人気の高い分譲地!購入前に知っておきたいメリットと注意点は?
土地探しでポータルサイトや広告を見ているときに、「分譲地」という土地を目にしたことはありませんか?
分譲地は、不動産会社や住宅会社が買い取って区画整理を行った土地で、造成地を安価に購入できるなど、さまざまな魅力があります。
しかしその一方で注意点もあるため、購入前に両者を知って比較検討することが大切です。
今回のコラムでは、分譲地のメリットと注意点をお伝えします。
目次
分譲地とは?宅地との違い
冒頭でもお伝えしたように、不動産会社や住宅会社が土地を購入し、住宅を建てられるように区画整理を行ってから販売している土地を「分譲地」といいます。
分譲地によって土地の大きさや区画数はさまざまですが、10区画以下の小規模分譲地もあれば、20区画を超える大規模分譲地もあります。
「宅地」との違いを問われることもありますが、宅地は登記記録に載る土地の使用目的なので、分譲地も宅地に該当し、どちらも“家を建てられる土地”という部分は同じです。
違う点は、宅地は単独地として売り出されているのに対して、分譲地は複数の区画に分けた土地が一斉に売り出されます。
分譲地を購入するメリット
分譲地を購入するメリットを3つお伝えします。
- 購入時点でインフラが整備されている
- 住みやすいように周辺環境が計画されていることが多い
- 同じタイミングで入居する世帯が多く馴染みやすい
購入時点でインフラが整備されている
単独地では、電気・ガス・上下水道などのインフラが整っておらず、購入後に自己負担で行うケースも少なくありません。
工事範囲によっても費用は異なりますが、水道管が敷地から離れていたり浄化槽の設置が必要だったりすると、インフラ整備だけで100万円を超えることも。
さらに土地の地盤調査や改良が費用になると、数十万円〜数百万円の費用がかかる可能性もあります。
一方で分譲地は、土地の造成やインフラ整備が終わった状態で販売されているため、これらの費用が一切かかりません。
造成にかかる工事費用を抑えられる分、建築費用に予算を充てられるのはもちろん、すぐに着工できる点もメリットです。
住みやすいように周辺環境が計画されていることが多い
分譲地は数十区画が一斉に売り出されるため、住みやすいようにゴミステーションや公園などの周辺環境も含めて計画されます。
とくに大規模分譲地が売り出されるときには、スーパーやコンビニ、ドラッグストア、病院などの生活利便施設も同時に建てられることが多く、住環境が整っているのが魅力です。
同じタイミングで入居する世帯が多く馴染みやすい
昔からある団地や住宅地では、近隣住民の人間関係ができあがっています。
自分から積極的に話しかけたり町内会に入会したりしなければ、周囲に馴染むまでに時間がかかってしまうでしょう。
それに対して分譲地は、一斉に土地が売り出されるため、近くに住んでいるのは同じタイミングで入居する世帯ばかりです。全員が1から人間関係をスタートさせるので、コミュニティに参加しやすい点がメリットと言えます。
また、分譲地はファミリー層からの需要が高いため、親だけではなく子ども同士のつながりができるのも魅力のひとつ。分譲地内で交友関係が築けていれば、通学も安心です。
分譲地を購入する前に知っておきたい注意点
住民が暮らしやすいようにさまざまな整備が行われている分譲地ですが、“複数世帯が一斉に移り住む”ことには、デメリットもあります。
ここでは分譲地を購入する前に知っておきたい注意点を、3つ見ていきましょう。
- 住宅会社が指定される可能性がある
- 選ぶ区画によって住みやすさに差が出る
- 近隣住民にどのような人がいるのか事前調査ができない
住宅会社が指定される可能性がある
分譲地は住環境の整った土地を購入できる点が魅力ですが、施工会社が指定されていたり、土地の売買契約から着工までの期間が定められてたりすることも珍しくありません。
このように条件のある土地を、「建築条件付き土地」といいます。
“条件付き”と聞くと自由度が低いのではないかと心配になりますが、住宅会社と期間に指定があるだけで、注文住宅と同じように間取りや仕様、設備などは決められます。
住宅会社にこだわりのない方にとっては、建築条件付き土地である点はさほど問題とならないでしょう。
しかし、依頼したい住宅会社が決まっている方や、複数社を比較検討したい方にとってはデメリットになり得る部分です。さらに期間が設けられている場合は、打ち合わせも駆け足になりがちです。
分譲地を購入するときには、建築条件付き土地であるのかを必ず確認しておきましょう。
選ぶ区画によって住みやすさや価格に差が出る
分譲地は選ぶ区画によって、住みやすさや価格に大きな差が出ます。
たとえば同じ分譲地内であっても、前面道路が面している方角によって日照時間が異なり、南側道路は日当たり良く日照時間も長いのに対して、北側道路は日照時間が短く日当たりが良いとは言えません。
そのため南側道路の土地のほうが価格は高く、北側道路はやや価格が低くなっている場合がほとんどです。
「同じ分譲地内だから、どの土地もあまり条件は変わらないだろう」と考える方も多いのですが、角地や真ん中など、土地の位置関係や道路の位置によっても、住みやすさに差が出ます。
引っ越し後に暮らしにくさを感じたとき、内装はリフォームできても土地を変えることはできません。
日当たりや風通しはもちろん、隣家との位置関係、優先順位などから、どの区画が自分たちの価値観に最も近いのかを考えながら区画選びをしてください。
近隣住民にどのような人がいるのか事前調査ができない
分譲地では、同じタイミングで入居する世帯が多い点をメリットとして挙げましたが、時にはそれがデメリットとなり得ます。
どのような人が近隣住民になるのか、引っ越すまでわからないからです。
また、同時期に移り住んだという仲間意識から近所付き合いが密になりやすいので、人との関わりに疲れてしまう心配もあります。
人付き合いが苦手な方や人と一定の距離感を保ちたい方は、単独地のように土地柄をある程度調べられる土地のほうが安心かもしれません。
分譲地のメリットと注意点を知って、後悔のない土地購入を
インフラや周辺環境が整った状態で販売されている分譲地は、住みやすさや価格面でさまざまなメリットがあります。同じタイミングで引っ越す人がほとんどなので、コミュニティ形成がしやすい点も魅力のひとつです。
しかし住宅会社に指定があったり、区画によって住みやすさや価格に差があったりと、いくつか注意点もあります。
人付き合いに関しても、事前調査ができない点はデメリットになり得るため、分譲地はどのような人にでもおすすめできるわけではありません。
中部ガス不動産では、分譲地はもちろん、単独宅地などのさまざまな条件の土地を取り扱っております。ヒアリングからお客様の価値観により近い土地を提案いたしますので、土地をお探しの方は、まずはご相談ください。
■監修_中部ガス不動産/担当者_資格:宅地建物取引士
WRITER PROFILE
井本 ちひろ
建築科系学科卒の住宅×金融専門ライター。
子供に「おかえり」が言える仕事を探してライターの道へ。
大学で得た経験とFP2級の知識を活かし、家づくり、水回り設備、エクステリア、火災保険、相続など、住宅にまつわる幅広い記事を中心に活動中。