子どもの非認知能力を伸ばすためには?こんな習い事が向いている!

子どもの非認知能力を伸ばすためには?こんな習い事が向いている!

みなさんは、子どもたちの生きる力を育み、人生を豊かにするとされる「非認知能力」をご存知ですか?世界各国で研究や取組が行われ、日本でも近年、教育業界で注目を集めています。

学力やIQ(知能指数)のように数値化できる「認知能力」とは違い、目に見えづらく数値化しにくいと言われている非認知能力。その内容は具体的にどんなものなのでしょう。

今なぜ注目されているのか、また非認知能力を伸ばすおすすめの習い事は何なのか? わかりやすく紹介します。

非認知能力とはなに?

 あらためて、認知能力と非認知能力の2つの違いはなんでしょうか。その内容を具体的にみていきましょう。

認知能力とは、五感(見る・聞く・触れる・嗅ぐ・味わう)を通じて外部から得た情報をもとに、ものごとの現状を認識したり、言葉を操ったり、計算・学習・記憶を行ったりする力をいいます。おもに学力テストなどで数値化できる能力を指し、知能検査で測定できる能力ともいえます。IQという指標で表現され、子どもの認知発達の水準を評価するために用いられています。

これまで、私たちが一般的に「能力」という言葉でイメージしたのは、この認知能力ではないでしょうか。

一方で、「21世紀に求められる力」と言われる非認知能力は、以前の学校教育では身につけることができなかったスキルのことです。

学力テストで数値化して評価できる認知能力とは異なり、目に見えない内面的なもの。このスキルは心の状態、性格、行動に関係し、数値化しにくいですが、人間が生きていくうえで非常に重要な役割を果たします。

例えば、自己肯定感や意欲、やり抜く力、セルフコントロール、クリエイティビティなどがあり、幼児期から身につければ、将来の成功につながりやすいと言われています。

ひらめいた

非認知能力にはどんなものがあるか

非認知能力の種類は、研究者によってさまざまに定義づけられていますが、概ねその方向性は同じです。その中から、一例をご紹介しましょう。

自己肯定感

これは、自分自身に対する自信や価値を感じる力です。幼少期に自己肯定感を育むことで、物事にチャレンジする意欲が湧き、失敗を恐れずにトライすることができるようになります。

意欲

意欲とは、何かを積極的に行おうとする気持ちや行動力のことです。子どもが興味のあることに夢中になれる力ともいえます。

やり抜く力

やり抜く力、または「グリット」(GRIT)は、難しい課題に立ち向かい、最後までやり遂げる粘り強さを指します。グリットとは、Guts(困難なことにも立ち向かう「闘志」)、Resilience(失敗しても粘り強くやり続けられる「回復力」)、Initiative(自らが目標を見据えて行動を起こす「自発性」)、Tenacity(強い意志を持って最後までやり遂げる「執念」)の頭文字を組み合わせた造語で、ペンシルバニア大学の心理学者であるアンジェラ・リー・ダックワース氏が「才能やIQや学歴ではなく、個人のやり抜く力こそが、社会的に成功を収める最も重要な要素である」として提唱した理論です。

この理論によると、グリットは生まれ持った才能や環境によってのみ決まるものではなく、大人になってからでもトレーニングによって後天的に伸ばすことのできる能力とされています。社会的に成功している人が共通して備えている心理特性で、教育の分野だけでなく、ビジネスの世界でも注目されています。

セルフコントロール

セルフコントロールは、自分の感情や行動をコントロールする力です。これにより、落ち着きや我慢強さ、冷静な判断力が育まれます。

メタ認知

メタ認知は、自分の状況や立場を客観的に把握する力です。これにより、自分の強み・弱みを理解し、適切な行動を取ることができます。

社会的能力

リーダーシップやコミュニケーション能力など、他者と協力するためのスキルです。

回復力と対処能力

グリットの要素でもある困難な状況から立ち直る力(Resilience)や、新しい課題に対処する応用力があります。

クリエイティビティ

創造力や発想力、新しいアイディアを生み出す力です。遊びやアートなどの活動を通じて育まれます。

現行の小中学校の通知表を見てみると、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」という3つの観点で評価することになっています。

「主体的に学習に取り組む態度」とは、授業中の積極的な発言やノート・提出物の中での記述内容だけを指すのではなく、メタ認知によって自身の得手不得手を見つけて粘り強く取り組むことや、グループワークなどで他者と協力しながら工夫して学習を進めるなどを含み、非認知能力への評価と言えます。

