2023年度版 住宅ローン控除はいつまで?期間や条件、疑問点について徹底解説!
住宅ローンを利用して住宅を購入した際に、大きな恩恵を受けられる住宅ローン控除(住宅ローン減税)。所得税や住民税からの控除が受けられ、住宅購入者にとってメリットとなる税制優遇措置です。2022年には税制改正が行われ、適用期限は2025年末入居まで、控除期間は最大13年間と延長。控除率は0.7%となりました。
「控除はいつまで受けられるの?」「住宅ローン控除に条件などはあるの?」など、気になる点もたくさんありますよね。
この制度を活用して税制優遇を最大限受けるために、住宅ローン控除の活用方法やよくある疑問点について解説していきます。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)ってなに? いつまで?
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用する人に対して、無理のない負担で住宅の取得を支援・促進しようと国が行っている控除制度のことです。
正式名称は「住宅借入金等特別控除」。住宅ローンを組んで家を買う場合、年末調整や確定申告時に、年末のローン残高の0.7%が所得税(一部翌年の住民税)から最大13年間控除されます。
住宅ローン控除ってなに? いつまで?
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用する人に対して、無理のない負担で住宅の取得を支援・促進しようと国が行っている控除制度のことです。
正式名称は「住宅借入金等特別控除」。住宅ローンを組んで家を買う場合、年末調整や確定申告時に、年末のローン残高の0.7%が所得税(一部翌年の住民税)から最大13年間控除されます。
いつまで受けられる?住宅ローン控除とは
もともと住宅ローン控除は2021年までの制度で、控除期間は原則「10年間」でした。
しかし昨今、新型コロナウイルス感染拡大などで落ち込んだ経済の回復目的や、2050年のカーボンニュートラルや脱炭素社会の実現や省エネ住宅や太陽光発電設備の設置普及に向けて、2022年に税制改正が行われました。
そこで適用期限は2025年末入居までに延長。さらに控除期間は最大「13年間」と、3年伸びることになりました。いつまで?と不安に思っていた方には朗報ですね。
2023年現在住宅の購入を考えている方も、利用できることになります。
ただし、今まで年末の住宅ローン残高に対して1%であった控除率は、0.7%へと引き下げられているためご注意ください。
住宅ローン控除を利用するための要件と申請方法はいつまで?
住宅ローン控除は、ローンを組んだすべての建物に適用されるわけではありません。それでは、一体どのような建物が対象となるのでしょうか。
住宅ローン控除が適用される要件と申請方法について確認しましょう。
住宅ローン控除は、ローンを組んだすべての建物に適用されるわけではありません。それでは、一体どのような建物が対象となるのでしょうか。
住宅ローン控除が適用される要件と申請方法について確認しましょう。
住宅ローン控除を利用するための要件
住宅ローン控除を利用するためには、一定の要件を満たす必要があります。さらに住宅が新築なのか中古なのか、リフォームなのかにもよって要件も異なります。
2022年の税制改正後、新たに住宅ローン控除の適用のためのそれぞれの主な要件を確認しましょう。
新築住宅を購入した場合の住宅ローン控除
以下の要件をいずれも満たす必要があります。
・住宅ローンの返済期間が10年以上であること
・住宅ローン控除を受ける年の年間合計所得金額が2,000万円以下であること
・床面積が50平方メートル以上であり、床面積の1/2以上が居住用であること(特例として2023年末までに建築確認を受けた新築住宅で40平方メートル〜50平方メートル未満の場合、年間合計所得金額が1,000万円以下であること)
・住宅取得日から6ヶ月以内に自己の居住を開始し、適用を受ける年の年末まで住み続けていること
中古住宅を購入した場合の住宅ローン控除
中古住宅の場合、新築住宅の要件に加えて以下の要件を満たす必要もあります。
・1982年1月1日以降に建築されたもの
・耐震基準適合証明書などで、地震に対する安全基準に適合していることが証明できるもの
リフォーム・増築工事をした場合の住宅ローン控除
住宅ローンを利用して増築やバリアフリーなどの工事をした場合にも、住宅ローン控除は適用されます。新築住宅の要件に加えて以下の要件を満たす必要があります。
・いずれかに該当する改修工事であること
・大規模の修繕又は大規模の模様替えの工事(増築、改築、建築基準法に規定による)
・マンションなど区分所有部分の床、階段又は壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事
