ガスファンヒーターは高い?他の暖房器具との比較や節約方法を紹介!

冬の電気代が高騰する原因のひとつが、暖房器具によるものです。
今回は、暖房器具の中でも室内をより快適な環境にして、お手軽に使用でき、比較的安全で、光熱費の削減も見込めるガスファンヒーターを紹介します。
他の暖房器具との性能やランニングコストの比較、効率的な使用方法なども紹介しますので、これからの冬の暖房器具選びの参考にしてみてください。

目次
ガスファンヒーターのメリット
ガスファンヒーターは、ガス栓と接続すれば、ボタンひとつですぐに部屋全体を暖められるお手軽な暖房器具です。まずはメリットを紹介します。
すぐに部屋が暖まる
ガスを燃料とし、発生した熱をファンで送り出して部屋を暖めます。立ち上がりが早く、スイッチを入れると3〜5秒ほどで強い温風が出て、短時間で室内を暖めます。また、スポットではなく部屋全体を暖められることも魅力です。
寒さの厳しい真冬は過ごしやすく、特に朝の起床時や帰宅直後には便利ですね。
省エネ性能
ガスが引かれているお住まいであればガス栓につなぐだけで使えるため、初期費用はガスファンヒーター本体の購入費だけで、ランニングコストも比較的安く済みます。定期的なメンテナンスで継続的に使用できます。
臭いが気にならない
使用時に独特な臭いがしにくいこともメリットです。ガスを使用していますが、灯油のような臭いが気にならないため、敏感な人も安心です。
空気が乾燥しにくい
ガスの燃焼時に水分が発生するため、部屋が乾燥しにくいのも魅力の一つです。
エアコンの暖房などは空気を乾燥させがちですが、ガスファンヒーターは暖めながら適度な湿度も保ってくれます。
ガスファンヒーターのデメリット
一方で、ガスファンヒーターを使う際に知っておきたいデメリットもいくつかあります。
ガス栓がないと使えない
ガスファンヒーターは、都市ガスやプロパンガスの専用栓が必要です。そのため、ガス栓が部屋にない場合は設置工事が必要になります。賃貸住宅などでは設置できない場合もあるため、使用の可否を確認する必要があります。
こまめな換気が必要になる
ガスを燃焼させるため、室内の酸素を消費し、二酸化炭素が発生します。使用中は1〜2時間ごとに換気が必要です。
フィルター掃除の必要性
フィルターが目詰まりすると、吸気効率が下がり、十分な暖房効果が得られにくくなります。
説明書に沿って、無理なくできる範囲で定期的にケアしていきましょう。
火災・火傷のリスクがある
ガスファンヒーターは、火災や火傷のリスクがあるため注意が必要です。以下に、考えられるリスクをまとめました。
・温風吹き出し口の高温による火傷
ガスファンヒーターの吹き出し口は、使用中かなりの高温になるため、小さなお子さんやペットが近づいて触れると火傷の危険性があります。
・可燃物の近くに置くと火災の原因に
カーテンや洗濯物など、燃えやすいものが近くにあると引火の危険性があるため、吹き出し口の正面や本体の上には、物を置かないよう注意が必要です。
・ガス漏れ・不完全燃焼による火災
ガスホースの接続不良や経年劣化により、ガス漏れや不完全燃焼が起こると火災のリスクが高まります。
・転倒による火傷・火災
何かの拍子に本体が倒れたり、ホースが引っかかって抜けたりすると、火災や火傷の原因になります。狭いスペースや子どもが走り回る環境では注意しましょう。
参考:独立行政法人製品評価技術基盤機構
ガスファンヒーターと他の暖房器具との比較
ガスファンヒーターの導入をお考えの場合、ほかのいくつかの暖房器具も選択肢に浮かぶと思います。ここでは、性能や利便性などの面でガスファンヒーターのメリット、デメリットを紹介します。
エアコンと比べて
冷房機能も兼ね備えたエアコンは年間を通して利用できますが、ガスファンヒーターと比較した場合、室内がすぐに暖まらない、空気が乾きやすいといったデメリットがあります。
そして、ランニングコストの面でもガスファンヒーターの方がオトクです。
エアコンの場合は1時間あたり約20円の電気代を消費しますが、ガスファンヒーターはガス代と電気代合わせて約12円に抑えられます。
夏場はエアコンを多用して、冬はガスファンヒーターへの使用に切り替えるのが家計にとっても得策でしょう。
石油ファンヒーターと比べて
石油ファンヒーターは灯油を燃料とし、強力な温風で部屋を暖めます。ガスファンヒーターと同様に短時間で部屋全体を暖められるのが魅力ですし、ランニングコストもさほど変わりはありません。
ただ、灯油を補給する手間がかかります。寒い日にわざわざガソリンスタンドなどに燃料を買いに行ったり、補給する際には灯油をこぼしてしまう事故にも注意が必要です。そのため火災のリスクもガスファンヒーターに比べて高い傾向にあります。
ガスファンヒーターは手軽で、比較的安全なのです。
電気ヒーターと比べて
電気ヒーターとはセラミックヒーターやオイルヒーター、パネルヒーターなど、電気を熱源とする暖房器具の総称です。
手軽に使用できて狭い範囲ならすぐに暖められますが、部屋全体を暖めるには向いていません。
