30代が知っておきたい貯金の話〜今からはじめる資産形成について〜(2023年4月最新版)

30代が知っておきたい貯金の話〜今からはじめる資産形成について〜(2023年4月最新版)

働き盛りと言われる30代は、20代に比べて収入が増え始める時期。ただしその分出費も多く、なかなかお金が貯まらない方も多いのではないでしょうか。
結婚資金や住宅購入費、さらには出産や教育資金などこれから必要となるお金はたくさんあります。今からでも貯金をはじめることで、お金が必要なライフイベントにも慌てることなく安心して迎えられるでしょう。また忘れてはいけないのが老後資金。まだまだ先の出来事のように思えますが、30代という若いうちからコツコツと貯めて、幸せなライフステージを過ごしましょう。

30代の貯金額って一体いくらくらい?

一般的に30代の人はいくらくらい貯金をしているのでしょうか。金融広報中央委員会の調査から見ていきましょう。

30代の平均貯金額

「家計の金融行動に関する世論調査(令和3年)」によると、30代の平均貯金額は、金融資産※を保有している総世帯では540万円、保有していない世帯を含む場合は387万円でした。

そのなかでも一人暮らしの場合、平均貯金額は638万円、二人以上の世帯では498万円(ともに金融資産保有世帯)となっており、金融資産を保有している一人暮らし世帯の平均貯金額が最も高いことがわかります。

※金融資産とは預貯金(ゆうちょ銀行の貯金を含む)、金銭信託、積立型保険商品(生保・損保)、個人年金保険、債券、株式、投資信託(MRF、MMF、REITなどを含む)、財形貯蓄、その他金融商品(金貯蓄口座、金融派生商品など)などの金融商品を指します

参照:Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況

https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2022_gai4.pdf

30代貯金額の平均値と中央値

ただし、この結果はあくまで平均値。平均値は少数の高額資産保有世帯によって集計が大きく引き上げられることもあるため、中央値も用いて考えてみる必要があります。

中央値とは、データを大きい順に並べたときに中位(真ん中)に位置するデータのことです。

次は、貯金を含む30代総世帯の貯蓄額(貯金以外に保険や有価証券等も含んだ額)について中央値とともに見ていきましょう。

30代の貯蓄額の平均は、金融資産を保有している世帯のみの場合980万円。金融資産を保有していない世帯を含む場合は702万円となります。

しかし中央値で計算すると、金融資産を保有している世帯のみの場合は370万円。金融資産を保有していない世帯を含む場合は155万円となります。

また世帯別に見ると、30代で金融資産保有世帯のみの場合、二人以上の世帯の貯蓄平均額が986万円、中央値は400万円。単身世帯は平均額965万円、中央値294万でした。

このように平均値と中央値には大きな差が出ていることがわかりますね

いくら貯金が必要?知っておきたい、30代からのライフイベント

30代の金融資産を保有している総世帯の貯蓄額中央値は370万。二人以上の世帯は400万、単身世帯は294万円という中央値でした。

30代は、夫婦・独身世帯ともに大きなお金が必要なライフイベントもたくさんあり、300万〜400万円では足りない場合もあるかもしれません……。

どのような際に費用が必要になるのか、確認してみましょう。

【30代から貯金は何のため?】夫婦の場合に必要な費用

夫婦等二人世帯の場合、30代からどのような支出が必要になるでしょうか。

夫婦二人が家庭の支出を考える姿

出産資金

子どもを望んでいる場合、出産に関する資金が必要となるでしょう。厚生労働省によると、令和3年度、入院分娩費用などの出産費用は全国平均で約47.3万円でした。健康保険から出産育児一時金が50万円支給されますが、分娩が長期休暇や深夜帯にかかった場合、割増料金になることも。また病院以外にも、産着やおむつなどの新生児用品やベビーカーにチャイルドシートなど、多くのベビー用品も必要となります。

子どもの教育資金

リビングにいる夫婦と子供二人

子どもの教育資金は、選ぶ進路によっても異なりますが、家計には大きな負担がかかります。一般的に言われているのが、すべて国公立を選択した場合でも、大学卒業までに必要な総額は子ども一人につき約1000万円。すべて私立を選択した場合その倍以上、つまり2000万円以上はかかるとも言われています。

住宅購入資金

教育費とともに家計を大きく圧迫するのが住宅購入資金でしょう。住宅金融支援機構が発表した2021年度フラット35利用調査によると、住宅購入価格は新築マンションが4,528万円、土地付き注文住宅が4,455万円、建売住宅が3,605万円、注文住宅が3,572万円となっています。

新築・中古や、地域によっても金額は異なるため、住んでいる地域の相場を掴んでおくと良いですね。

参照:2021年度フラット35利用調査

Microsoft PowerPoint – G_公表資料2021_0705 (jhf.go.jp)

老後資金

教育費や住宅資金は人によっては必要のない費用かもしれません。しかし老後資金だけはどんなライフスタイルを選択しても必要となる重要な資金です。

少し前に老後2000万円問題という言葉が世間を騒がせましたが、公的年金だけでは、ゆとりある老後を過ごすことは難しいと言われています。自分の力で老後資金を形成することが重要です。

こちらの記事も参考にしてみてください。↓↓

【30代から貯金は何のため?】独身の場合に必要な費用

独身世帯の場合、どのような資金が必要になるのでしょうか。

結婚資金

今独身であっても、いずれ結婚を考えている方は結婚資金を準備しておくと安心です。ゼクシィ 結婚トレンド調査2022によると、挙式、披露宴・ウエディングパーティーの総額平均は303.8万円でした。