・家屋の居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関、廊下のいずれかの床、または壁の全部について行う修繕・模様替えの工事
・一定の耐震改修工事
・一定のバリアフリー改修工事
・一定の省エネ改修工事
・増改築の工事に要した費用が100万円以上であり、その1/2以上の額が居住部分の工事費用であること
・自己所有であり自身が居住する住宅であること
確定申告はいつまで?住宅ローン控除の申請方法
要件を満たし住宅ローン控除が利用できる場合でも、自動的に控除が適用されるわけではありません。まずは入居した年の翌年、入居年の収入を申告する確定申告を行いましょう。
住宅ローン控除に必要な確定申告とは
確定申告とは、1年間の所得に対する所得税を計算し、国に納税する手続きのことを言います。会社員や公務員などで源泉徴収をされていて確定申告が必要ではない人でも、住宅ローン控除を利用するためには最初の1年目だけは確定申告をする必要があります。
住宅ローン控除のための必要書類と流れ
住宅ローン控除を利用するためには、以下の書類が必要になります。
・確定申告書(国税庁のサイト)
・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書(国税庁のサイト)
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 原本(金融機関)
・土地・建物の登記事項証明書 原本(法務局)
・土地・建物の不動産売買契約書や建物の工事請負契約書 写し(契約した建築業者など)
・本人確認書類
「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」は、年末に借入先の金融機関から郵送されます。原本が必要ですので見逃さないように注意しましょう。
なお、2年目以降は確定申告ではなく、勤務先の年末調整で住宅ローン控除の手続きができます。その際も、毎年残高等証明書は必要になります。
住宅ローン控除に関するよくある質問
住宅ローン控除に関するよくある疑問点をご紹介します。
ふるさと納税と住宅ローン控除って併用できる?
希望する自治体に寄付をすることで、所得税の還付や住民税の控除が受けられるふるさと納税。住宅ローン控除との併用を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から言うと併用自体は可能です。
ふるさと納税に「ワンストップ特例制度」を利用する場合は、ふるさと納税控除対象が住民税のみ。住宅ローン控除の所得税分に影響せず、併用に問題はありません。
注意してもらいたいポイントは、ワンストップ特例制度を使わずに「確定申告」にてふるさと納税を利用する場合です。こちらは所得税も控除対象になりますが、所得税の控除は、ふるさと納税が優先的に行われます。
つまり、住宅ローン控除でふるさと納税後、所得税の残りから控除されなかった分は、住民税から控除されることになります。住宅ローン控除の住民税には控除上限があるため、上限を超えた場合は住宅ローン控除の恩恵をすべて受けることができなくなる場合があるのです。
なお、年末調整での住宅ローン控除ができない住宅ローン1年目は、ふるさと納税もワンストップ特例制度は利用できません。
確定申告によるふるさと納税寄附金控除が必要なので、こちらも併せてご注意ください。
住宅ローン控除のための確定申告を忘れてしまった場合は?いつまで申告できる?
初年度、確定申告による住宅ローン控除を忘れてしまった場合でも、5年以内なら還付申請ができます。忘れていた場合は、すぐに必要書類を揃えて税務署で手続きを行いましょう。必要書類を亡くしてしまった場合は、金融機関や税務署に再発行の手続きをします。
住宅ローン控除を活用して、節税の恩恵を受けよう!
人生で一番大きな買い物と言われる住宅ローン。住宅ローン控除を上手に活用することで、大きな恩恵を受けることができるでしょう。
まずは自分や建物が対象要件に当てはまっているかを確認した上で、注意点を抑えて最大限の節税ができると良いですね。
■監修_サーラフィナンシャルサービス/担当者_資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
WRITER PROFILE
mamhive 芝田ありさ
ライター歴15年。グローバルな視野と高いリサーチ能力、幅広い業界知識を併せ持つ行動派ライターとして、IT・住宅・金融・保険・教育を中心にライティングや取材を行う。得意のIT知識を活かしてホームページ制作も請け負っている。
女性ライターチーム「mamhive(マムハイブ)」に所属。