力を保護します。
- 水分=補給十分な水分摂取は体内の毒素排出を促し、免疫細胞の効率的な機能に役立ちます。
- 禁煙と節度のある飲酒=喫煙を避け、アルコール摂取を控えることで、免疫システムへの不要なストレスを減らし、その機能を維持します。
まとめ
私たちの免疫力は、日々の小さな習慣によって育まれます。心地よい運動、ぐっすりとした安らぎの睡眠、心を落ち着かせる時間の確保、そして、身体を潤すための十分な水分と十分な栄養の補給。
これらはすべて、体を内側から支え、守るために大切です。タバコを避け、アルコールもほどほどにすることも忘れずに。健康的な生活を送ることで、日々の幸せを感じながら、自分自身の免疫力を高めていきましょう。
免疫力を向上させるためには、日々の積み重ねが大切。1つ1つは難しいことではないので、実践しやすいものから少しずつでも取り組んでいきたいですね。一緒に感染症を吹き飛ばしましょう。
■監修_サーラエナジー/エネルギー事業、暮らし事業担当者
WRITER PROFILE
書こ音(かこね)ライティング 森美香
元地方新聞社報道記者。
企業事務、医療事務、 英会話インストラクター など、さまざまな職種を経験。 記者を経て、現在は、自分史・社史関連、 行政、 観光協会、 企業、 雑誌などでフリーライターとして活動中。
一般社団法人自分史活用推進委員会認定・自分史活用アド バイザー。