火災保険で台風被害は補償される?
災害大国と言われる日本。
なかでも台風の発生件数は特に多く、暴雨や暴風は各地に甚大な被害をもたらしています。私たちの住まいにも大きく影響を及ぼす台風ですが、火災保険に加入していれば、暴風・水災・落雷などの被害を補償してくれることはご存知でしょうか。
こちらでは、台風被害を補償できる火災保険の内容や受け取る保険金の種類について、詳しく解説いたします。
目次
火災保険で台風被害は補償されるの?
大切な建物や家財が、台風による被害を受けた場合、火災保険で補償ができます。
火災保険は火災だけでなく、台風被害にも対応しています。
火災保険の台風被害で補償される対象物は?
一般的な火災保険の対象は大きく分けて「建物」と「家財」があります。
建物のみを補償するプランや家財のみを補償するプランなど、火災保険の契約内容によって異なるので、まずは自分がどれを対象にした火災保険に加入しているのかを確認してみましょう。
持ち家の戸建ての場合、建物と家財の両方を補償対象にしている場合が多いでしょう
具体的に「建物」「家財」とはどんなものを指すのでしょうか。
台風被害にも適用される火災保険の「建物」とは
火災保険では、住居のみに使用される建物本体と、その建物に付随する門や塀、66㎡未満の車庫などの付属建物も建物の対象としています。敷地内の土地や建物に定着していて動かせないものだと捉えるとわかりやすいでしょう。
保険会社によって違いはありますが、一般的な具体例は以下の通りです。
・建物の基礎部分
・門や塀、車庫カーポートや物置などの付属建築
・建物に備え付けられている浴槽や調理台、便器など
・玄関ドア、畳や襖など備え付けの建具
台風被害にも適用される火災保険の「家財」とは
家財とは、保険の対象となる建物のなかにある家具や電化製品など生活に必要な道具を言います。建物とは異なり、自分で動かせるものだと考えるとわかりやすいでしょう。
保険会社によって違いはありますが、一般的な具体例は以下の通りです。
・ソファー、寝具などの家具類
・冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機などの家電類
・食器、衣類、書籍、日用品
・貴金属、美術品、骨董品など(補償の上限あり)
台風による被害に対応できる火災保険の種類
このように火災保険は、建物と家財を補償していることがわかりました。
台風による被害も補償してくれますが、火災保険の内容に「台風被害」という種類があるわけではありません。
豪雨や暴風雨が原因で起こる洪水や高潮などによる被害は「水災」、暴風や竜巻など風による被害は「風災」、落雷による被害は「落雷」という種類で、各々補償されます。
台風被害が火災保険で補償されないケース
台風被害は、水災補償、風災補償、落雷補償で補償されますが、場合によっては補償されないケースも発生します。
多いのが補償のもれです。基本的に落雷・風災は火災保険の基本補償に含まれていますが、水災補償は外すこともできます。水災補償を外している場合、もちろん水災に関する補償はされませんので注意が必要です。
【台風被害の火災保険】水災で補償されないケース
一般的に水災補償の保険金支払要件は、
・再調達価額の30%以上の損害を受けた場合
・床上浸水または地盤面から45cmを超えて浸水した場合
のいずれかに当てはまる場合に認められます。
この要件に満たない場合は、水災被害でも補償されません。他の補償されないケースには、以下が挙げられます。
集中豪雨で閉め忘れた窓から雨が吹き込み、家財が被害を受けた
偶発的な事故を補償する火災保険では、雨の吹き込みによる被害は基本的に補償対象外となります。ただし台風による強風で窓ガラスが破損して雨が吹き込んだ場合は、風災補償の対象となります。
車庫に停めていた自家用車が台風による浸水で水没した
車庫に停めている自家用車であっても、自動車は火災保険の対象に含まれないため水災による補償はされません。自家用車の損害は自動車保険で備えておきましょう。
ただし総排気量125cc以下の原付自転車に関しては家財として補償されるケースもあります。
【台風被害の火災保険】風災で補償されないケース
風災で補償されないケースには、以下が挙げられます。
台風による風が原因ではない物体の飛来による損害
台風でなくても強風で建物が破壊された場合は風災による被害として補償されますが、強風が原因でない場合は風災で補償はされません。(契約内容により、不測かつ突発的な事故として補償される可能性があります)