このように挙げてみると、大人が社会の中で求められ、評価される能力そのものとも言えるのではないでしょうか。

クラスの友達と学習をする

非認知能力を伸ばすには

 非認知能力を伸ばすためには、以下のようなポイントが重要です。

褒めて自信をつけてあげる

子どもができたことを具体的に褒めることで、自己肯定感を高めることができます。

「やったね、すごいね」などの肯定的なフィードバックは、子どもの意欲を高め、次につなげていくことができます。

子どもの興味関心に寄り添う

子どもが夢中になれるものに触れさせることで、意欲や集中力、創造性などが育まれます。親が主導するのではなく、子どもの自発性を尊重し、その興味に寄り添うことが大切です。

失敗を恐れずチャレンジさせる

失敗を恐れず、子どもにチャレンジする機会を設けることが重要です。失敗を恐れないで挑戦する態度は、やり抜く力や回復力を育成します。

我慢する経験を積ませる

すぐに欲求を満たすのではなく、我慢することの大切さを伝えていきます。我慢する経験を重ねることで、セルフコントロール力が高まります。

客観的に物事を考えさせる

子どもに対して「どうしてそう思ったの?」「他にはどうすればいいかな?」と問いかけ、客観的に考える機会を設けます。メタ認知力の育成につながります。

友達と協調して何かに取り組ませる

友達と一緒に目標に向けて協力して取り組む機会を設けることで、社会性やコミュニケーション力が育成されます。 

困難な経験から学ばせる

課題に直面した際に、あきらめずに粘り強く取り組む経験を積ませることで、やり抜く力や回復力が身につきます。

自由な発想を大切にする

決まりきった答えを求めるのではなく、子どもの自由な発想を受け入れ、クリエイティビティを促します。

子どもの成長段階に合わせて、これらの関わり方を実践していくことが大切ですが、学校や家庭での取組だけではなかなか難しいですね。

学校での活動

非認知能力を伸ばす習い事

非認知能力は、遊びや生活の中で自然に身につくものですが、習い事で意識的に伸ばすこともできます。具体的な習い事の例を以下に挙げてみましょう。

演劇

表現力やコミュニケーション能力を高めます。演技を通じて自分の考えを表現し、他者と意見を共有することができます。

プログラミング

論理的思考力や問題解決力を育むだけでなく、グループワークの場合は協調性ややり抜く力も鍛えられます。

絵画造形教室

クリエイティビティや集中力を培います。一つの作品を完成させることで達成感とやり遂げる力が養われます。

チームスポーツ(サッカー、バスケットボールなど)

社会的能力や協調性、粘り強さを育むための最適な活動です。チームでの目標達成を通じてコミュニケーション能力も高まります。

楽器・リトミック

音楽を通じて表現力や集中力を高めます。リズムに合わせて体を動かすリトミックは特に小さな子どもにおすすめです。

水泳・体操

体力向上とともに、セルフコントロールや達成感を感じられる場です。個人競技でありながら集団指導を通じて協調性も学べます。

自然学習活動

キャンプや自然観察など、自然に触れ合うことで感性や創造力を育てます。新しい発見を通じて好奇心も高まります。

ボーイスカウト

規律やリーダーシップを学ぶのに最適です。アウトドア活動を通じて、様々なスキルを培うことができます。

絵画の習い事を通して非認知能力を向上させる

まとめ

お子さんの非認知能力を高めるために最も大切なのは、お子さん自身が「やりたい!」と自発的に行動を起こすことです。周囲から勧められたのではなく、自分から始めることで、グリット(闘志、回復力、自発性、執念)が鍛えられるはず。「これをやってみたい、続けたい」というものに出会えるよう、体験講座などを活用して気軽に色々な習い事に触れてみて、子ども自身が納得して始められるような機会を作ってあげられるといいですね。 

くらしときめきアカデミーでは、ダンス、音楽、スポーツ、料理など多様なキッズ講座をご用意し、気軽に見学・体験していただけます。 お子さんが興味を持ちそうな講座をぜひ探してみてください。

https://www.sala-academy.jp

■監修_サーラエナジー/アカデミー担当者

WRITER PROFILE

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書こ音(かこね)ライティング 森美香

元地方新聞社報道記者。
企業事務、医療事務、 英会話インストラクター など、さまざまな職種を経験。 記者を経て、現在は、自分史・社史関連、 行政、 観光協会、 企業、 雑誌などでフリーライターとして活動中。
一般社団法人自分史活用推進委員会認定・自分史活用アド バイザー。

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