吹き抜けは後悔する?よくある失敗例と、快適な暮らしを実現する対策を解説
吹き抜けのある家に憧れるものの、後悔しないか不安ではありませんか。本記事では、吹き抜けでよくある後悔のポイントを具体的に解説します。
さらに、寒さや音、メンテナンスといった課題を解決し、一年中快適に過ごすための対策も紹介しているので、理想の家づくりの参考にしてください。

吹き抜けで後悔しがちな10のポイント
吹き抜けには多くの魅力がありますが、その構造上の特性から生じるデメリットも存在します。ここでは、実際に吹き抜けのある家に住んでいる人が感じやすい後悔のポイントを10個紹介します。事前に知ることで、対策を立てやすくなります。
冬は寒くて光熱費がかさむ
暖かい空気は上に昇る性質があるため、吹き抜けがあると暖房で暖めた空気が上部の空間に逃げてしまい、人が過ごすリビングなどの1階部分がなかなか暖まりません。
その結果、暖房の設定温度を上げたり、長時間稼働させたりする必要があり、光熱費が高くなる傾向があります。特に冬場の寒さが厳しい地域では、この問題はより深刻になります。
夏は日差しが強く暑すぎる
吹き抜けに大きな窓を設けると、夏場は強い日差しが直接室内に入り込み、室温が上昇しやすくなります。特に、南側や西側に大きな窓があると、日射熱の影響で冷房が効きにくくなり、快適に過ごせないことがあります。日差しが眩しくてテレビが見えにくい、床や家具が日焼けしてしまうといった問題も起こり得ます。
リビングの音が2階に筒抜けになる
吹き抜けは上下階を一つの空間としてつなぐため、音が非常に響きやすくなります。
リビングでのテレビの音や会話、キッチンでの作業音などが2階の寝室や子供部屋まで伝わりやすいです。家族間で生活リズムが異なる場合、夜遅くのテレビの音がうるさくて眠れない、子供が寝ている間に家事がしにくいといった問題が生じ、プライバシーの確保が難しくなることがあります。
料理の匂いが家中に広がってしまう
音と同様に、匂いも家全体に広がりやすいのが吹き抜けのデメリットです。キッチンで調理した焼き魚やカレーなどの匂いが、吹き抜けを通じて2階の寝室や衣類にまで付着してしまうことがあります。来客時に慌てて換気しても、一度広がった匂いはなかなか消えにくいものです。
天井や窓の掃除・メンテナンスが大変
吹き抜けの高い位置にある窓や照明、シーリングファンなどは、日常的な掃除が困難です。 窓を拭きたくても手が届かず、照明器具の電球交換やシーリングファンの掃除には専門業者に依頼する必要があり、高所作業費などの追加費用が発生することがあります。このメンテナンスの手間とコストは、設計段階では見落としがちな後悔ポイントです。
2階の居住スペースが狭くなる
吹き抜けを設けるということは、その分2階の床面積が削られることを意味します。
開放感を優先した結果、子供部屋や収納スペースなど、2階に必要なスペースが十分に確保できなくなる可能性があります。特に敷地面積が限られている場合、間取り全体のバランスをよく考えないと、生活のしづらさにつながってしまいます。
プライバシーの確保が難しい
吹き抜けに面して2階の廊下や部屋のドアがあると、1階から2階の様子が見えやすくなります。家族の気配を感じられるというメリットがある一方、子供の友人が遊びに来た時や、家族が個室で過ごしたい時に、プライバシーが保ちにくいと感じることがあります。
耐震性に不安を感じることがある
吹き抜けは、構造的に床や壁が少なくなるため、水平方向の力(地震や強風など)に対する強度が低くなる可能性があります。もちろん、建築基準法に則って耐震計算が行われますが、吹き抜けがない家に比べて壁量が少なくなるのは事実です。大きな吹き抜けを希望する場合は、耐震性を確保するための補強が必要になることもあります。
照明の交換やプランニングが難しい
吹き抜け空間全体の明るさを確保するための照明計画は意外と難しいものです。高い位置に照明を設置するため、電球が切れた際の交換が大変です。
また、デザイン性だけで照明器具を選ぶと、リビングで本を読むには暗すぎたり、逆に眩しく感じたりすることもあります。生活シーンを想定した適切な配置と明るさの計画が重要です。
カーテンの選択肢が限られ費用も高い
吹き抜けの高窓にカーテンやブラインドを設置する場合、サイズが大きくなるため費用が高額になりがちです。
また、開閉を手動で行うのが難しいため、電動式を選ぶことが多く、これもコストアップの要因となります。デザインの選択肢も限られることがあり、インテリアにこだわりたい人にとっては悩ましい問題です。