さらに、1時間あたりの電気使用量は約37円。広い範囲を暖めるために強力なモデルを選ぶとさらに消費電力が大きくなり、ガスファンヒーターに比べるとランニングコストが高くなります。
ガスファンヒーターを選ぶ際のポイント
ガスファンヒーターを選ぶ際のポイントをまとめました。
ガスの種類を確認
ガスファンヒーターには、
・都市ガス(13Aまたは12A)用
・プロパンガス(LPガス)用
の2種類があります。
ガス種が異なると使えないため、必ず設置場所のガスの種類に合った機種を選びましょう。
関連記事▶▶▶都市ガスとLPガスの違い
部屋の広さに合っているか
部屋の広さに合ったガスファンヒーターを選ぶことも重要です。対応する暖房の目安は、製品に「木造○畳・コンクリート○畳」などと表示されています。
使いたい部屋の広さと断熱性能を考えて選びましょう。
安全機能がついているか
安心して使うために、次のような機能がついているかチェックしましょう。
・不完全燃焼防止装置
・立ち消え安全装置
・転倒時自動停止機能
・チャイルドロック
特に、小さなお子さんやペットがいるご家庭では、安全機能が多い機種がおすすめです。
ガスファンヒーターのガス代節約方法
大がかりな初期投資はいらず、ランニングコストが比較的安いガスファンヒーターですが、物価高のこのご時世、少しでも光熱費を節約したいところです。
ランニングコストを抑えるコツを紹介します。
効率的に使う
ガスファンヒーターは必要な時にだけ使用し、こまめに電源を切りましょう。換気の意味合いも踏まえて、長時間のつけっぱなしは避けましょう。外出する際にも出発時ではなく、15分ほど前に電源を切るなど、ちょっとした工夫で使用時間を短縮できます。
また、設定温度を少し低めにすることも節約につながります。温度設定を20℃にして、使用時間を1日1時間短縮すると、ガス代と電気代合わせて年間で約2,150円の節約につながる可能性があります。
参照:経済産業省資源エネルギー庁
このほか、オートオフ機能、エコ運転、スポット暖房などの省エネ機能が搭載された機種もありますので、こちらもガス消費を抑えるのに有効です。
断熱対策をする
お部屋に断熱対策を施すことも有効です。
壁や床、天井に断熱材を入れる改修工事ももちろん有効ですが、手軽にできる対策もあります。
例えば、厚手で床まで届く長いカーテンに変更すれば、断熱効果が高まります。
窓に断熱シートを貼れば、冷気が入りにくくなります。
関連記事▶▶▶断熱リフォームの種類・費用相場・工期は?補助金制度もご紹介!
料金プランを変更する
ガス代を抑えたい場合、契約しているガス会社の料金メニューを確認しましょう。ガス会社を切り替えることでガス代が安くなる可能性があります。
ガス代はガスファンヒーターに限らず、給湯器などほかの用途でも使うので大幅な光熱費の削減が期待できます。
窓際に置く
ガスファンヒーターをなるべく窓際に設置しましょう。窓を背にして置くことで風通しが良くなり、室内を効率的に暖められます。窓から離れた場所だとヒーターで暖めた空気が窓側で冷えてしまい、暖房効率が悪くなります。
定期的にメンテナンスする
定期的にフィルターを掃除することで、ガスの消費を抑えられます。
エアフィルターに溜まったほこりは掃除機などで吸い取り、ほこりの付着が気になる場合はエアフィルターを取り外して中性洗剤で洗い、水気を切って乾燥させてから、再びヒーターにセットします。
汚れた状態のまま使い続けると事故につながる恐れもあるので、必ず説明書で掃除の仕方を確認し、販売店で点検整備を受けることも検討してみてください。
おわりに
寒い冬をより快適に、お手軽に、家計にも優しくお勧めしたいのがガスファンヒーターですが、使用するうえではこまめな換気が不可欠です。
換気が不十分な状態が続くと一酸化炭素中毒になる可能性があるため、必ず1時間に1〜2回はスイッチを切り、換気扇を回すか、窓を開けるようにしましょう。
外出する際には短時間であっても電源を切って、睡眠時は自動的にオフになるようなモードにしておくと安心ですね。火災予防のため、スプレー缶や衣類など、燃えやすいものを近くに置かないことも大切です。
上手に利用して、電気代を節約しながら寒い冬を乗り越えていきましょう。
サーラグループでは、さまざまなタイプや機種のガスファンヒーターを取り扱っているほか、各地域では商品を展示するイベントも開催しています。
お気軽にご相談ください。サーラプラザ365

■監修_サーラエナジー/エネルギー事業、暮らし事業担当者

WRITER PROFILE

由本 裕貴
1983年3月20日、愛知県豊川市生まれ。
御津高校、愛知大学を経て、2005年に日刊スポーツ新聞社入社。プロ野球やサッカー日本代表を担当し、2014年に東愛知新聞社へ転職。2021年からフリーに転向し、翌年から東日新聞ライターとして東三河のニュースや話題を追っている他、スポーツマガジンやオカルト雑誌などでも執筆。豊川商工会議所発行「メセナ」の校正も請け負う。著書に「実は殺ってないんです 豊川市幼児殺害事件」「東三河と戦争 語り継ぐ歴史の痕跡」「訪れたい 東三河の駅」がある。
家族は妻と長男。趣味はスポーツ観戦、都市伝説の探求。