エネルギー見える化のポイントは?メリットや導入手順を解説します

円安が進み、物価高騰が止まらない昨今、家庭や企業では省エネに向けたさまざまな取り組みが行われています。特に、省エネに効果のある取り組みのひとつとして近注目を高めているのが、電気やガスといった消費エネルギーの「見える化」です。
エネルギーの「見える化」が大きな効果をもたらす理由や、システムの取り入れ方、メリットや社会的意義などを解説します。
さあ、透明性のある、お得なエネルギー活用術をマスターしましょう!

目次
エネルギーの「見える化」とは

省エネに大きな効果をもたらすエネルギーの「見える化」とは、電力やガスなどのエネルギーの消費量を数値として表示・共有できるようにすることです。
特に、具体的な消費量や推移をリアルタイムで確認できるようになると、エネルギーがどの時間帯で、どの機器で、どのくらい使用されているのかという状況や課題を把握でき、どこに無駄や改善の余地があるのかを分析できるようになります。
分析に基づいて省エネに取り組み、その結果や効果も確認することができます。
エネルギー使用量を数値で把握する仕組み
目に見えないエネルギーを管理するためには、使用量をデータとして取得し、画面上で確認できる仕組みが必要です。専用の機器やシステムを導入することで、いつ、どこで、どのくらいのエネルギーが使われているのかをリアルタイムで確認できます。
これにより、従業員一人ひとりがエネルギーの使用状況を理解し、無駄な消費を減らす行動につなげることが可能です。
見える化の対象となる主なエネルギーの種類
見える化の対象となるのは、電力だけではありません。ガスや水道、さらには重油などの燃料も対象となります。企業活動において消費されるあらゆるエネルギーを総合的に管理することが重要です。
| 見える化の対象エネルギー | 主な用途 | 具体的な管理内容 |
| 電力 | 照明、空調、OA機器、生産設備 | 時間帯別の消費電力、ピーク電力の把握 |
| ガス | 給湯、厨房設備、暖房設備 | 月間使用量、機器ごとの消費量 |
| 水道 | トイレ、洗浄設備、冷却水 | 日々の使用量、漏水の早期発見 |
| 燃料(重油など) | ボイラー、発電機、大型設備 | 燃料の消費ペース、燃焼効率の確認 |
<見える化の例>
電力消費量を確認してみると、夜間の消費量が多い!
↓
改善策につなげる
(なるべく使う部屋を減らして照明を節約する)
(食洗機や乾燥機は電気代の安い深夜の時間帯にタイマーセットする)など
エネルギーの見える化が求められる背景とは?
企業がエネルギーの見える化に注力する背景には、経済的な要因や社会的な要求が複雑に絡み合っています。
電気代や燃料費の高騰によるコスト負担増加
近年、国際情勢の変化や燃料価格の変動により、電気代やガス代が高騰しています。企業の固定費においてエネルギーコストの割合が増加しており、利益を圧迫する大きな要因となっています。
そのため、無駄なエネルギー消費を減らし、コストを最小限に抑えるための対策が急務となっています。使用状況を見える化することは、コスト削減の第一歩として非常に重要です。
脱炭素社会の実現に向けたSDGsやESG経営の推進
世界的に脱炭素社会の実現が求められる中、企業にとっても環境への配慮は避けて通れない課題です。SDGsの目標達成や、環境、社会、ガバナンスを重視するESG経営を推進する企業が増加しています。温室効果ガスの排出量を削減するためには、まず自社のエネルギー消費量を正確に把握し、削減目標を設定する必要があります。
省エネ法改正による企業へのエネルギー管理の義務化
国はエネルギーの効率的な利用を促進するため、省エネ法を改正し、企業に対してより厳格なエネルギー管理を求めています。一定以上のエネルギーを使用する事業者には、エネルギー使用状況の報告や削減計画の提出が義務付けられています。法律を遵守し、適切な報告を行うためにも、正確なデータの取得と管理が不可欠です。
| 背景の要因 | 企業への影響 | 見える化による解決策 |
| エネルギー価格の高騰 | 固定費の増加による利益の圧迫 | 無駄な消費を特定し、コスト削減策を実施する |
| SDGsやESG経営の推進 | 投資家や消費者からの環境配慮への要求 | CO2排出量を算出し、削減目標の進捗を管理する |
| 省エネ法の改正 | 法令遵守と定期的な報告の義務化 | 正確なエネルギー使用データを取得し、報告作業を効率化する |
「見える化」に取り組む方法