吹き抜けの後悔を防ぐ7つの対策
吹き抜けの後悔ポイントを知ると不安になるかもしれませんが、適切な対策を講じることで、これらのデメリットは十分に解消できます。ここでは、快適な吹き抜け空間を実現するための具体的な対策を紹介します。
家の断熱性・気密性を高める
吹き抜けの最大の課題である「寒さ」を解決するには、家の性能そのものを高めることが最も重要です。高性能な断熱材を使用したり、隙間をなくして気密性を高める「高気密・高断熱住宅」にすることで、外気の影響を受けにくく、家全体の温度を一定に保ちやすくなります。
これは、冷暖房の効率を格段に向上させ、光熱費の削減にも直結する最も効果的な対策です。
シーリングファンで空気を循環させる
シーリングファンは、吹き抜けの必須アイテムと言っても過言ではありません。冬は天井付近に溜まった暖かい空気を下に降ろし、夏は人に風を送ることで体感温度を下げ、冷房の効率を高めます。シーリングファンを設置するだけで、上下の温度ムラが解消され、快適性が大きく向上します。デザイン性の高い製品も多く、インテリアのアクセントとしても機能します。
全館空調システムを導入する
家中の温度を均一に保ちたいなら、全館空調システムの導入も非常に有効な選択肢です。 家全体を一つの空間として捉え、24時間換気しながら冷暖房を行うため、吹き抜けがあってもリビングと2階の温度差がほとんどなくなります。初期費用はかかりますが、部屋ごとのエアコンが不要になり、家中どこにいても快適な温度環境で過ごせます。
床暖房を設置して足元から暖める
冬の寒さ対策として、床暖房も効果的です。暖かい空気が上に昇ってしまう吹き抜けの弱点を、床からの輻射熱で補うことができます。足元からじんわりと暖まるため、体感的な暖かさを得やすく、快適なリビング空間をつくれます。シーリングファンと組み合わせることで、より効率的に部屋全体を暖めることが可能です。
間取りを工夫して音や匂いを制御する
音や匂いの問題は、間取りの工夫である程度緩和できます。例えば、寝室や書斎など静かに過ごしたい部屋は、吹き抜けから離れた位置に配置するのが基本です。また、キッチンとリビングの間にドアを設けたり、2階ホールと各部屋の間にドアを設けたりすることで、音や匂いの広がりを抑制できます。
メンテナンスしやすい設計を考える
設計段階で、メンテナンスのしやすさを考慮しておくことが重要です。照明器具は、電球交換がしやすいように昇降式のタイプを選んだり、2階の廊下から手が届く位置に設置したりといった工夫が考えられます。また、高窓の掃除のために、吹き抜けの周りに「キャットウォーク」と呼ばれる細い通路を設けるのも一つの手です。
性能の高い窓やブラインドを選ぶ
夏の暑さや日差し対策には、窓の性能が鍵となります。断熱性の高い「樹脂サッシ」や、2枚のガラスの間に空気層がある「ペアガラス(複層ガラス)」、日射熱をカットする「Low-Eガラス」などを採用すると効果的です。さらに、電動で開閉できるブラインドやロールスクリーンを設置すれば、手軽に日差しの量を調整でき、快適性を高めることができます。

後悔だけじゃない!吹き抜けのメリットについて
これまで後悔ポイントと対策を中心に解説してきましたが、もちろん吹き抜けにはそれを上回るほどの魅力があります。ここでは、吹き抜けがもたらす素晴らしいメリットを紹介します。
空間が広く見える
吹き抜けを取り入れると縦方向の広がりができるので、視覚的に空間が広く感じます。
天井があると狭いと感じる面積のリビングや玄関でも、吹き抜けを作ることで面積以上の広さに感じられる点がメリットです。
吹き抜けといえば“広い家だからできる”というイメージがあるかもしれませんが、最近ではリビングがコンパクトになりがちな狭小住宅でも多く取り入れられています。
採光と通風を確保できる
吹き抜けはハイサイドライトやトップライトと組み合わせると、明るさと風通しを確保できます。
高い位置から日の光が入ってくるので、日当たりが不安な土地や、プライバシーの観点から大開口を設けるのが難しい住宅密集地で大活躍します。
「利便性はすごくいいけど日当たりが心配」「前面道路の人通りが多い」などの土地の悩みを解消してくれます。
家族とのコミュニケーションが取れる
1階と2階をつなぐ吹き抜けは、リビングからの呼びかけが伝わりやすく、家族とのコミュニケーションが取りやすい点もメリットです。
お子さんが思春期を迎え自室にこもりがちになっても、部屋にいる気配を感じられるので、親としては安心感があるでしょう。
後悔しない!サーラの家は吹き抜けと相性抜群!
サーラの家は吹き抜けと相性が良く、おしゃれな空間を演出しながらも快適な住まいを実現することができます!その理由をご紹介します。
サーラの家は「断熱」にこだわり抜いている!
吹き抜けのデメリットにも挙げたのが空調効率の低下。サーラの家は断熱性能も気密性能
も業界トップクラスでありながら、外断熱という特殊な作り方で家を包み込むように断熱し、家中の温度差が生まれにくい造りとなっている為、吹き抜けを作っても一年中快適に住むことができます!
サーラの家は「設計」にこだわり抜いている!
吹き抜けのデメリットについてはすべてを完全に解消することは難しいかもしれません。しかしながらサーラ住宅ではお家のご契約を頂く前に1組のお客さまに対し、1人の専属の設計士がついてプランの提案をしてくれる、「暮らしミーティング」という仕組みがあります。
そこでは一人ひとりのお客さまの要望を聞くだけではなく、自分では気づくことができなかったような課題点の発見や解決方法の提案を設計のプロがしてくれるため、自分好みの吹き抜けを作りながらも不安な点を最小限にしてくれるような素敵な提案をしてもらうことができます!
まとめ
開放感があり採光や通風も確保できる吹き抜けは、注文住宅でとくに人気の間取りです。住宅密集地や狭小地などで広さや日当たりに不安があるときにも、吹き抜けを作ることで快適な住まいを叶えられるでしょう。
吹き抜けならではのデメリットもありますが、住宅設備や内装、間取りなどの工夫で解消することもできます。サーラ住宅ではお客さまが後悔のない住まいづくりができるようなさまざまな提案の幅を持ち合わせています。
吹き抜けを作りたいとお考えの方は、ぜひサーラ住宅にご相談ください!

■監修_サーラ住宅/担当者