V2Hとは?仕組みやメリット・デメリットから蓄電池との違いまでわかりやすく解説します

V2Hとは?仕組みやメリット・デメリットから蓄電池との違いまでわかりやすく解説します

電気自動車(EV)の普及を肌で感じるようになってきた昨今、有効活用する手段としてV2Hの注目度が高まっています。

「名前は聞いたことがあるけど、どんなものかは知らない」「電気自動車に買い替えるので、V2HやEV充電設備との違いが知りたい」といった方のために、今回はV2Hの仕組みや機器に関する基礎知識、メリットやデメリット、初期費用や、導入を検討する際のポイントなどを分かりやすく解説します。

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V2Hとは

V2Hシステムの特徴

V2Hとは「Vehicle to Home」(車から家へ)の略称です。

電気自動車(EV)に蓄えられた電力を、家庭用に有効活用するための機器で、エコカーの新しい可能性として注目が高まっています。電気自動車やプラグインハイブリッド車(PHEV)とセットで蓄電でき、蓄電量は約40~60kwh と大容量です。

単なる移動手段であった自動車を、家庭のエネルギー供給源として活用できる点が最大の役割となります。これにより、電気自動車は走る蓄電池としての新たな価値を持つようになります。東京都の公式サイトである省エネ・再エネ住宅推進プラットフォームでも、太陽光発電で作った電気を電気自動車に貯めて家庭にも走行にも使うことができると明確に説明されています。

「「V2H」とは「Vehicle to Home」の略で電気自動車を充電するだけではなく、貯めた電気をご家庭で使用する仕組みです。」)。エネルギーを効率よく使い切るための重要な役割を担っていることが理解できます。  

EV充電設備との違い

EV充電設備は家庭用の電力を電気自動車へ一方的に給電する機器のことで、反対に電気自動車の電力を自宅に送り込むことはできません。

ですが、V2Hを導入すると、電気自動車の電力を自宅に給電できるようになります。

近年の電気自動車は航続距離が500kmほどまでに伸びるほど、バッテリーの大容量化が進んでいますが、走行していない時間は宝の持ち腐れです。V2Hがあれば電気自動車の電力を家庭にも効率よく使えるようになりますし、災害時に停電した時も役立ちます。

普段からお使いのコンセントや200V電源向けの機器が使用でき、電気自動車への急速充電も可能です。

V2Hには2タイプある

V2Hには大きく分けて太陽光蓄電池連系タイプと単機能タイプの2種類があります。電気自動車から家へ給電する際、系統や太陽光発電の電力が家で同時に使えるかどうかで違ってきます。

  • ◆太陽光蓄電池連系タイプ

太陽電池、蓄電池、電気自動車が連携します。太陽光発電による余剰電力がある場合、電気自動車、蓄電池に充電し、余った電力は売電します。これにより、余剰電力をより有効活用できます。電気の変換ロスも少ないのも特徴です。

  • ◆単機能タイプ

電気自動車と家庭内を繋ぎます。太陽電池と連系できるタイプもありますが、パワーコンディショナを介して電気の変換ロスが多く発生します。

V2Hイラスト

V2Hのメリットとは

V2Hを導入することで、電力供給の安定性が向上し、電力の自給自足が実現するのをはじめ、以下のようなメリットがあります。

節電効果が期待できる

V2Hは夜間の安い深夜電力を充電し、昼間に放電できるため、電気代の節約が期待できます。太陽光蓄電池連系タイプで太陽光発電と組み合わせるとより節約効果が向上するため、電気料金が高騰している近年は注目されています。

日中に使い切れなかった太陽光発電の電力を電気自動車に充電できるほか、太陽光発電が発電できない曇りや雨の日に、電気自動車に貯めた電力を使うという選択肢が増えます。

以前は売電だけしかできなった太陽光発電も、売電単価の下落や電力料金の高騰で、最近は電気を使い切る方が経済的に賢い選択肢になってきています。

災害時の備えに有効

V2Hがあれば、電気自動車を災害発生時の非常電源として活用できます。夜間に停電した際には電力会社の給電や太陽光発電の電力が利用できなくても、電気自動車に蓄えた電力を家庭で使えます。

