主なライフイベントにかかる費用はどのくらい?
人生にはさまざまなライフイベントがあり、イベントごとに多くの費用も必要となります。いつどんなライフイベントを迎えるかは人それぞれで、将来の考え方によっても大きく異なります。自身のライフプランを設計することで、今まで漠然としていた未来が明確になり、必要となるお金を計画的に準備することができるでしょう。
そこで今回は、人生で迎える大きなライフイベントとかかる費用をご紹介します。自分の夢や理想の生き方を実現させるためにも、将来に欠かせないライフイベントを把握し、ライフプランを考えてみましょう。
目次
ライフイベントとは?費用はかかるの?
ライフイベントとは、結婚・出産・住宅購入や介護など、生まれてから亡くなるまでの間に多くの人が経験する大切な出来事のことを言います。ライフイベントには多くの出費がつきもの。事前にライフイベントについて考えることで、将来必要な資金に備えることができるでしょう。
ライフイベントを重視したライフプランを設定し、費用を用意しよう
ライフプランとは、さまざまなライフイベントに備えた人生計画のことを言います。人生100年時代。消費税を始めとする税金も上がり、年金受給年齢も上がり、老後2000万円問題なども議論を巻き起こす昨今、将来についてしっかり考えていかないと理想の暮らしは送れないかもしれません。
これから起こりうるライフイベントを想定し、お金が必要となるタイミングで必要な金額を捻出できるように貯蓄をしたり運用して備えることが大切です。ライフプランを設計し、これからの人生を可視化してみましょう。
一生涯のライフイベントと費用について
さまざまなタイミングで発生するライフイベントですが、具体的にどのようなイベントで、いくらくらい費用が必要になってくるのでしょうか。おおよその金額とともにご紹介します。
就職活動費用 約6万円〜
一般的に高校卒業や大学卒業に合わせて就職活動は行われますが、就職活動にもお金がかかります。まず必要になるのはリクルートスーツで、男女とも1.5万〜3万円程が相場です。
他にお金がかかるのは、交通費や飲食費、宿泊費が挙げられます。特に地方から上京して就職活動をする場合は、飛行機や新幹線、ホテル代などが必要となるので、しっかり予算を把握しておきましょう。ただし近年はコロナ禍を経て、リモート面接を行っている企業も増えてきています。
結婚費用 約300万円〜
結婚は、人生のなかでも家族が増える大きなライフイベントです。「ゼクシィ 結婚トレンド調査2023」によると、挙式、披露宴・ウエディングパーティーの総額平均は327.1万円でした。ただし結婚式の場合、ご祝儀をいただけますので自己負担額はもう少し少なくなります。
ご祝儀額の平均は197.8万円で、挙式、披露宴・ウエディングパーティーにおけるカップルの自己負担額の平均は153.7万円となっています。
しかし、ご祝儀で多少カバーできるからといって油断はできません。他にも結納や両家顔合わせでの費用、婚約・結婚指輪費用・新婚旅行費などで約100万円以上は必要となるでしょう。
近年は結婚にあまりお金をかけない「地味婚」を選ぶ方も増えてきています。夫婦でどこまでお金をかけるのかを話し合い、お互いが納得いく結婚スタイルが実現できると良いですね。
出産費用 約47万円〜
出産も、家族が増える一大イベントです。厚生労働省の調査「出産育児一時金について」によると、令和3年度の出産費用の平均は、公的病院で418,810円、私的病院で486,880円でした。正常分娩の場合、公的医療保険制度は適用されないため、出産費用はすべて自己負担となります。一方帝王切開など異常分娩の場合は、手術費や入院費等、公的医療保険の給付の対象となります。
ただし正常分娩の保険適用外の出産費用は、ほとんどが公的医療保険の被保険者や被扶養者が出産した場合に受け取れる「出産育児一時金」でカバーすることができます。また、妊娠中は母体と胎児の健康管理のための妊婦検診が必要ですが、こちらの費用についても自治体から助成がなされます。助成額は地域によって異なりますので、お住まいの自治体に確認しましょう。
妊娠・出産にかかるお金について詳しくはコチラの記事も参考にしてください。
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教育費用 約1000万〜
出産後、子どもが大きくなり幼稚園や保育園、各種学校に通うようになると教育費がかかります。教育費は公立と私立によって大きく異なります。文部科学省の「令和3年度子どもの学習費調査」によると、幼稚園は公立で約165,000円、私立309,000円、小学校は公立約353,000円、私立では約1,667,000円、中学校は公立約539,000円、私立約1,436,000円、高校は全日制で公立約513,000円、私立約1,054,000円の額が年間かかるとされています。
この金額には習いごとや学習塾などの「学校外活動費」も含まれており、公立小学校・中学校ではこの学校外活動費が全体の6割にも及びます。習いごとなどの費用は親心から掛けすぎてしまう傾向もありますが、本当に必要なものを厳選することが教育費削減の大きなポイントとなるでしょう。