ほかにも結婚指屋や婚約指輪、両家の顔合わせ、結婚式準備のエステサロン、新居への引っ越しなど、結婚式以外にも費用は必要となります。

参照:結婚トレンド調査2022

https://souken.zexy.net/research_news/trend.html

老後資金

独身の場合でも、老後の費用を準備することはとても大切です。

総務省の「家計調査年報(令和2年)」によると、65歳以上の単身無職世帯の場合、実収入は13万6,964円で可処分所得は12万5,423円。消費支出は13万3,146円で、約7,700円が不足していることがわかるように、今から老後資金を準備しておく必要があります。

30代には緊急時の予備貯金も必要

夫婦世帯・独身世帯ともに忘れず用意しておきたいのが緊急時の予備資金です。病気や怪我で働けなくなる、会社が倒産する……など万が一のことを想定しておく必要があります。

予備資金の目安は生活費3ヶ月〜半年分と言われています。例えば生活費が1ヶ月20万円であれば、最低でも60万円〜。できれば120万円以上の貯金を予備資金として確保しておくと安心です。

30代からはじめる!おすすめの資産形成方法

独身世帯の方も夫婦世帯の方も、しっかり地に足をつけてお金を貯金する必要性がわかっていただけたでしょうか。こちらでは30代からでも間に合う、おすすめの方法をご紹介しましょう。

【30代におすすめ!】積立型定期預金

毎月、決まった日に積み立てを行い、目標額をめざす方法です。目標に向けて確実に積み立てるため、貯金の意思が弱い方でも強制的に貯められるのが特徴です。

最低積立額は金融機関により異なりますが、条件内であれば自分で金額を決めて積み立てられます。金利は低いですが、途中で出金したり追加で預け入れできたりする場合もあるので、融通がきくところもメリットでしょう。緊急時の予備費用や、結婚費用・住宅購入資金など、目標額に合わせて計画的に預金ができます。

【30代におすすめ!】つみたてNISA

2018年からはじまった小額投資非課税制度、つみたてNISA。

運用商品は、積立型投資信託のみで、非課税投資枠は年間40万円、投資期間は最長20年。毎月小額をコツコツと積み立てる、長期の資産形成に向いています。

実は現行のNISAの新規買い付けは2023年で終了し、2024年からは新しいNISA制度がはじまります。新しいNISAの積立投資枠は、現行の3倍の120万円に拡大!現行制度とは分離して取り扱うため、2023年中につみたてNISAを開始すれば、新NISAの投資枠とは別枠で運用を継続することもできますよ。

【30代におすすめ!】iDeCo(個人型確定拠出年金)

2001年にはじまったばかりの私的年金制度、「個人型確定拠出年金」。iDeCoの愛称でも知られており、老後資金にゆとりを持たせたい方におすすめの年金です。

国民年金の加入区分によって拠出できる金額が異なり、2023年7月現在、自営業は月6万8千円、企業年金のない会社員は月2万3千円、専業主婦(夫)などは月2万3千円までと決まっています。

掛け金が控除対象となるため、個人年金よりも節税効果が大きいのが特徴です。また運用利益が非課税なことに加え、受け取り時も所得税控除の対象となるため、大きな控除が受けられるでしょう。ただし60歳まで引き落としができないため、緊急時の予備費用としては使えません。

iDeCoについてはこちらの記事を参考にしてみてください。↓↓

【30代におすすめ!】貯蓄型保険

保障と貯蓄の性質を併せ持った保険商品が貯蓄型保険です。

一般的に、終身保険や養老保険などと呼ばれています。また学資保険や個人年金保険も貯蓄型保険の種類です。保険の保障を受けながら貯蓄ができ、満期保険金や解約返戻金など、払い戻されるお金があるところが最大の特徴です。

30代の貯金について、自分に合う方法を見直してみよう

30代の資産形成やその方法について知っていただけたでしょうか。この記事では一般的なお話をさせていただきましたが、必要な貯金額や資金用途は人によってさまざまです。本当に自分に必要な貯金はいくらなのか。どのような貯金方法が合っているのか、知りたい場合には、ファイナンシャルプランナーに相談してみるといった方法もあります。

資金の作り方やNISAやiDeCoなどの投資のやり方、そして家計や保険の見直しまで、お金や貯金に関することをプロの視点でアドバイスしてくれるでしょう。またサーラでも、ファイナンシャルプランナーによる無料相談を行っています。女性はじめ多数のファイナンシャルプランナーが所属しており、土日でも相談ができます。一度、ご相談してみてはいかがでしょう。

相談予約はこちら(相談予約 (sala-fs.co.jp)

30代に多いライフイベントは人生設計を見直すきっかけにもなります。これからのライフステージで必要なお金をきちんと把握し、コツコツと貯金をはじめてみましょう。

■監修_サーラフィナンシャルサービス/担当者_資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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WRITER PROFILE

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mamhive 芝田ありさ

ライター歴15年。グローバルな視野と高いリサーチ能力、幅広い業界知識を併せ持つ行動派ライターとして、IT・住宅・金融・保険・教育を中心にライティングや取材を行う。得意のIT知識を活かしてホームページ制作も請け負っている。
女性ライターチーム「mamhive(マムハイブ)」に所属。

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