がん保険は必要?不要?がん保険が必要かどうかを見極めるポイントを解説

がん保険は必要?不要?がん保険が必要かどうかを見極めるポイントを解説

治療や入院が必要なときのために「医療保険」に加入している人は多いのではないでしょうか。一方で、万が一がんになったときに備えるための「がん保険」は本当に必要かどうか悩む……といった声も。そこで今回はがん保険の必要性やがん保険の選び方、がん保険の疑問点について解説します。

がん保険は本当に必要?まずはがんのリスクを知ろう

がん(悪性腫瘍)と言えば、数多くの病気の中でも広く知られた病気であり、恐れられている病気でもあります。

周りの人や親戚にがんに罹患した人がいるという方も多いと思いますが、実際にがんの罹患率とはどれくらいあるものなのでしょう。

がんの罹患率はどのくらい?

医者

厚生労働省が発表している年齢ごとの死因を見てみると、1歳から100歳以上のすべての年代でトップ5にランクイン。年齢を重ねるごとにがんの罹患リスクも高まり、40代〜80代までの死因では、がんが一位を占めています。

男女別で言えば、女性は20代後半、男性は30代前半から罹患率が徐々に上昇し、50代までは女性の方が罹患率が高いのだとか。これは、乳がんや子宮頸がんなどの女性特有のがんは比較的若い年代でも罹患する確率が高いという背景があります。

また、がん情報サービスの最新がん統計によると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性65.5%(2人に1人)、女性51.2%(2人に1人)と発表されています。(2019年データに基づく)

がん統計 HOME:[国立がん研究センター がん統計] (ganjoho.jp)

がんになったらどうする?最近のがん事情

日本人の2人に1人ががんと診断される近年ですが、がんはもはや「不治の病」ではありません。日本人ががんで死亡する確率は男性25.1%(4人に1人)、女性17.5%(6人に1人)なのだとか。(2022年のデータに基づく)

厚生労働省のHPでも、がんの5年生存率は6割近くであり、さらに早期発見なら約9割が治癒すると記載されています。

この罹患率や生存率を考慮すると、わたしたち現代人はがんに罹患する前提で、がんと向き合い、がんを治療するための備えが求められていると言えるでしょう。

がんの治療にかかる主な費用は?

治療費

がんと診断されたら、一体治療にいくらくらい必要なのでしょうか。

がんの治療に要する費用について解説します。

がんの治療にかかる費用

がんの治療にかかる主な費用として、以下のような費用が挙げられます。

・診察費

・検査費

・入院費

・手術、放射線治療、薬物療法などの費用

・介護サービス費など

これらは公的医療保険の対象となるため、原則として3割負担となります。

保険の紙

治療以外にもかかる費用にも注意

注意したいのが、治療以外に公的医療保険の対象にならない費用があるということ。

例えば、

・通院・入院時の交通費

・公的医療保険の対象外の治療費(開発中の試験的な治療法や薬、最新医療機器を使った治療など)

・差額ベッド代、文書料(診断書など)、食費、日用品、医療用ウィッグ、家族の交通費と宿泊費、お見舞いのお返しなど

・生活費

これらの費用は保険外となるため、基本的に全額自己負担となります。

がん保険が必要かどうか見極めるポイントは?

いざ病気になったときの保障は必要だと考える人がほとんどですが、中には「医療保険に入っているから、がん保険に入る必要はないのでは」と思っている人も多いようです。

そもそもがん保険とはどんな保険なのでしょう。

がん保険とは

看護師から説明を受ける入院中の男性

がん保険とは医療保険の一種とも言えますが、がんに特化した保険のことを言います。

例えばがんと診断された場合に支払われる「がん診断給付金」、がんで入院した場合に支払われる「がん入院給付金」、放射線治療や抗がん剤治療などを受けるときに支払われる「放射線・抗がん剤治療給付金」など、高額になりがちながん治療に必要な保障が充実した内容になっています。

特に、高度な医療技術である「先進医療」は、高額な上に全額自己負担となるため、先進医療給付金が組み込まれたがん保険、または先進医療特約を付加できる保険も多数販売されています。

がん保険がいらないと言われる理由は?