また建物の経年劣化が原因で損害が発生した場合も、補償対象にはなりません。
【台風被害の火災保険】落雷で補償されないケース
落雷で補償されないケースには、以下が挙げられます。
落雷によってパソコンやゲーム機が壊れ、保存データが消失した
落雷でパソコンやゲーム機が故障した場合、本体の修理費用は補償されます。しかしデータやソフトウェアなどの無形物に関しては、落雷による被害としての補償はされません。
台風被害で受け取れる火災保険金
火災保険で受け取ることができる保険金には主に「損害保険金」と「費用保険金」があります。具体的にどのような保険金の種類があるのでしょうか。
損害保険金
台風による風災や水災で損害があった場合、その損害に対して支払われるのが損害保険金です。損害を受けた部分の修理費用や再購入費用が支払われますが、契約時に免責金額が定められている場合は、免責金額を引いた額が支払われます。
費用保険金
費用保険金は、建物や家財の損害を対象とした損害保険金とは別に、さまざまな費用をサポートするために支払われる保険金です。
主に以下のものが挙げられます。
臨時費用保険金
台風による被害や修理で自宅に住めない場合、臨時に利用したホテルなどの宿泊費用などを賄ってくれるのが臨時費用保険金です。保険会社にもよりますが、支払われる金額は損害補償金の10%〜30%が相場です。
残存物片付け費用保険金
損害保険金が支払われる場合、被害を受けた対象を修繕する際の瓦礫の残がいなどを片付ける費用が支払われる保険金です。建物の取り壊し費用や搬出費用、廃棄処分費、清掃費用などが含まれます。かかった実費が支払われますが、損害保険金の10%ほどが限度です。
損害防止費用保険金
火災・落雷・爆発等の事故において、損害の発生・拡大防止のために負担した実費が支払われます。例えば台風による落雷で火災が発生し、初期消火に消火器を使用した場合。消火器を買い直すための費用が、補償されます。
台風被害による火災保険金の請求方法
それでは実際に台風被害が発生した場合、どのように保険会社に請求すればよいのでしょうか。
火災保険を契約した代理店や保険会社に連絡
被害状況が確認できたら、まずは契約した保険代理店や保険会社へ連絡します。
保険証券が手元にあれば用意し、契約者名や証券番号とともに事故の日時や状況を伝えます。
台風被害の修繕見積もりや被害状況がわかる写真を用意
保険金請求には、修繕に必要な見積もりや、被害状況のわかる写真の提出が必要となります。ハウスメーカーや工務店などに相談し、修繕見積もりを出してもらいましょう。
そして被害の程度がわかる写真と一緒に、保険会社に提出します。
火災保険の保険金請求書の記入提出
保険会社から届いた保険金請求に必要な書類に記入をします。場合によっては、罹災証明書や印鑑証明書、建物の登記簿謄本が必要になる場合もあります。
台風被害による火災保険金の認定・支払い
保険金請求書を提出すると、保険会社による被害状況の調査・確認の後、支払われる保険金の額が決定します。鑑定人による現地調査が行われることもあります。
調査により確定した保険金額は、契約者指定の口座に振り込まれます。
火災保険に加入して、思いがけない台風被害に備えておこう
火災保険は、火災だけでなく、台風による大雨や暴風による被害を広く補償してくれることがわかりました。日本では毎年いくつもの台風が上陸し、甚大な被害も報告されています。いつ発生してもおかしくない自然災害のためにも、火災保険の加入を検討したり見直しをしたりしてみるとよいかもしれませんね。
サーラフィナンシャルサービスでも、火災保険のご相談を承っております。サーラで火災保険に加入した場合、修繕見積もりの取得から修繕、保険金請求まですべてサーラグループ内で完結できるので、スムーズに保険金を受け取ることができます。
新規加入はもちろん、現在の火災保険に関して不安がある方も、お気軽にご相談ください。
■監修_サーラフィナンシャルサービス/担当者_資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
WRITER PROFILE
mamhive 芝田ありさ
ライター歴15年。グローバルな視野と高いリサーチ能力、幅広い業界知識を併せ持つ行動派ライターとして、IT・住宅・金融・保険・教育を中心にライティングや取材を行う。得意のIT知識を活かしてホームページ制作も請け負っている。
女性ライターチーム「mamhive(マムハイブ)」に所属。