また大学への進学を考える場合、高校卒業後も教育費はかかります。大学の学費も国公立・私立で大きな差があり、令和3年度の文部科学省の調査によると国立大学の授業料は4年間で約243万円に対して私立大学は約400万円かかります。理系の私立大学に進学する場合はさらに多額の学費が必要です。
大学の学費について詳しくはコチラの記事も参考にしてください。
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住宅購入費用 約3700万円〜
住宅購入は、人生で最も高い買い物だと言われています。結婚し家族が増えると、検討し始める方が多くなるでしょう。
住宅金融支援機構が実施する「フラット35利用者調査(2022年度)」によると、全国平均で土地付注文住宅が4694.1万円、建売住宅が3719.0万円、マンションが4848.4万円、中古戸建が2703.6万円、中古マンションが3156.9万円です。
また住宅購入費以外にも不動産登記費用や仲介手数料、火災保険、家具家電購入費、引っ越し代など多くの諸経費がかかることも覚えておきましょう。
また、住宅ローンで住宅を購入する場合、税制優遇を受けることもできます。
詳しくはコチラの記事を参考にしてください。
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老後の生活費用 約24万円〜/月
総務省の「家計調査年報(令和4年)」によりますと、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は23万6,696円となっています。夫婦二人暮らしの場合は、約24万円程のお金が必要なことが分かります。
老後のメイン収入となる公的年金に期待が高まりますが、「厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和4年度)」によると、令和4年度の年金受給額は国民年金が約5万6,000円、厚生年金(国民年金を含む)が約14万5,000円でした。会社員(厚生年金)と専業主婦(夫)(国民年金)の夫婦の場合、合わせて20万1,000円の年金額となるため、公的年金だけで老後資金をまかなうことはむずかしいと考えられます。
ゆとりある老後を過ごすためには公的年金だけでなく、若いうちから自分で資産を築き上げる必要がありそうです。
老後資金について詳しくはコチラの記事も参考にしてください。
老後資金はいくら必要?老後資金を備える方法とは(2023年4月最新版) | 住まい・暮らしの情報サイト SALAつむぎ
介護費用 約8.3万円〜/月
老後は、健康なまま寿命を迎える方もいれば、早い段階で介護を要するようになる方もいらっしゃいます。生活費とは別に、介護費用もかかってくることを想定しておきましょう。
(公財)生命保険文化センター「令和3年度生命保険に関する全国実態調査」によると、
住宅を介護しやすくリフォームしたり、介護ベッドを購入するなどの一時的な費用が平均74万円。さらに毎月にかかる介護費用の平均は8.3万円。詳細は在宅の場合4.8万円、施設の場合12.2万円でした。こちらも老後資金と一緒に若いうちからコツコツと貯めておく必要があります。
30代の若いうちから将来に備えた貯金を考える場合は、コチラの記事も参考にしてください。
30代が知っておきたい貯金の話〜今からはじめる資産形成について〜(2023年4月最新版) | 住まい・暮らしの情報サイト SALAつむぎ
緊急費用 約90万円〜
一生涯で起こり得る代表的なイベントを挙げてきましたが、予想外の出来事が起こる可能性もあります。交通事故や病気、災害、リストラなど万が一のときの備えも必要です。最低でも生活費の3ヶ月分以上は緊急資金として確保しておきましょう。
1ヶ月の生活費が30万円であれば、90万円以上。万が一の備えがあれば、緊急時にも慌てず余裕を持って過ごすことができるでしょう。
どんな人生を送りたいのかを明確にし、ライフイベントごとの費用に備える
人生には多くのさまざまなライフイベントがあり、イベントごとに多くの費用が必要になることが分かりました。自分の夢や理想に近づくためにもライフプランを立てて、いつどれくらいのお金が必要になるのかを自覚し、ライフイベントに備えましょう。
サーラでは、愛知県や静岡県を中心にファイナンシャルサービスのご相談を承っております。お客様のライフイベントに沿ったライフプランを考え、どうしたらその資金を用意できるかをFPの豊富な知識と経験をもとに提案いたします。
将来を見据えた豊かな生活を送るためにも、お気軽にご相談ください。
■監修_サーラフィナンシャルサービス/担当者_資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
WRITER PROFILE
mamhive 芝田ありさ
ライター歴15年。グローバルな視野と高いリサーチ能力、幅広い業界知識を併せ持つ行動派ライターとして、IT・住宅・金融・保険・教育を中心にライティングや取材を行う。得意のIT知識を活かしてホームページ制作も請け負っている。
女性ライターチーム「mamhive(マムハイブ)」に所属。