日本は台風や地震などの自然災害が多く、停電のリスクが高いので心強いですよね。電気自動車のバッテリーは住宅用蓄電池よりも蓄電容量が大きく、停電しても数日間電力を使用することができます。

充電スピードが速い

V2Hの充電時間は、家庭用の200Vコンセントに比べて短いです。V2Hの出力は6kWと、200V普通充電器の2倍あるので、充電時間がおよそ半分で済みます。電気自動車に乗る際の充電不足の心配も減ります。

V2Hのデメリットとは

V2Hは家計を助け、防災面でもメリットがある一方で、機器をそろえるのに多額の費用がかかり、電気自動車の対応車種が限られるなどのデメリットもあります。

導入費用が高い

V2Hは電気自動車と自宅の分電盤を接続し、電気を直流から交流に変換した上で送電する仕組みのため、これら制御を行うための専用機器が必要となります。販売店や施工業者、メーカーや型番で変わりますが、本体価格や関連機器、設置費などで、だいたい100~150万円ほどの初期費用が必要になります。

また、電気自動車のバッテリーであるリチウムイオン電池は寿命があり、充放電を繰り返すと劣化が早まるため、交換する際にまた費用がかかります。充電の際には満タンに充電せずに80%ほどに抑えたり、運転中は急加速などでバッテリーが高温になるような負荷をかけないことが大切です。

V2Hの設置にはスペースも必要です。機器本体は電気自動車の充電口から数メートル以内に設置しなければ届かないため、マンションやアパートなどの賃貸物件や、自宅から離れた場所に駐車場を借りている場合はV2Hの利用が難しくなります。

外車に対応車種が少ない

電気自動車のすべての車種がV2Hに対応しているわけではありません。日本の代表的な国産6メーカーの多くは対応していますが、海外メーカーの電気自動車はメルセデス・ベンツやヒョンデの一部車種など、少ないのが現状です。V2Hに採用されている充電口が、日本発の規格であるCHAdeMO(チャデモ)となっていることが原因です。

ちなみに、電気自動車やプラグインハイブリッド車には充電口が2つあり、普通充電器は普通充電口に差し込みますが、V2Hは急速充電口を使います。充電口を間違うと故障の原因になるので注意しましょう。

SDGSイラスト

V2Hと家庭用蓄電池の違い

家庭の電気を効率的に使う手段として、V2Hと並んで家庭用蓄電池が挙げられます。どちらも電気を貯めて使うという基本的な役割は同じですが、容量や使い勝手において大きな違いがあります。それぞれの特性を理解し、目的に合った設備を選ぶことが大切です。以下の表は、V2Hに接続した電気自動車と一般的な家庭用蓄電池の違いを比較したものです。

比較項目V2H(電気自動車)家庭用蓄電池
蓄電できる容量約40~60kwhと大容量約5~10kwhと小容量
移動の可否車として移動させることができる自宅に固定されており移動できない
導入にかかる費用車両代を含めると非常に高額になる機器本体と工事費のみで比較的安い

バッテリーに蓄電できる容量の違い

家庭用蓄電池の一般的な容量は約5~10kwh程度ですが、電気自動車に搭載されているバッテリーは約40~60kwh上と非常に大容量です。単純計算で家庭用蓄電池の数倍から十倍近い電気を蓄えることができます。そのため、停電が発生した場合に家庭用蓄電池では一日程度しか電力が持ちませんが、電気自動車とV2Hを組み合わせれば数日間にわたって家庭内の電気を賄うことが可能です。

設置目的や使い勝手の違いを比較

家庭用蓄電池は常に自宅に設置されているため、天候や時間帯に関わらず安定して電力を充放電できます。一方でV2Hの場合、電気自動車で外出している間は家庭への給電や太陽光発電からの充電ができません。日中は車で出かけることが多い家庭の場合、太陽光発電の電気を車に貯める機会が減ってしまいます。