このようにがんに対して手厚い保障を受けられるがん保険ですが「がん保険は必要ない」という意見も聞こえてきます。

それには、以下のような理由があります。

「高額療養費制度」を利用できるから

医療費の負担を軽くする公的制度として「高額療養費制度」というものがあります。

一日から月末までの一か月間にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合は、高額療養費制度を利用することにより、年齢および所得状況等によって設定されている自己負担限度額を超えた分の払い戻しを受け取ることができます。

ただし、あくまでも高額療養費制度が適応される費用は、医療保険上の自己負担分です。公的医療保険の対象外の費用には適応されないため、注意が必要です。

健康保険組合の「傷病手当金」がもらえるから

会社員で健康保険組合に加入している人は、例えがんで働けなくなったとしても「傷病手当金」を最長1年6か月間受け取ることができるため、がんの闘病中でもいきなり収入がゼロになるということはありません。

ただし、自営業やフリーランスなど、国民健康保険に加入している人は利用できないこともおさえておきましょう。

がん保険に入った方が良い人、入る必要がない人

以上のことを踏まえると、がん保険の必要性は人によって異なるため、自分に必要かどうかを見極めましょう。

保険

がん保険の必要性が高い人

生活習慣病や喫煙の有無、遺伝的がんリスク体質など、がんに罹患する確率が比較的高い方は、万が一に備えてがん保険を検討することをおすすめします。

また、高額療養費制度を利用したとしても、治療期間が長引くと支出が大きくなる可能性があります。貯蓄に不安がある人や、傷病手当金がない個人事業主やフリーランスの人、先進医療を受けたいと考えている人は、がん保険に入るメリットは大きいと言えるでしょう。

がん保険の必要性が低い人

反対に、公的保障の不足分を貯蓄でカバーできる人や、働けなくなってもしばらく傷病手当金を受け取ることができる会社員の人は、がん保険に入るメリットはあまり大きくないと思われます。その場合、毎月がん保険にかける分のお金を貯蓄にまわすというのもひとつの考え方ですね。

がん保険に入ると、どれくらい保障されるの?

給付金

がん保険に加入すると、得られる保障があります。一般的ながん保険の保障内容として、主に以下が挙げられます。

・がん診断給付金

がんと診断された際に、受け取れる給付金

・がん治療給付金(放射線・抗がん剤・ホルモン剤等)

がんにより、放射線治療や抗がん剤治療を受けた際に受け取れる給付金

・がん手術給付金

がんの手術をした際に受け取れる給付金

・がん入院給付金

がんで入院した際に受け取れる給付金

・がん通院給付

がん治療のために通院した際に受け取れる給付金

・がん先進医療給付金

所定の先進医療を受けた際に受け取れる給付金

以上が一般的ながん保険の保障内容ですが、保険商品や条件によって異なるため、詳細な内容は保険契約書や保険会社の案内を確認することをおすすめします。

また、保険料や支払い条件、免責額なども考慮に入れて保険商品を比較し、自身に最適な保険を選択することが重要です。

がん保険に関する疑問点

がんの治療は、公的保障で足りる?

がんの治療には、公的医療保険の対象外のさまざまな費用が必要になります。ただし、公的医療保険制度の対象にならないものでも、就業や収入の状況、身体の状態などに応じた支援制度が利用できることもあります。まずは自分に当てはまる制度がないかを確認してみましょう。

がんになった場合、医療保険で充分?

診察を受ける様子

医療保険は幅広い病気・ケガが保障されるため、がんになった場合でも入院給付金などを受け取ることができます。ただし、入院給付金の支払日数に制限が設けられている商品が多いため、支払日数を確認してみましょう。また、医療保険にがん特約を付加するという方法もあります。

ちなみにがんの治療が入院から通院に変化している近年では、がんと診断されたらまとまったお金が入る「診断一時金タイプ」が人気です。

がんと診断されてから保険に加入できる?

がんの治療が完了した人、またはがん闘病中の人でも加入できる保険はあります。ただし、他の商品と比べると保険料が高めになったり、保障内容も限定的になる場合が多いので、ファイナンシャルプランナーと相談して選ぶことをおすすめします。サーラフィナンシャルサービスではファイナンシャルプランナーと無料でご相談いただけます。

そして、もしがんと診断されたら「がん相談支援センター」などの各医療機関の相談窓口、ソーシャルワーカー、各自治体の相談窓口に尋ねてみましょう。また会社員の方は、社会保険労務士などの社会保険制度の専門家も相談先のひとつです。

今回は、がん保険が必要かどうかを見極めるポイントを解説しました。

がん保険に加入するメリットが大きいと感じた方は、がん保険への加入も検討してみましょう。まずはファイナンシャルプランナーにご相談いただくことをおすすめします。

■監修_サーラフィナンシャルサービス/担当者_資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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WRITER PROFILE

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mamhive ウシマルトモミ

ロンドン留学後、昼間は南青山のHP制作会社に勤務する傍ら、夜はヘアメイク専門学校に通学。
卒業後は東京のヘアメイク事務所に所属し、CMやテレビ、雑誌、映画など様々な現場を経験。

2014年独立後は、ヘアメイクとライターの二足の草鞋を履き、女性ライターチーム「mamhive(マムハイブ)」にて主に女性向け記事を担当。
現在は2男1女の子育てに奮闘しながら、幅広い分野のライティングを手掛ける。

双子座のA型
座右の銘は「人生夢を叶えるには短いが、夢を諦めるには長すぎる」

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