家づくりでできる地震対策は何がある?地震に強い家を計画しよう!
地震大国と言われている日本。そんな日本で家を建てる際に欠かせないのが地震対策です。近年、大きな揺れが連続して起こるなど、長期間の地震対策が求められるようになってきています。
今回は家づくりにおける地震対策の種類やその特徴について解説します。
目次
家づくりにおける地震対策①「土地選び」
家づくりを検討している方は「災害に強い家づくり」を重要視されている人がほとんどかと思います。
土地選びで重要なのは「地盤の強さ」です。いくら地震に強い建物を建てても地盤が弱ければ意味がありません。建物を建てる前に、まずは地盤がどの程度建物に耐えられるのかなどもしっかりと調べる必要があります。
液状化現象
特に普段何気なく生活を送っていたときに気づかず、地震が発生した際に表れるのが液状化現象です。液状化現象とは、地下の水位が高い未固結の砂地盤地において発生し、地震が起きたときに地面から泥や水があふれ出てくる現象を言います。
海沿いの低湿地、埋立地、干拓地など、様々な地域で起こる可能性があります。
土砂災害
地盤を確認する際に注意しておきたいのがこの土砂災害です。山が近くにないから大丈夫かと言うとそうではありません。少し坂になっている土地などでも地震があった場合、地盤ごと滑り落ちるように崩壊する可能性があります。過去にそのような事象が起こっていないか、地盤の改良が行われている場所ではないかなど、地盤の高低差などと併せて確認しておくことが大切です。
このように、事前にしっかりと周辺の地盤の強さを調べることが家選びの最大のポイントの一つです。
家づくりにおける地震対策②「耐震等級」
次に紹介するのは、「耐震等級」についてです。そもそも耐震等級とは、地震に対する建物の強さ(耐震性)を表す指標です。
耐震等級は、建物や構造物が地震による揺れに対してどれだけ安全かを示すもので、一般には耐震等級が高いほど、地震による被害が少なくなります。
建物の耐震性に応じて次の3つのランクに分けられています。
耐震等級1
等級の中では最も低いランク。建築基準法では耐震基準が設けられており、この耐震等級1を最低限満たすことが建築基準法で定められています。地震6〜7の地震にも1度は耐えられる耐震性ではあります。しかし、その後大規模な修繕や住み替えが必要になる可能性があります。
耐震等級2
耐震等級1の1.25倍の耐震性を備えられていると評価されている建物です。地震6〜7の地震に耐えられる耐震性で、一部補修を行えば生活できる可能性が高いです。耐震等級2の建物は長期優良住宅としても認定される、ある程度の安全が確保できた状態と言えます。体育館や学校、病院などは耐震等級2以上が求められます。
耐震等級3
耐震等級1の1.50倍の耐震性を備えられていると評価されている建物です。耐震等級3は耐震等級の中でも最高位です。震度6〜7の地震にも複数回耐えられ、損傷なども最低限に抑えられるとされています。警察署や消防署など災害復興の重要な拠点となる場所は耐震等級3レベルを満たしているケースが多いです。
大地震には、余震が頻繁に続くなど想定外の出来事が多く起こります。最悪のケースに備え、より高いランクの耐震等級を検討することが重要と言えます。
家づくりにおける地震対策③「免震(めんしん)」
免震(めんしん)とは、建築物や橋梁などの構造物が地震に対して揺れないようにするための技術や設計の手法のことを言います。
免震装置は、特に高層階の構造物の基礎や上部構造に設置され、地震の揺れを吸収・減衰させる働きがあります。代表的なものは、摩擦制震装置や液体ダンパーなどがあります。これらの装置は、地震発生時に揺れを抑制し、建物全体にかかる力を軽減します。
ただし戸建への採用は多大なコストを要するため、採用率はかなり低いのが現状です。
家づくりにおける地震対策④「制震(せいしん)」
制震(せいしん)とは、建築物や橋梁などの構造物が地震による揺れを制御・吸収し、被害を軽減する技術や手法のことを言います。制震技術は、地震発生時における建物の振動を制御し、人命を守るとともに建物の被害を最小限に抑えることを目的としています。
摩擦制震装置や液体ダンパー、ばね制震装置などの制震技術では、建物や橋梁の構造に組み込まれ、地震時に揺れを抑えることで被害を最小限に抑える役割を果たしてくれます。
戸建て住宅への採用が非常に増えてきているのがこの制震装置です。家自体の耐震性能もかなり高くなってきていますが、相手が自然である以上何が起こるかわかりません。特に大震災と言われるほどの大きな揺れが複数回にわたり起こる地震においては、家へのダメージの蓄積が命取り(建物の倒壊の原因)になる為、この制震装置により小さな揺れから大きな揺れまで家へのダメージを軽減させるというわけです。
家づくりにおける地震対策⑤「高い品質を保てる家」
地震に強い頑丈なお家を建てても、新築時に地震が来るかはわかりません。もしかしたら10年後、20年後、30年後…と家が古くなった後に大地震が来る可能性もあります。では、その時にその家が頑丈なまま保てているでしょうか?
家も自動車のように定期的にメンテナンスを行うことで新築時の頑丈な耐震性を保つことができるのです。また、耐震性に大きくかかわる構造躯体の劣化も家の建て方(工法)や住宅会社の取り組みによっても大きく異なります。サーラグループでは構造躯体が長持ちするように他のメーカーなどがあまり行わない特別な建て方をしています。詳細については、以下のURLからご覧ください!
参照:サーラ住宅HP「高耐久性」
https://sala-house.co.jp/chuumon/technology/kaiteki/taikyuusei.html
まとめ
ほとんどの方が一生で一度の大きなお買い物となる家づくり。
家族の命を守ることはもちろんのこと住み続けられる場所を同時に守る為にも家づくりの際には、地震対策をしっかりと検討して進めるようにしましょう。
■監修_サーラ住宅/担当者
WRITER PROFILE
岩下加奈
愛知県豊橋市在住。地元出版社に勤め、東三河エリアを中心とした住宅情報誌の編集長などを勤める。名古屋や東京などの雑誌・WEBのライティングや編集を行い、年間1000件以上の取材をこなす。豊橋市市役所広報アドバイザー、東三河の魅力を発信する講師活動、審査員なども務める。ワンライフコミュニケーション株式会社ゼネラルマネージャーとして、企業様・個人向けの外部広報を担当。