そのため、電気自動車の利用頻度や日中のライフスタイルに合わせて、家庭用蓄電池とV2Hのどちらが自分に合っているかを慎重に比較検討することが求められます。

V2H導入にかかる費用相場

V2Hを導入する際、最も気になるのが費用面です。機器本体の価格だけでなく、設置工事費や必要に応じた付帯工事費も考慮する必要があります。費用の内訳を正しく把握し、資金計画を立てることが重要です。以下の表は、V2H導入にかかる一般的な費用の目安をまとめたものです。

費用の内訳価格の目安変動する要因
機器本体価格約70~150万円単機能型かハイブリッド型かの違い
基本設置工事費約40~60万円配線の距離や分電盤の状況
付帯工事費数万円~10万円程度コンクリートの基礎工事の有無

V2H機器本体の価格目安

V2H機器の本体価格は、メーカーや機能によって大きく異なります。太陽光発電と連携しない単機能型であれば、約50万円~80万円程度が相場です。一方で、太陽光発電システムと効率よく連携できるハイブリッド型や、家庭用蓄電池とも連携可能な高機能モデルの場合は、100万円~150万円程度になることもあります。ご自宅の設備状況や将来の拡張性を考慮し、予算に見合った機器を選ぶことが大切です。

設置工事にかかる費用の目安

機器本体の価格とは別に、専門業者による設置工事費が必要となります。基本的な配線工事や機器の設置にかかる費用は、およそ40万円60万円程度が目安です。ただし、駐車スペースと自宅の分電盤が離れている場合は配線を延長する必要があり、追加費用が発生します。

また、機器を固定するためのコンクリート基礎工事が必要な場合も費用が上がります。正確な金額を把握するためには、複数の施工業者から見積もりを取ることを推奨します。

V2Hの利用開始を検討するポイント

電気代の節約などランニングコストを削減できるメリットがある一方で、多額な初期費用の負担が避けられないV2H。導入を検討するタイミングも重要です。

自宅の電力需要を把握する

特定の時間帯に電力量料金の安くなるプランに加入していると、V2Hによって電気料金を削減できる場合があります。大手電力会社や一部の新電力では、深夜帯や夕方、早朝、夏や冬場の夜間など、特定の時間帯に電力量料金の安いプランを提供しています。

そこで夜間や早朝など電力量料金の安い時間帯に電気自動車へ充電し、通常料金の時間帯や消費電力量の多い時間帯にV2H経由で電気自動車の電気を自家消費すれば、電気料金を削減できます。安い料金で電気を購入し、高い料金の時間帯に電気自動車で自家消費していくという考えた方です。

電気自動車の利用状況を考える

電気自動車を蓄電池として活用するV2Hは、駐車時にしか充電できません。頻繁に電気自動車を運転したり、普段から駐車している時間が短いという方は、電気自動車に電力を十分に蓄えにくく、電気代の節約につながりにくい可能性があります。

電気自動車をよく運転する方でも、V2Hと蓄電池を併用することで、電気自動車がV2H機器につながれていない時も電気を蓄えておくことが可能なので、選択肢の一つとしてご検討ください。

補助金を活用する

地方自治体によっては、V2Hや電気自動車が対象の補助金があります。国による令和5年度の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」では、機器費用の最大75万円、工事費の最大40万円の補助がでました。

令和6年度も同規模の補助金が出る可能性があります。申請期間中でも早期終了するケースがありますので、早い段階からの情報収集を心がけましょう。

さいごに

地球環境に配慮した生活を始められる、V2Hのある暮らし。化石燃料を使わない電気自動車とV2Hで、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出抑制に貢献することで、持続可能な社会や脱炭素社会の実現へ貢献できるようになります。

カーボンニュートラルに向けた取り組みを進めるサーラの「グリーンリフォーム」では、エネルギーを自ら創り、蓄え、節約しながら無駄なく活かすという「創エネ、蓄エネ、節エネ」の3つの視点から、さまざまな設備や仕組みを提案しています。V2Hや蓄電池、太陽光発電やエコキュート、ハイブリッド給湯器などを導入するリフォームを通して、地球環境だけでなく皆さまの快適な生活にも役立つ、エコでスマートな暮らしをご提供しています。

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■監修_サーラエナジー/エネルギー事業、暮らし事業担当者

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