インナーバルコニーで後悔しない!メリットとデメリットを解説!
「バルコニーがほしいけど、急な雨で洗濯物が濡れないか心配」「バルコニーにダイニングセットを置きたい」という方におすすめなのが、インナーバルコニーです。
今回のコラムでは作った後に後悔がないようインナーバルコニーの特徴について説明します。
目次
家づくりで人気の「インナーバルコニー」とは?
屋根のない屋外スペースをバルコニーと呼びますが、インナーバルコニーは建物の内側にある、屋根付きの屋外スペースを指します。
外壁から張り出す形ではなく、外壁内にすっぽりと収まっているのが特徴です。
インナーバルコニーとベランダの違いは?
インナーバルコニーとベランダは混同されやすいですが、形状や面積が違います。
インナーバルコニーとベランダはどちらも屋根付きのスペースではありますが、インナーバルコニーは建物の内側にある一方で、ベランダは建物の外に張り出しているのが特徴です。
面積もインナーバルコニーより小さい場合がほとんどで、主に洗濯物を干すスペースとして使われます。
家づくりにおけるインナーバルコニーのメリット
屋外でありながらも屋根のあるインナーバルコニーには、バルコニーやベランダにはない、さまざまなメリットがあります。
リビングの延長として活用できる
インナーバルコニーは、リビングの延長として活用できる点がメリットです。
ウッドデッキやタイル、ラグなどを敷いてダイニングセットを置けば、セカンドリビングのような感覚で、ゆったりとした時間を過ごせます。
隣家とある程度距離があれば、BBQを楽しむこともできるでしょう。
天候の影響を受けにくい
スペース全体が屋根に覆われているインナーバルコニーは、天候の影響を受けにくいというメリットもあります。
奥行きがしっかりとあれば、雨が降ったときに洗濯物や家具が濡れる心配がありません。
共働きなどで家を空ける時間が多い家庭も、安心して外干しをして出かけられます。
また、雨に濡れなければ床もあまり汚れないので、ベランダやバルコニーよりも掃除の手間がかからないのもうれしいポイントです。
プライバシーを確保できる
2階や3階に作るインナーバルコニーは人目に触れづらく、プライバシーを確保できます。
洗濯物はもちろんですが、お子さんがプールをするときにも人目を気にする必要はありません。
もし視界に隣家のベランダやバルコニーがある場合は、手すり部分を高くすれば目隠しもできますのであとから後悔することもないでしょう。
開放感のある空間を作れる
インナーバルコニーは屋外でありながらも室内のようで、とても開放感があります。
屋外で人目を気にせずゆっくりとくつろげるのは、インナーバルコニーならではのメリットです。
家づくりにおけるインナーバルコニーのデメリット
天候の影響を受けづらく、さまざまな活用方法があるインナーバルコニーですが、知っておきたいデメリットもあります。
延べ床面積に含まれてしまう
3方向を壁に囲まれて屋根もあるインナーバルコニーは、建物の内部として扱われるため、延べ床面積に算入される場合がほとんどです。
容積率や建ぺい率、わずかながらも固定資産税に影響する可能性があります。
また、延べ床面積が大きくなればその分建築費も高くなり、さらに断熱や防水施工によって設置費用も高くなりがちです。
税金や建築費を優先するのなら、延べ床面積に含まれないベランダ(幅2m以内)や通常のバルコニーを選択することで後悔せずに済むでしょう。
間取りに支障が出やすい
インナーバルコニーは建物の内部に作るので、他の部屋の面積を削る必要があったり、部屋の収まりが悪くなったりと、どうしても間取りに影響してしまいます。
土地面積の関係で容積率や建ぺい率がギリギリになっている場合などは、インナーバルコニーよりもベランダやバルコニーが適していることも。
担当者と相談のうえで、設置を検討することで後悔が無くなります。
家づくりでインナーバルコニーを取り入れるときの注意点
とても便利そうに思えるインナーバルコニーですが、取り入れたことを後悔している方がいるのも事実です。
満足のいくインナーバルコニーを作るためには、次のような点に注意しましょう。
目的に合わせた間取りを考える
インナーバルコニーは「なんとなく」で作るのではなく、明確な目的に合わせた間取りを考えましょう。
たとえばリビングの延長としたいのなら2階リビングにしたり、洗濯物を干すのなら主寝室に設けたりと、日当たりだけではなく設置目的を考えることが大切です。
場合によっては他室の位置関係にも影響するので、まずはインナーバルコニーを設ける目的を考えてみてください。
用途に合わせた設備の設置を考える
目的の延長ではありますが、用途に合わせた設備も考えておく必要があります。
たとえばインナーバルコニーでプールをしたり、スロップシンクを設けてアウトドア用品や汚れものを洗ったりするのなら、水栓が必須。
リビングの延長にする場合は、壁や手すりを高くして目隠しをしたり照明を付けたりすれば、よりくつろげる空間になります。
インナーバルコニーを作る目的を考えたら、用途に合わせた設備も考えることで後悔のリスクを減らすことができます。
備品の収納場所を確保する
インナーバルコニーは天候に影響されづらいスペースではありますが、大雨や強風、台風時には、さすがにインナー部分も濡れてしまいます。
ダイニングセットやBBQセット、アウトドア用品などの備品を置く予定の方は、そのような事態に備えて収納場所を考えておかなくてはなりません。
リビングや空き部屋、倉庫などに、備品を収納できる場所と動線を確保しておきましょう。
インナーバルコニーが向かない場合もある
ここまで説明してきたように、土地面積や間取り、目的によってはインナーバルコニーを作らないほうがいいケースもあります。
家づくりの優先順位を明確にし、本当にインナーバルコニーを設けるべきなのかを、しっかり考えてみてください。
まとめ
共働き家庭が増え、家づくりにおいてプライバシーの確保も重要視されている昨今、インナーバルコニーはとてもメリットの多いスペースです。
しかし、建物の内側にあるがゆえに間取りに影響し、建築費や税金が高くなり、思ったような活用ができず後悔した方が多いのも事実です。
インナーバルコニーの面積や設置場所、必要性などをしっかりと家族と担当者で話し合い、後悔のない家づくりをしてくださいね。
■監修_サーラ住宅/担当者
WRITER PROFILE
井本 ちひろ
建築科系学科卒の住宅×金融専門ライター。
子供に「おかえり」が言える仕事を探してライターの道へ。
大学で得た経験とFP2級の知識を活かし、家づくり、水回り設備、エクステリア、火災保険、相続など、住宅にまつわる幅広い記事を中心に活動中。