ご家庭で電気やガスのエネルギーの「見える化」に取り組む方法はさまざまです。
電気を中心に、手軽にできる方法から紹介していきます。
検針票や照会サービス
電力・ガス会社から毎月届く検針票を確認したり、ウェブサイトでの照会サービスを利用したりすることで、毎月の使用量と料金を数値として把握することができます。
ただ、家庭全体の月単位での数値しか分かりません。
簡易型電力計
電気機器のプラグとコンセントの間に接続し、機器の電気使用量を測定する簡易型電力計を使用すれば、個別の家電の電力使用量を計ることができます。
スマートメーター
電力の使用状況を30分ごとのリアルタイムに検針し、通信回線を用いて電力会社へ自動送信します。政府もスマートメーターの導入を推進しており、現在利用されている電力メーターも2024年3月末までにすべてスマートメーターへ取り替えられる予定となっています。
HEMS(ホームエネルギーマネージメントシステム)
スマートメーターと連携することで、部屋ごとや、家電ごとの電力使用量の把握や遠隔での操作をはじめ、あらかじめ設定した使用電力量に合わせて家電の稼働制御ができるようになります。政府は2030年までにすべての住宅へHEMSの設置を目指しています。
家庭だけでなく、企業でもスマートメーターへの切り替えや、EMS(エネルギー管理システム)の導入が勧められています。
EMSは電気だけではなく、水道やガスなどの使用状況も把握できます。
1日単位や1カ月ごとに使用量がリアルタイムに把握でき、グラフ化して消費が多い時間を把握することもできるため、具体的かつ効果的な改善策を立てられるようになります。
エネルギー使用量を自動で監視する上に、さらに制御機能も搭載されており、無駄なエネルギー消費を削減できます。
エネルギーを見える化するメリット
エネルギーの見える化を導入することで、企業はさまざまな恩恵を受けることができます。
無駄なエネルギー消費を特定しコスト削減につながる
エネルギーの使用状況を詳細に把握することで、誰もいない部屋の照明が点灯している、深夜に不要な空調が稼働しているといった無駄を容易に発見できます。これらの無駄を一つひとつ解消していくことで、大幅なコスト削減を実現することが可能です。特に電力消費のピークを抑えることは、基本料金の削減にも直結します。
従業員の省エネ意識が向上する
自分たちがどれだけのエネルギーを消費しているかが具体的な数値やグラフで示されると、従業員の意識に変化が生じます。日常的な業務の中で、こまめに電源を切る、設定温度を適切に保つといった省エネ行動が自然と定着します。全社的な取り組みとして共有することで、組織全体の一体感も醸成されます。
企業価値の向上や環境保全アピールが可能になる
エネルギーの削減実績を具体的な数値として外部に公表することで、環境問題に積極的に取り組む企業としての姿勢を示すことができます。これは、取引先や消費者からの信頼獲得につながるだけでなく、投資家からの評価を高める要因にもなります。環境への配慮は、現代の企業活動において強力な競争力となります。
| メリットの分類 | 具体的な効果 | 期待できる成果 |
| 経済的メリット | 待機電力の削減、ピークカットの実施 | 電気代やガス代などのエネルギーコストの大幅な削減 |
| 組織的メリット | 数値データの共有による現状の理解 | 従業員一人ひとりの省エネ行動の促進と定着 |
| 社会的メリット | 環境報告書やウェブサイトでの取り組み公開 | 企業のブランドイメージ向上とステークホルダーからの信頼獲得 |
エネルギーを見える化するデメリット
エネルギーの見える化には多くのメリットがある一方で、導入にあたって考慮すべき課題も存在します。
システムの初期費用やランニングコストが発生する
エネルギーの見える化を実現するためには、計測機器や専用のシステムを導入する必要があります。これには機器の購入費用や設置工事費などの初期投資が伴います。
さらに、システムの保守点検やデータ管理のプラットフォーム利用料といったランニングコストも継続的に発生します。費用対効果を慎重に検討することが不可欠です。
データの分析や運用に専任の人員が必要になる
システムを導入してデータを収集するだけでは、具体的な削減効果は得られません。収集したデータを分析し、改善策を立案し、実行に移すための人材が必要です。専門的な知識を持つ担当者を配置するか、あるいは外部の専門家のサポートを受ける体制を整える必要があります。運用のための社内リソースの確保は、導入前の重要な検討事項です。
| 考慮すべき課題 | 具体的な内容 | 推奨される対策 |
| 費用の負担 | 計測機器の導入費、システムの月額利用料 | 削減見込み額とコストを比較し、適切な投資回収計画を策定する |
| 人材の確保 | データの分析と改善策の立案を行う担当者の不足 | 外部の専門サービスを活用するか、自動分析機能を持つシステムを選ぶ |
| 業務への影響 | 新しいシステムの操作を覚える従業員の負担 | 直感的で分かりやすい画面のシステムを選び、丁寧な社内研修を実施する |
さいごに【エコスマ診断の紹介】
エネルギーの見える化は、企業のコスト削減や環境問題への対応に不可欠な取り組みです。自社の目的に合ったシステムを選定し、全社で継続的な改善活動を行うことが成功の鍵となります。まずは自社のエネルギー使用状況を正確に把握することから始めてみてください。
省エネ生活の紹介をはじめ、さまざまな取り組みを展開するサーラの「エコスマ診断」をご紹介します。
簡単な情報を入力するだけで、気になる光熱費削減のヒントや、ご家庭にあった省エネ対策などのヒントが得られます。お住まいのエネルギー消費量の「見える化」もサポートし、給湯器やエアコン、浴室など、気になる箇所だけをピンポイントで診断もできます。
ぜひ一度お試しください。
参照:サーラ エコスマ診断
https://www.salaenergy.co.jp/eco-sma

■監修_サーラエナジー/エネルギー事業、暮らし事業担当者





